1664/2233
見透かされたシャノン
シャノンは、この期に及んで、デシネをまだ普通の人間だと誤解している。
シャノンだけではない。
デシネを攻撃する吸血鬼たち全員が、デシネを人間だと誤解したまま戦っている。
(なぜ当たらない……!?)
これは、吸血鬼全員に共通する思いである。
そして彼らは、誤解を解く術を持たない。
吸血鬼ゆえに、である。
「……」
デシネは涼しい顔で、面々の顔を順に見る。
目が合った吸血鬼たちは、デシネの目に不穏なものをかんじながら、しかし、誤解したままである。
彼ら吸血鬼は、血の匂いに敏感である。
人間の血の匂いに。
シャノンは口を真一文字に結び、表情を硬く固定してデシネを睨む。
だが、内心ではまたも驚愕している。
(何なの、この人間!?)
シャノンは、言葉を声に出してはいない。
だが、沈黙など、デシネには意味をなさない。
見透かしたデシネ。
見透かされたシャノン。




