第30話 引島
山口県下関市彦島。
本州の尾の先ともいえる場所で、源平合戦の終盤、壇ノ浦の戦いでは平家の本陣が置かれるなどした歴史ある島である。
日本の主要4島を除く島の中では非常に人口の多い島で、転移時に亡くなったり九州へ移住したりで減りはしたが、現在でも1万人近い日本人がここで暮らしていた。
本州にほぼくっ付いているとはいえ、一応海を隔てていることや、本土最終防衛線とされる下関中心よりも更に西だという安心感がその理由であろう。
その彦島の北西。彦島に隣接する竹ノ子島という小さな島を目の前にした場所に、南風泊という港がある。転移前は日本での天然フグの8割を取扱い、トラフグの水揚げ量も日本一というフグの港として知られた場所だ。
しかし転移後フグの漁獲量はゼロになる。それでも、通常の魚の取扱いでなんとか生き延び、モンスター侵攻で東日本の人々が西へ逃げた際には、他の港と共に食糧供給で一役買うなどの役割を果たしていた。
人々が九州・四国へ移住した現在でも、彦島や下関の人々へ響灘の魚を供給する重要な港の1つとして生き続けている。
そんな港の一画に真新しい建物が最近建設された。冒険者ギルドの日本支部会館である。
冒険者ギルドの設置に当たり、冒険者ギルドのエドモンドと日本との協議の結果、ギルド支部は日本の本州に設置されることとなった。
これは冒険者による問題が起こる可能性を出来る限り通常生活圏に持ち込みたくない日本側の意向が強く反映された結果である。
ギルド側にしても、まったく文化の違う日本国内に冒険者が赴けば何かしら問題を起こす可能性が高いことは認識しており、またその活動の多くが本州になると予想されたため、交渉を一任されていたエドはこの提案を呑むこととしたのだ。
彦島という場所が選ばれた理由は、その東にある関門海峡が海上交通の難所であるという点から、その手前が望ましいとされたためである。
基本的に日本側の要望を呑み続けたエドであるが、その見返りとして土地確保や会館の建設に当たり日本側の大幅な支援を引きだすことに成功する。
もっとも日本側にしてみればそれは大きな支出ではなく、その程度で問題が起こる危険性が下がると思えば安い買い物であったのだろう。
とはいえ、福岡にも冒険者ギルドの支所が置かれ、そこでは主に事務業務が行われることとなり、また日本の通常生活圏への用件がある冒険者も居るため、問題が起こる可能性が無くなってはいないのであるが。
年が明け、いよいよ日本支部の開設を翌月に控えエドたちはその準備に忙殺されていた。
準備室は今月末をもってなくなり、2月からはギルドが正式に動き出す。そのための人員は昨年末から既に派遣されており、彼らに日本での仕事のやり方も教えなければいけないエドの忙しさは一際である。
「クエストの受付はこっちの正面カウンターだ。右手に銀行、左手のカウンターは各種登録窓口になる」
「エドモンド。この掲示板は、クエスト掲示用だろ? どこに置く?」
「ああ。それは入ってすぐに目がつく様に並べてくれ。置き方は任せる」
「エドモンドさーん。日本側から送られた冒険者向けの冊子や案内はどうするんですか?」
「それはそのまま置いておいてくれ。展示台が納品されたら並べるから」
大陸から派遣されたギルド員にテキパキと指示を出しながら、エドは窓の外に見える海の方をチラチラと気にしていた。
この場所にギルドを開設するに当たり、福岡の博多港との間に定期船が設けられ、その第一便が今日到着する予定なのである。
博多港から南風泊港まで想定されている航路は100km弱。一般的な帆船で順調にいけば約9~10時間で到着することになる。夜間の航海は危険も伴うため、一日おきに往復する計画だ。
先日、就航されたタンゲラン―博多間の定期船と合わせて、冒険者はここまでやってくることになるだろう。
