1640/2233
鬼の形相
その様子を遠巻きに見るアリス。
「何だあのオッサン」
黒衣の男を訝しげに見ながら、しかし動こうとはせず、状況を見守っていた。
「まぁ、あんだけ人数いるんだし、あいつらも俺のお陰で強くなってんだから、様子見だわ」
アリスの死人覚醒魔法によって、数段強くなっている吸血鬼たち。
彼らが、一人の男を排除せんと奮闘している様は、何か切羽詰まった雰囲気がある。
「しっかし、何であんなに必死かね?」
吸血鬼たちの雰囲気に違和感がありつつも、特に警戒することもなく、アリスはぼんやりと戦いを眺めている。
感覚を研ぎ澄ませば、何か分かるかもしれないが、何となくそんな気にもならない。
地に腰を下ろしてあぐらをかくアリス。
「よぉガイン、お前はどう思うよ? ……って、どうしたオイ」
驚き問うアリスに、ガインは答えない。
ただ、吸血鬼たちの戦いを見て、鬼の形相となっている。




