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静止しているかの様な世界
決着は一瞬だった。
アリスは白銀の炎が宿った右拳を固く握った。
そのまま引き絞るアリス。
そして腰を落とす。
(よっしゃ、とりあえず一発ぶん殴ってやるわ)
手始めに一撃加えるつもりで、足を強く踏みしめるアリス。
まずは軽く走り、そこから一気に踏み込むつもりだった。
だが、いざ走ってみると、最初の助走の速度にプレが反応出来ていない。
アリスが眼前に迫っているにも関わらず、身構えもせず、何の対処も見せていないプレ。
(何だコレ、オイ)
まるで全てが静止している世界の中で、自分だけが動いている様な感覚。
だが、全ては静止しているわけではない。
世界はゆっくりと動いている。
その中で、アリスは、自分だけが自由自在に動けるのだと気付く。
(俺だけメッチャ速く動けとるわコレ!)
アリスは、天使プレと自分との力の差をかんじずにはいられない。