その定期船第一弾は、今朝早くに博多港を出港したはずなのだが、予定時間を過ぎてもまだ到着していない。
基本風便りの帆船であるため、ある程度の時間のズレは想定内なのだが、この時期の日本は日が落ちるのが早い。暗くなっては危険だとエドは心配しているのである。
海が気になるエドを他のギルド員がちらちらとみていた。
もっとも、船が気になるのは他のギルド員とて同じことである。
作業を中断しないように動き回りながら、エドをそして外の海を見ていた。
「お、あれ!」
女性ギルド員の1人が外を指さす。
その指の先、港から見える竹ノ子島の陰から中型の帆船が見えてきた。
既に縮帆し減速に入っているが、それ以上に恐る恐る進んでいる様な印象が見受けられる。おそらく座礁を警戒しているのだろう。
航路周辺の海に関する情報は日本側から提供されているが、実際のところは直に確かめなければ分からない。
きっとここに来るまでも慎重な航海を続けてきたのであろう。
定期船の船長は大陸の者で、ギルドが雇った人間である。それなりに経験のある人間と聞いているので、何度か往復を続ければこの航路にも慣れてくるだろうとエドは船を見ながら考えていた。
「さあ、出迎えにいきましょうか」
そう言うが早いか、エドは真っ先に会館を飛び出してしまう。
「あ! ずるい! まってくださーい!」
「おいこら、エドモンド!」
「遅れるな急げー」
珍しいエドの行動に虚を突かれた一同であったが、慌ててその後を追い走り出す。
その彼らの向かう先、帆船がゆっくりと向きを変えながら港へと向かっていた。
接舷された船から水夫が荷物を手に下りてくる。
博多や大陸からこの支部への荷物が主であるが、そうでない日本の荷物もある。
せっかくの定期船を利用しない手はないと、冒険者ギルドで少数ではあるが荷物の運搬を請け負うことになったのだ。
博多―下関間10時間というのは、やたらと時間がかかり過ぎている気もするが、燃料不足や様々な制限から気軽に本州に渡れない日本人にしてみると、この定期便の存在はないよりはずっとマシなものであった。
帰りはこの港で加工された海産物なども積んでいく予定である。
忙しそうに積荷を運ぶ水夫の間をぬって、1人場違いに着飾った女性が船を下りてきた。
「お疲れ様です、長」
「お待ちしていました」
「出迎えありがとう。ご苦労だったわね」
出迎えたギルド員一同に、笑みを浮かべ答えたのは、冒険者ギルド北東方面支部長フリダ・ガルト・ルイスであった。
フリダは出迎えの一同を見渡し、その中にエドを見つけるとそちらへと歩を向けた。
「エドモンド。あんたは特に苦労をかけたわ」
「これも仕事ですので。それで、初めての日本はいかがでしたか?」
せっかくの労いも何のことはないといった風に受け流すエドに、いささか拍子抜けしながらも、フリダは彼の質問に答える。
「聞くまでもないでしょう? 圧倒されっぱなしだったわ。報告では色々聞いていたし、タンゲランで日本の物はいくつも見ていたけど、やはり本土は違うってわけね」
「何か気に入られた物でもありましたか?」
「少なくとも、財布が空になりそうなくらいには」
そう答えたフリダに、ギルドの銀行から融資しましょうか、冒険者でないので利子は高いですがとエドが返す。
ケチね、などとフリダも返すがもちろん2人とも本気で言っているわけではない。
「宿の方はいかがでしたか?」
「設備は素晴らしいわね。数日と言わずそのままあそこを部屋にしたいくらいよ。従業員は……以前泊まったルマジャンの高級宿の方が上かしら。まあ、細かいところまで行き届いていたので不満はなかったわね」
「そうですか。しかし、こちらではそういう待遇は期待しないでください」
「それは残念。で、この後の予定は?」
