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真性のクズ、吐き気がするほどの邪悪
ビクトーは気付く。マシアス、イゴール、シャノン、アラン、そしてビクトーの魂には、あの少女の気配がまとわりついている。これは呪いの様なものだ。逃がされた時に気付けば対処法はあったかもしれないが、あの時はとにかく逃げねばならないと、それしか考えられなかった。
ああもすんなり逃がされたということは、彼女は相当の魔力感知力を有しており、首輪をつけたビクトーたちの魂を、どこにいても感知出来るということ。これを感知して、どこまでも追ってくるだろう。だから、当面の目的としては、何とか彼女とコンタクトを取って交流を重ねて仲間にし、魔王かそうでないかを鑑定で見せてもらえる仲にならなければならない。その後、この呪いの様なものを解除してもらわねばならない。これはあの少女からの無言の圧力だ。
すんなり逃がされた真の意図を読み解いて、彼女の意向を汲んだ形で活動して信用を得ねば、滅ぼされる立場にするつもりなのだろう。隷従にしても趣味が悪い。こんなことをするあの少女が魔王であっても厄介だし、魔王でないならより厄介だ。どちらにせよ、性根の腐り方が尋常ではない。
ビクトーは思う。あの少女は真性のクズだ、吐き気がするほどの邪悪な存在だ、と。




