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クマガイ死す
セオドールとダーハムは、一部始終を見ていた。
クマ…熊谷一好が、透明の魔物…穴倉羊透に殺され、喰われる様を。
穴倉の頭が割れ、中から出て来た触手が巻きついて、クマの手足の自由を奪った。
残りの触手がクマの首、胴、手、足を別々に切り離した。
そして透明の魔物は、ボリボリと音を立ててクマの残骸を喰った。
ある程度喰ったところで、透明の魔物は何を思ったか、触手をヘリのローターの様に回し始めた。
どんどん速度が速くなり、けたたましい音に変わりつつある頃、透明の魔物は宙に浮いた。
そして、ついには空を飛んで、透明の魔物は行ってしまった。
そして少し後、遠くで火の手があがり、また透明の魔物が、違う方向へ飛んで行くのが見えた。
二人が火の手の方へ行くと、スライムの巣というか村と、スライムの大群の死骸が燃えていた。
「奴がやったんだな。」
「早くずらかろうよー。」
「そうだな。」
「夢に見そうだよー。」
二人は、来た道を引き返した。