「取りあえずは会館へ。その後彦島中心部にある旅館へ日本の用意した車でお連れします。夕食はそちらで。何でも名物料理を用意してあるとか」
「なるほど。それは楽しみね。――そう思いませんこと?」
そう言いながら、フリダは自分の後ろから船を下りてくる男に声をかけた。
「うむ。旅の醍醐味の1つといえば名物料理じゃな。以前、下関に来たときはそんな暇などなかったから楽しみじゃ」
錫杖を手にタラップを降りながら、フェルナンド・パパル・コルテスはそう楽しそうに言った。
福岡市中央区某所。大濠公園の南東に位置するその場所は、閑静な高級住宅地として知られ、また通りにはしゃれたカフェやレストランが店を構えている。
その少し外れた場所を、佐保登紀子は歩いていた。
そこには佐保が福岡に来て発見した、お気に入りの店がある。あまり知られていない穴場で、香辛料を使ったエスニック風料理を出してくれる店だ。
転移後、ワサビやショウガなどを除く香辛料のほぼ全てを輸入していた日本にとって心配された香辛料事情であったが、ラグーザ大陸東部に香辛料の産地があり、多種多様な香辛料が安価に出回っていたおかげでほぼ転移前と同じ香辛料を手にすることができていた。
さすがに生産性の問題から量は以前よりはるかに少なくその分だけ値が上がってしまうが、手に入るだけ幸運な状況である。
そんな香辛料をふんだんに使った料理もとうぜんその分だけ値段に反映されてしまうのだが、佐保はときどき1人でその店に出向いては食事をとっているのである。
「いよいよ、ギルドも開設間近か。準備室が解散したらまた下関だしね。今日は最後と思ってぱあっといこうかしら」
冒険者ギルドが開設されれば、佐保は出向を終え自衛隊へと戻る。
その後は新設される冒険者相手の部署に配属される。さらに、内密な話ではあるが、比較的早い段階での昇進の話も受けていた。
昨年の下関事件後に1階級昇進していることも考えると異例なことだが、かつての上司が常々言っていた通り今の日本が平時ではないという証なのだろうと佐保は考えていた。
冒険者相手の部署であれば、実戦部隊よりも危険性は低い。昇進には興味はないがいずれ辞める時のことを考えると昇進しておいて損はないはずだ。
そんな幸せな気分のまま、当分食べられなくなるこの味を心行くまで楽しもうと、佐保は満面の笑みのまま店内へと足を踏み入れた。
「やあ、佐保さん。思ったより早かったですね!」
「お待ちしていましたよ」
「げっ……」
幸せな気分が一瞬で粉々に砕け散る。
元々客で満席になる類の店ではなく、少し夕飯に早い時間ということもあるのだろう。
店内には場違いな2人の男性客だけがいた。
「あ、あなたたちは……なんで」
店内で佐保を待ち構えていたのは、下関で冒険者たちと行動を共にしていた公安の吉田智照と李震成の2人であった。
「さあさあ。こっちへ」
茫然とする佐保に、李が近寄り腕を取る。
「あんまり妙な動きはしないように。目立ちますよ」
「ッ!」
小声でささやかれ、しぶしぶながら大人しく彼らの座る席へと向かう。
店内の奥、丸いテーブルに座った佐保はこの強引なやり口に対し無言のまま半眼で睨みつけることで抗議の異を現した。
「料理は注文してあります。佐保さんがこられたら作り始めてもらうように頼んでいますので」
「取りあえず、何か飲み物を頼むといい」
「……」
「取りあえずビール? それともノンアルコールで?」
「ふむ……今時の店にしてはなかなかそろえてるな。大陸産のワインまである。今度は私的に来てみるか」
「……」
「料理はコースですが、食べたい物があれば注文してください」
「会計は気にしなくていい。……経費で落ちると思うか、李?」
「どうでしょうかね。これは半分仕事と無関係ですし」
「って、どういうことです!?」
だんまりを決め込んでいた佐保だったが、その言葉に思わず口が開く。
