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傍らにいた黒衣の男
だがゾミの体は、いつの間にか傍らにいた黒衣の男に受け止められた。
つい先程まで影も形もなかったはずなのに、今、男は確かにいて、ゾミの体を受け止めている。
「!?」
吸血鬼たちは驚き、無意識のうちに全員が身構える。
イゴールも飛び退くが、男はゾミを受け止めたまま消え、そしてイゴールの背後にいつの間にかいる。
「何ッッ!?」
戦斧を振るイゴール。
その声には、焦りの色が混じる。
戦斧は当然の様に空を切り、そして男もまた、当然の様にイゴールの背後にいる。
「何者だ貴様ッッ!?」
イゴールの怒号をものともせず、男は無表情。
しばらくは、受け止めているゾミの体に視線を落としていたが、まるでイゴールなど眼中にないかの様に、辺りを見回し始めた。




