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生の感情
デシネは、不快げに目を細める。
そこには、生の感情がある。
「……」
デシネは黙して語らない。
口をかたく結び、アリスとクマガイをただ睨むのみ。
その眼光にすぐ反応するアリス。
「あ? やるかコラァ」
その瞳は真っ赤に燃えている。
そこには萎縮も躊躇もない。
ただシンプルに、前に向かう意思を見せているアリス。
だがデシネは、アリスの様子にはあまり興味がない様で、すぐさま視線を外す。
それは当然、アリスの感情を逆なでした。
「おう、お前、敵か? 俺のよぉ」
「……」
片やデシネは、やはり口を閉ざしたままだ。
司祭たるもの、口に出すのもはばかられる言葉も多数ある。
それを感情のままに言い放つことなら誰でも出来る。
誰でも出来るのだ。




