姉御の森
いやはや、どんな軍勢が来るかと構えてみれば、何のことはない。
鳥、リス、ネズミにモモンガ、カエル、トカゲ、サソリか。
毒を持つサソリには注意じゃが、こんな小動物の集まりなど、恐るるに足りんわ。
む、リスが念話を飛ばしてきおったわ。
『オイラは、この南の森の戦士、リスのコロでやんす!そのひょうたん泉は我らがルリの姉御の為のものでやんす!即刻明け渡して、姉御の縄張りから出て行くでやんす!』
『ふん、誰が決めた、そんなこと。小動物風情が、我らスライムに命令するな。撃て撃てい!』
スライム百匹による水鉄砲じゃ!
血の雨が降るぞい!
『きゃー!姉御!お願いするでやんす!』
む?動物どもの前に、虹色の水の壁が出来おったわ!
これでは、我らスライムの水鉄砲攻撃は通じん!
おのれ、こしゃくな!
…むむ!?
水の壁がこちらに向けて、膨張して来る!?
むむむ!?
水の壁は大波となり、我ら全員を飲み込んだ!
『儂も含めた全員が、迫り来る水の壁に飲み込まれてしもうたか!しかし、我らはスライム、窒息なぞせんぞ!』
大波が大渦となり、我らは渦の中心に集められる!
『私がこの南の森の首領、レインボースライムのルリだ。無法者ども、立ち去らなかったことを、後悔するがいい。』
渦が急激に収縮した!
すると体に圧力がかかり、我らは押し潰されそうになる!
何と!水圧で潰して一網打尽にする気か!
『どこだ!?どこにおる!?姿を見せい!』
「私はここだ。」
何と、我ら全員を飲み込み、収縮して潰そうとしているこの水全てがスライムの個体だと!?圧倒的な量の水のスライムだと!?
「話にならないな。このまま潰れて死ね。よそ者のスライムども。」
これは屈服するしかあるまい!
スライムとしての次元が違い過ぎる!
そしてこれ程のスライムならば、奴を屠ることもきっと叶おう!
「お、お待ち下され!どうかお話をお聞き下され!」




