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再会、心乱れて
マシアスが振り向くと、デシネの目から、鼻から、口から血を噴き出していた。
無論、喉からも出血おびただしく、デシネはガクガクと体を震わせながら、一歩二歩と頼りない足取りで退いてゆく。
マシアスは呆然とその様を見ながら呟いた。
「こんなあっけなく……?」
ぼんやりとしながらも、マシアスは考えをまとめ、予想を口にする。
「こいつの瞬間移動は、やった後、一瞬隙が出来る……のか?」
その答えは出ない。
誰も答えない限り。
だが、答える者が一人いる。
「今のは単に、私が油断しただけですよ」
デシネである。
「まさかの人物との再会に、心が乱れてしまいましてね」
デシネの出血はもう止まっていて、短剣がスルリと抜けた。
傷口の肉が蠢いて塞がり、横たわった姿勢のまま、音もなく立ち上がるデシネ。
依然、憤怒の表情のままのガイン。
「己は人物ではない。 魔物だからな」
吹っ切れているその口調は、デシネとの邂逅を喜んだ、あの若き日のガインではない。
「だが今、己も心が乱れたぞ……! ……貴様への怒りと、首を獲れる喜びでな!」
ガインの苛烈な殺意が、デシネの心を突き刺す。
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