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義妹への贖罪
対して、ガインは答える素振りを見せない。
ただ沈黙するのみで、シャノンを一瞥すらしない。
何か問われて答える様な間柄でもないし、ガインにとってデシネは、一時、一緒に過ごして心が通じ合った仲に思えたが、おぞましい死人の群れを率いる存在だと知り、憎悪の対象となった。義妹ユウの母を殺さねばならなかったことは、他人にぺらぺらと言いたいことではない。
「……!」
だがその表情に暗さはない。
それは、過去を部分的に取り戻せると思っているからだ。
アリスの蘇生魔法ならば、ユウの家族を取り戻せる。
ただ、失った時間は取り戻せない。
そのけじめの一戦は交えるべきだ。
そして。
(ユウの母親を殺した分際で、義兄におさまっていた己の醜悪さは許されざるものだ)
いつしか義妹を本当に大切に思ってもいたが、贖罪は果たさねばならないとガインは思っている。
ユウの母親の命、ユウが母と過ごせなかった時間は、ガイン自身の終焉から贖罪が始まる。
ガインはそう信じて疑わない。
(そしてユウの母親を狂わせたこの男は、己が殺す)




