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不穏で不敵で不愉快なもの
デシネが薙ぎ払う様に腕を振る。
一見何も変わらない。
だが実際は、衝撃波が空気中をはしっていた。
「!」
シャノンの目にはその衝撃波は見えていない。
だが、ガインには見えている様だ。
「オォッ!」
大剣を振り下ろし、構えたガイン。
次の瞬間、高い金属音が響いた。
耳をつんざく大音量。
その不愉快な音にシャノンは顔をしかめる。
だが目は閉じない。
ガインとデシネを見据え、その動向を見ると、ガインの足がしっかりと地を踏みしめているのが見える。
それが激突の瞬間、押された様に後ずさった。
ガインの眼光は鋭く、デシネを血走る目で見る。
対するデシネの目は、まどろみの世界へいるかの如く細められている。
ガインを見ているのか、見ていないのか。
ただ口元にはやはりというか、笑みが張り付いていた。
それは、シャノンの目にも、ガインの目にも、そしてアリスの目にも、不穏で不敵で不愉快なものに映った。




