1680/2233
刺さった
デシネが果たしたいのは、アリスやクマガイと戦うことではない。
そもそもの目的はゾミの救出であり、それは既に果たした。
よって、後はこの場から撤退するだけでいい。
そのはずなのだ。
しかし、この場において、心に揺らぎを持つシャノンがいたこと、そしてガインがいたことが、デシネをこの場に留まらせている。
「……」
ガインと戦いたいのか、対話に向かいたいのか、それはデシネ本人も分からない。
しかし分からないままでも、何かが変わる気がした。
その思いから、デシネは、ガインと再び相まみえた。
二人は違う生物同士だが、心は繋がれるとデシネは思ったし、事実、あの日は確かに繋がった。
繋がっていた。
だからこそ、邪魔なアリスとクマガイを相手にせずに、もう一度ガインと心で繋がりたい。
その方法が戦いか、対話なのかハッキリしていない状態のデシネ。
そこに向けられたクマガイの言葉、「煮え切らない」は、デシネにとって、心に刺さる一言だった。




