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おぞましい化け物
振り向いたプレは、即座に身を翻し、剣を横一文字に振る。
しかし穴倉は難なくかわし、少し距離を取った。
目を見開いた。
その口元は笑みで歪み、白目がみるみる充血してゆく。
穴倉から放たれる禍々しい殺気は喜色を帯び、えもいわれぬ不気味さを発する。
それを受けたプレは、戦慄と軽蔑の入り雑じった表情で、吐き捨てる様に言葉を紡いだ。
「おぞましい化け物がッッ」
その一言は、今の穴倉を余すところなく言い表していた。
そしてそれを穴倉も自覚している。
「そうだな」
笑みを浮かべる穴倉の頭は割れており、そこから無数の触手が出ている。
「お前から見れば、おぞましいだろう」
そしてその触手たちは、何か細長いものに喰らいつき、脈動している。
触手はどれも半透明で、中が透けて見える。
そこには、赤黒い液体。
脈動に合わせて、先端部から吸い上げられている。
「だけど、これが俺の生き方なんだよ」