言ってしまって「あっ」と思うがもはや仕方ない。
「まあ、仕事の延長線といえばそうなのですが……」
「その事についてはきちんと話そう。で、何を頼む?」
「――取りあえずビール」
「てっきり、下関の件絡みの捜査関係だと思ったんですけどね」
ビールを片手に、オリーブオイルと唐辛子で炒めたエビをフォークで突き刺しながら佐保が言った。
「そっちの捜査自体は終了したのですよ。佐保さんなら情報も伝わっていると思いますが、ベルナス商会と日本側の取引相手を色々と洗っていました」
「少し聞いていますよ。あのゴブリンの件でしょ?」
「ええ。もう捜査上の秘密でもなんでもありませんので言いますが、不起訴ですね。証拠が出てきませんでした」
李の言葉に吉田が渋い顔をする。いくら捜査が終わったからといって、秘密が秘密でなくなるわけではない。
が、しぶい理由はそれだけではなかった。
捜査は実のところ、政府からの圧力で打ち切られていた。
もちろん、証拠がなかなか見つからなかったのも事実である。これでハッキリ証拠が出ていれば流石に政府も打ち切らせるような真似はしなかっただろうが、灰色であるならそのままにしておきたいとう思惑が働いたのだ。
何しろ相手のベルナス商会は、日本の貿易の最大の取引相手である。
「ただ、いくつか気になる点があったので、上の許可をもらって調べているのですよ」
「気になる点?」
「――1つはミスリルのことだ」
李の説明を引き継ぐ形で吉田が口を開く。
「君はあれがどう用意されたか聞いているか?」
「ええ。確か日本の商社が輸入した鉱物って。ちょうど本州に輸送する物だったので借り受けたと。それが?」
「色々とおかしいだろう。この世界特有の鉱物を輸入するのは分かる。だが、なぜそれを本州に運ぶ必要がある?」
「……何か危険なのだとか。あるいは、工場や研究所が本州にあるとか?」
言って、自分でも理由として弱いなと佐保は気づく。
案の定、吉田はそれを否定した。
「そんな大事な工場や研究所を危険な本州に残す理由がない。ミスリルに関しても、神霊力の例の特性を除けば危険性などない鉱物だ」
「そもそも、自衛隊の作戦に使うからと簡単に貸し出すというのも変ですよね。軍事作戦で囮に使うんですよ? 失う可能性が高いのに」
ビールを飲みながら2人の話に耳を傾ける。
当時は深く考えていなかったが、言われてみればおかしな話であった。
「……それで?」
「ベルナス商会の件を探る過程で、俺たちはまずそのミスリルの流れを洗った。特に隠されていたわけじゃないので、あっさり流れは分かったがね」
「どこに届ける予定だったんですか?」
「ベルナス商会からミスリルを買い付けた輸入業者から、とある商社へ。そこは一般企業とはちょっと違う相手にも商売をしていてね」
「――どことです?」
そう言った佐保に、吉田はニヤリと笑みを浮かべる
「自衛隊だよ」
「え?」
「つまり、下関駐屯地の自衛隊は、自衛隊の品――まあまだその時点では違うが、自衛隊の物になる品をわざわざ借り受けたというわけだ。そりゃ、あっさり貸すわけだな。本州に運ばれた理由もすっきりする」
「ちょ、ちょっとまってください! それも変じゃないですか。だったら、なんで「借り受け」るんですか? 作戦の詳細は旅団司令部はもちろん、政府にまで伝わっているんですよ。どこかでこの件に関して指摘があるでしょう!」
佐保の言う通りである。
借り受けるにあたって、下関駐屯地ではその時点で所有していた商社と契約を結びミスリルを借り受けたのだ。
しかしそれが最終的に自衛隊の物になるのだったというのならば、そんな契約などする必要はなく、購入の手続きを変更し下関で受け取るという形に変えれば良い話であった。
「そこもおかしな話だが……自衛隊内でミスリルを購入したところは、どうしてミスリルを購入したのだろうな?」
