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通用しねぇか
「おぉぉぉぉッッ!」
フォンテスが炎をまとい、男に向かって駆け出すと、即座に男はかき消えた。
マシアスがフォンテスを見ると、その背後に男がいるのが見えた。
「殺ッ!」
見るが速いかマシアスは、魔法の短剣をフォンテスに向かって投げる。
フォンテスはしゃがみ込みながら時計回りに回転し、地を這う円軌道の蹴りを繰り出した。
だが男は一歩後退し、涼しい顔でかわす。
そしてまた消えた。
するとマシアスが投げた短剣がまたも停止し、真っ直ぐ地に落ちる。
「ちぃッ」
焦燥感がマシアスの胸に広がってゆく。
男が一体何なのか、そして短剣が地に落ちるのは何故なのか。
(俺の短剣じゃ通用しねぇか?)
そして男は、またしてもマシアスの背後に立った。




