俺の話は聞けよ
ジャン・ジャックの心が波うつ。
押し寄せてくる感情は色んな気持ちがないまぜになったものであったが、次第に一つの形に固まってゆく。
それは嫉妬の形であった。
(……)
言葉にならない思いがジャン・ジャックに視線を投げかけさせる。
(……)
視線が向かう先はガイン。
……ではなく。
「どうしたオイ。 ……何だオイ」
アリスである。
「オイー、めっちゃ見られとるわ」
思うがままを素直に口にするアリスの言葉。
しかしジャン・ジャックはそれを聞き取らず、ただアリスを見つめる。
「Um……熱視線」
少しおどけるアリスの言葉も、ジャン・ジャックには届いていない。
アリスは片目を半眼にし、眉を段違いにしてジャン・ジャックを睨む。
「オイ、俺の話は聞けよ。 反応しろや……!」
そして声に混じる怒気。
アリスはどんな時であろうと気ままで、その自由を何者にも侵害させないが、相手が誰であろうと、気に入らなければ介入したがる身勝手なところがある。
故に、ジャン・ジャックにかけた言葉が届かないことに不快感を抱き、即座に突っかかったのだ。
およそチンピラにしか出来ない様な短絡的な行動にはしった、その発端は、アリスなりの親切心から。
アリスは、ガインとジャン・ジャックの微妙な雰囲気をかんじ取り、無意識のうちに仲を取り持とうとしたのだ。
しかし、その親切心、平和的な考えが少しでも曲げられたとかんじると、戦意に繋がってしまう。
これがアリス。
真っ直ぐでもあり変化しやすい、場をかき回す感性である。