「それは、当然研究のためじゃ……」
「そんな話聞いたことあるか? そもそも、下関の件以前まで自衛隊内では神霊力に関しては軽視されていたはずだ。その神霊力と関わりの深いミスリルについても。そもそも知らない隊員も多かったのだと想像しているのだが」
吉田の指摘の通りだった。
自衛隊内でそんな研究の話は聞いたことがないし、ミスリルについても佐保自身を含めあの一件まで存在すら知らなかった。
とは言え――
「私たちが知らないだけで、そういう研究を行っている部署もあるんじゃ」
「そうだな。おそらくその通りだ。規模は分からないが、自衛隊内で神霊力に関して研究しているところがあるのだろう。自衛官に噂も広まっていないことから考えて、小規模で極秘に」
「そこはいいのですよ。研究することはおかしな話ではないですから。ではなぜ、その彼らは下関の作戦にミスリルが使われることを黙認したんでしょうね? どういう作戦かは把握していたはずですし、研究していたのならばミスリルの特性も知っていたはずです。ファントム化現象はめったに起きないとのことでしたが、あの時「彼」がすぐに思い至ることが出来るレベルのものです。それを専門に研究している者たちが、知らない、思い至らないなどあり得るとおもいますか?」
「……」
佐保は数か月ぶりにこの感覚に襲われていた。
自分の意志とは関係ないところで、どんどん自分が深みにはまっていく感覚だ。
佐保とてバカではない。彼らが何を言っているのか、十二分に理解している。
「もちろん、どの程度研究が進んでいるのか分かりませんし。そもそもそんな者たちが本当にいるのかどうかも不明です。ですが――」
「な、なぜ……」
「はい?」
「なんで私にそんな話を……」
吐き出すような佐保の疑問を受け、吉田と李が顔を見合わせる。
「佐保さんは、自衛隊に戻った後は冒険者相手新しい部署に配属されるんですよね?」
「――ええ。その予定です」
「もし、自衛隊内に神霊力を研究している者たち――そんな機関があれば、神霊術を操り、神霊力を使う冒険者の存在が不可欠になるはずです」
「その新しい部署には、当然そこの関係者がやってくるだろう。下手をすれば部署そのものが、という可能性すらある」
「ひっ、なんで私がそんなところに」
「運が悪かったんだな。いや、別に悪いわけでもないか。仮に居たとしても君に危害が及ぶような類ではないのだからな」
「まあ、ともあれ。これ以上は私たちの職分じゃないのでここまでです。少々気になって調べたところで、ちょっと知り合いの方に行きついてしまったので情報をお伝えしようと思いましてね」
親切心ですよ、と笑って言う李であったが、その言葉を佐保が額面通りには受け取らなかった。
おそらく、吉田と李――いや、その上は自衛隊が独自に妙な動きをしていないのか気にしているのだろう。そのために、目標とは現在無関係だとはっきりしている自分に接触してきたのだ。そう佐保には思えた。
佐保はこの2人が公安だとは間接的に聞いているが詳しい部署は知らない。ただ以前の経緯と今回の話から、公安――警察庁警備局の外事ではないかと考えている。不正輸出入やテロ対策がその取扱い。自衛隊に関することは範囲外だ。
そう考えれば「半分仕事とは無関係」という言葉に嘘はない。
「ささ、難しい話はこの辺りで。冷める前に食事を楽しみましょう」
「そうだな。エスニック料理は久々だ」
「……うぅ」
項垂れる佐保を余所に、完全に仕事をOFFモードにした公安2人組は次々に料理に手を伸ばす。
(なんでこうなるの……こうなりゃせめて)
しばらく項垂れていた佐保であったが、やがて顔を上げキッと料理をにらむと、
「やけ食いじゃー!」
雄叫びと共に料理に躍り掛かった。
次回いよいよ日本支部開設




