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どういうことなんだ
クマガイはアリスの発言を特に気にする様子もなく、真剣な表情のまま、男を見ている。
男は、吸血鬼の背後から消え、別の背後へと移動する。
瞬間的に移動するその様子を見るクマガイは、ブツブツと呟きながら、そこに気付く。
「……絶対に相手の前には出て来ないんだよね」
弱者の記憶をひきずるクマガイにとって、強者の観察は当たり前のことであり、そこには弱者ならではの視点が加わる。
「ビビってるか、前に出れないかだよ」
クマガイは、自分ならどういう理由で敵の後ろに陣取るかを考え始めている。
(何かあるはずなんだ、何か)
その時、男がまた消えた。
クマガイは、出現の瞬間を見ようと全体に気を配ろうとする。
だが、男は既に現れていて、吸血鬼たちが一斉に襲いかかる。
何度も繰り返されるこの流れに、クマガイは首をひねった。
「どういうことなんだろう」
そんなクマガイを見て、首をひねるアリス。
「お前がどういうことやねん」




