スライムクイーン
あぁ、怖かった。
泉にスライムがわんさかいるのを見た時は、初めて会った同族とか何とかという気持ちなど一切なく、ただ何となく、怖い、という気持ちだけがあった。
私は元々人間で、自分は人間であったという気持ちが当然あるから、今世でのこのスライムの体は、やはり何となく、仮初めの体だ、という意識があるのだろうと思う。
だから、スライム同士の対面と言っても、仲間意識や感慨などは私としてはなかったし、私とは別の生物、という認識であったのだが、私も彼らもスライム、ただし私が上位、という意識しかない相手方は、私の尊大な態度も相まって、私のことを、強くて気高いスライムの女王、としか認識してくれていない。
故に、彼らとは気持ちの共有が難しいな、という思いがあるし、だからこそ、現在の状況があると、私は考察する。
どういう状況かを把握するには、まず、彼ら通常のスライムと、私ことレインボースライムの違いを理解せねばなるまい。
まず、彼らスライムは、水を体内に溜めておかねば活動出来ないのだ。
溜めた水は、いわば燃料として消費される。
水が枯渇すると、彼らは干からびて死んでしまうので、常に水源を確保せねばならないらしい。
彼らが水源にたまったのは、水を体内に溜めたいという思惑があり、それというのは、つまり、水の容量が少ないということだとは思ってはいた。
そして実際、そうだったのだが、私はレインボースライムという謎種であり、普通のスライムとは異なるスペックを備えているのは明らかだった。
私の場合、水は、射出以外で減るものではない。
純粋に、戦闘用のものなのだ。
私の場合、燃料として消費されるのは、穀物、お野菜、お肉、お魚などである。
あまり大きな声では言いたくないが、どうにも食料がない時には、その辺の石、草、葉っぱ、藻、そして木と、今世の私は、割と何でも食べることが出来るので、やはり、気持ちを共有するのが難しい、と言わざるを得ないだろう。




