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煮え切らない
本当ならばアリスに言ってやりたいことがある。
お前は何なんだ、と。
邪魔をするな、と。
アリスにだけではない。
クマガイに対しても同様に言いたいことはある。
お前は何なんだ、と。
邪魔をするな、と。
「……」
しかし、デシネは言わない。
今そこにある自分の感情を言葉にして出せば、こういう手合いは更に調子に乗る、と思うからだ。
するとクマガイが口を尖らせ、挑発ともボヤキともつかぬ言葉を吐いた。
「……煮え切らないなぁ」
言ったのはただの一言。
悪気なく言った一言。
しかし、言い得て妙の言葉ではある。
デシネ自身も、煮え切らない自分を自覚してはいる。




