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何があったんだ、お前に
その奇妙な感覚はジャン・ジャックにも伝播する。
その瞬間、ジャン・ジャックは眉をしかめた。
(何だ?)
殺意のこもるジャン・ジャックの目は据わっていて、ガインを捉えている。
その瞳の色は澱み、暗い感情の色を映していたが、しかし、ガインはそこにいるのに、ジャン・ジャックの敵意、殺意が刺さらない。
そして同時に、柔らかな視線を投げかけてくる。
そこに苛烈さはない。
だが、圧倒される様な凄味がある。
(こいつ、どうして)
ジャン・ジャックの全身に寒気がはしった。
ガインは身構えてはいるが、力はむしろ抜けている印象で、顔の表情も穏やかだ。
ジャン・ジャックを侮っているわけではないのがわかる。
だが、余裕があるのもわかる。
(どうしてこんなに強くなった)
愕然としたジャン・ジャックが苦悶の表情で呟く。
「何があったんだ、お前に」




