1621/2233
プレの憎悪
穴倉の触手が吸っている液体は、血液である。
そしてそれは、先刻吹き飛ばされたプレの腕から吸い上げられているのだ。
「俺は化け物だよ。 どうあがいたって、それは変わらないんだ」
見開いたままの穴倉の目は、みるみる充血してゆく。
「でも、食えば食うほど、俺は進化する」
次第に眼球全体が赤黒い色で満たされる。
触手に血を吸われているプレの腕は萎れてゆき、遂には干からびた。
プレは、先程まで自分の体の一部だった腕の惨状を目の当たりにし、穴倉に対して激しい憎悪を抱いた。
(こいつは何が何でも殺す)
その殺意が空気を震わせる。
戦意の尖鋭化をかんじ取る穴倉もまた、戦意を爆発的に発散する。
これまでの笑みよりも更に尖った笑みを浮かべる穴倉は、プレからかんじる憎悪に一種の快感を覚えた。
が、はたと気付く。
アリスもそこにいて、この腕食いを目の当たりにしている。




