妾の力を全てやるわ
こうなると、三者もプレへと殺到する。
どの顔も喜びの色が混じり、繰り出す一撃一撃に迷いがない。
「くっ、おのれ……ッ」
プレは四人の猛攻をかわしながら、腕の再生を待つ。
両手が揃わねば、反撃は単発になるだろう。
そして一気に押し切られる。
そう思うだけの勢いが、今のアリスたちにはある。
(いいのぅ……)
そんなアリスたちを羨望の眼差しで見るのは、剣化したアプリコット。
かつていた、アプリコットの仲間たち。
その筆頭がビクトーである。
(ビクトー、あ奴が生きておったしのぅ……)
輝ける思い出の日々、仲間たちとの日々がよぎる。
(生きて妾を復活させようとしてくれておった……)
アプリコットはこれまで、どうにか復活したいと思っていた。
だが、実際に自分を復活させようと奮闘しているビクトーがいたこと、そして束の間でも復活したこと、ビクトーと抱擁をかわしたことで、どこかもう満足してしまっている。
(……だからもうよいわ。 妾はもうこのまま復活ならずともよい。 きっと妾のやりたかったことは、こ奴らが、そしてビクトーが果たしてくれる)
何故か。
(託したい。 もう何も望まず、ただこ奴らに。 こ奴らのまとめ役である、お主に)
何故かそう思えた。
だからアプリコットは。
『妾の力を全てやるわ、アリスとやら』
「何っ!? アプリコット、貴様ッ! ッ痛ッ!」
プレの手を弾き、アリスの胸に刺さった。




