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だからお前も突っ走れ

 アリスが他意なく言い放ったことをガインはわかっている。

 アリスが“そういう奴”だとわかっているし、ある程度予想もしていた。

 だが実際に直面すると。


「ククッ」


 楽しくなってきてしまう。

 そして嬉しくなってしまう。

 初めて出会った時からアリスは異質な存在だった。

 今は女神と等しくなり、更に異質になっている。

 だが、最初の印象と何も変わらない。


(魔人だろうと女神だろうと、アリスはアリスなのだな)


 そう思うガインは、戦闘中とは思えない程に表情が柔らかくなる。

 それを見てアリスの頬もゆるんだ。


「何わろてんねん、キショいわお前」


「ククッ、クックッ、そうか」


 プレと刃を交えながら笑い、アリスに言葉を返すガイン。

 聖騎士だろうが何だろうが、アリスは好き勝手な物言いで、思うがままを伝えてくる。

 見下す物言いをしてくるという点でいえば、アリスは、ガインを忌み嫌う人間たちと大差ないかもしれない。

 だが、アリスから親愛の情はかんじても、忌む感情はかんじない。

 他者が言えば少なからず傷付く様な言葉でも、アリスに言われると、受け取り方は変わる。


(おれ)が共闘せずともお前はいいのか」


 天使との戦闘中に何を矛盾したことを聞いているんだと自分で思いながら、しかし今だからこそ聞きたかったのだ、とも思うガイン。

 それを知ってか知らずか、アリスが返した言葉はガインの言葉に、想いに似通う。


「いやもうお前は天使と戦っとるやろ。 でもお前の立場もあるのわかるし、マズいと思うなら今からでもやめときゃいいわ。 聖騎士だろうがただのガインだろうがお前はお前だし、俺たちはダチだからよぉ、つるめる時だけつるみゃいいんじゃねぇの? 俺だって今は世間に天使だと思われてっけど、魔人なのか魔王なのか女神なのかで色んな奴が態度変えると思うわ。 でも何になろうが俺は俺だわ。 だからよぉ、聖騎士が神殿ぶっ潰したっていいし、女神が神ヌッコロしてもいいんじゃねぇの? 俺たちは誰にも止められねぇわ。 だからお前も思った様に突っ走れや」

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