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どうしても、ぶどう水が飲みたい

もう夕方か。今日も一日ブラブラして終わったわ。

俺と服部は、ゴードン薬店の前で、椅子に座ってぼーっとしている。そろそろ、日が傾いて来る。

「服部よぉ、元気出せって。」

俺は、服部に声をかける。

清掃業者に就職しようとした服部だったが、面接に落ちたらしいわ。何で清掃会社なのか知らんけど、やる気になってた分、落ちてショックだったみたいだわ。それからずっと元気がないのが、そこはかとなく面倒くさいわ。

「なぁ~、服部ってぇ~。」

俺が何度声をかけても、うん、とか、ああ、とかしか言わないから、どうしようもないわ。

「アリス、拙者、何で落ちたと思うでござるか?」

たまに口を開いたら、これだわ。

「えぇ~…?こいつほんと面倒くさいわ…。」

俺の気持ちを言葉にしてみたわ。これで怒らせて、元気出させる作戦だわ。

「拙者、魔物だからダメだって…。」

…無視されたわ!俺の作戦、無視されたわ!

「わかった!わかったから!な!飲もう!ぶどう水飲もう!」

美味いから!な!

「お酒じゃないでござるか…。」

おっ、食い付いた!

「俺ら未成年だから!俺、鑑定スキル上がって、この世界での年齢わかったから!」

「拙者たち、何歳でござるか…?」

「俺が十四歳で、お前十三歳なんだってよ!な!ぶどう水飲もう!」

ゴードンさんちの薬店で売ってるぶどう水、美味いから!俺今日、五本も飲んだから!ゴードンさんの奥さんに、糖尿が心配だからっつって止められてるけど、服部を慰めるテイで、またしれっと買うから!止まらねぇから!俺はもう止まらねぇから!

「な!な!ぶどう水飲もう!」

俺、もはや、ぶどう水の回し者だわ。

「…そのぶどう水、私におごらせてもらえるかな?」

何か背後に、怪しいじじいが立ってたわ。

もう薬店は店じまいの時間だから、ぶどう水だけおごって、帰れじじい。

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