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一旦俺に任せて

 声を荒げると、デシネの目がクマガイへと向いた。


「やばっ……」


 クマガイは、口を真一文字に結んで黙る。

 そしてうつむき、目を()らす。

 その様子はまるで敗北者のそれ。

 だがクマガイは恥も外聞もないとばかりに、全くデシネと接点を持とうとしない。

 神などという存在と対立したくはない。


(俺は女神のカプリスとだって関わりたくないよ。 だってあいつ、ろくなことしないよ)


 今でこそ物事をそれなりに考える様になったクマガイではあるが、以前のクマガイは何かと脊髄反射で行動した。

 その結果、ひどい目に合いがちで、しかもそれを全て他人のせいにしてきた。

 中には、カプリスにただひどい目に合わされたことだってある。

 その頃の記憶が甦り、クマガイの思考は、一時的に、以前の様なただ卑屈なものに戻っている。

 だが、外敵に敏感にはなっている。

 そして、行動を起こそうとする勇気が、今のクマガイにはある。


(何とかして穏便に済ませなきゃいけない! 俺が!)


 しかし、その内容は事なかれ主義と利己的な防衛本能が働いている状態であり、勇気ではあるが、雄々しくはない。


「アリス、お前はノリでやっちゃうとこあるからちょっと待ってよ。 一旦俺に任せて」

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