閑話 タンゲラン沖海戦
「よくぞ戻ったノルテ子爵。慣れぬ異国での暮らし、さぞ大変であったろう」
トラン王国首都にして国内最大都市シンパン。
その中央やや北寄りに立つ王宮の謁見の間において、帰国を果たしたノルテ子爵は王の謁見を受けていた。
ガルシア・シンパン・トルタハーダ=トラン国王。今年で38歳になる王としては若い王である。
左右に武官文官を並べ、豪奢な服と頬髯で威厳を演出しているが、王としては英雄などと程遠い人物であることはノルテ子爵のよく知るところであった。
「はっ。お気遣いの言葉、この老骨には何よりの果報でございます」
とは言え子爵が王にささげる忠誠に曇りなどない。
彼は英雄ではないが、決して凡愚でも暴君でもなかった。
10年前のタンゲラン沖海戦後、真っ先に独立を果たした先王の跡を継ぎ、国内をまとめ発展させ、残存する連合王国勢力との戦い続けてきたのだ。王としては十分に及第点である。
「さっそくだが時間も惜しい。卿の進言に関してだが……宰相から問い正したいことがあるということだ」
王の言葉に子爵が「なんなりと」と答えると、左右に控えた文官武官から一歩王寄りの位置に立っていた1人の男が前に進み出る。
王ほどではないが、それでも一級品の服ごと突き出た腹がプルンと揺れる。クルンと曲がった鼻髭が特徴てきな中年太りをした男だ。
彼こそこのトラン王国の宰相ハッシント・エルメラ・アルタムーラ=ドゥラスノ公爵。
トラン王国の内政の頂点に立ち、やや武に傾く傾向のある国王を支え続ける文官である。
その家柄には他国の王家の血も入っており、名実共にこの国のナンバー2と言える人物だった。
「子爵よ。そこもとからの書簡には、日本に対する貿易制限を解除し、より交際を密にすべきだとの進言があった。これはいかなる意かな?」
「そのままの意味でございます」
自らとは地位も家柄も比較にならぬ相手に対し、しかし子爵はなんら臆することなく横柄とも取れる返答を返す。
「ふむ……だが、貿易制限は我が国が独断で行っておるわけではない。それは承知しておろう」
そんな子爵の態度を気にも留めず、アルタムーラ宰相は子爵の進言にある問題点を指摘する。
この点に関しては子爵も想定内である。
「それにつきましては、明確に取り決めを行ったわけではなかったのではないはずです。いかがでしたかな?」
そう子爵が言葉を振ったのは、居並ぶ文官の1人。
大臣の1人で外交を担当している貴族であった。
「……確かに。条文はおろか、ハッキリと言葉で約束を交わしたわけですらありません。互いに察し合った、といった話ですが――」
「とは言え、我が国がその暗黙の了解を破れば貿易制限参加国の心証は悪くなろう」
宰相の懸念に子爵は首を振る。
「それがいかほどの問題でありましょうか。利を得ようとすれば何者かに恨まれるのは避けられることでありましょう。他国との協調も大事ではありますが、それ以上に得る物があるならば多少の不信など目を瞑るべきかと」
「我が国を除く貿易制限参加国14ヶ国の不信よりも、日本から得る物は大きいというのか」
「大陸中を天秤にかけたとしても、日本に針は傾きます」
ノルテ子爵の言葉に、謁見の間に詰める貴族たちから小さなざわめきが起こる。
さすがにその言葉は誇大であろうと誰もが考えている。だが、そこまで言うほどの物が日本にはあるというのか――そんな想いが一同の脳裏によぎった。
「……」
その巻いた髭をなでながら、一同の様子を見ていたアルタムーラは、手を止めこのやり取りを見ていた主へと向き直る。
家臣が如何に論を交わしたとしても、最終決定者は王である。
王の決断なくしては国の大方針は動かない。
「王よ……」
「うむ」
宰相の言葉に、国王は重々しくうなずく。
ノルテ子爵も、そして居並ぶ面々も王の言葉を待っている。
その各々の姿を見つめながら、国王ガルシアはゆっくりと立ち上がりその右手を掲げた。
「余は、日本との関係をより良いものにしたいと考える」
その言葉に一同が頭を下げる。
比較的王権の強いトラン王国において、表だって王の決定に異を唱えるものはいない。
貴族の中には反対を唱えた者もいるであろうが、もはや決定は覆らない。
左右の貴族たちを顔を伏せたまま横目で見つつ、ノルテ子爵はほっと息を漏らした。
実のところ、今の宰相とのやりとりは一種茶番であった。事前に打ち合わせていたわけではないが、事前の書簡連絡で宰相が日本との関係強化に前向きだとの返事はもらっていた。
その彼が問い正したいことがあるとしてきたとき、何かあると勘づきそれに乗ったのだが、どうやら反対派に対するアピールだったようだ。
貴族の中には未だに日本との関係強化に懐疑的な者も多い。その彼らに対して断固たるモノを示す必要があったのだ。
(いや。或いは貴族ではなく――)
「子爵よ。本来であればゆっくり休めと言うべきところだが、こうなれば少しでも日本に関する話が聞きたい。このまま余の部屋まで来てもらおう」
その言葉に、貴族の、その中でも特に若い貴族の何人かが顔をしかめる。
王の私室に招かれるなどよほどのことがなければあり得ないからだ。しかし、それ以外の貴族たちは特に気にした様子もない。
その姿を視界に捉えながら、昔を知らぬ者も出てき始めたななどと感慨を抱きつつ、国王ガルシアは謁見の終了を伝えた。
「久しぶりですねノルテ子爵。お元気そうで本当になによりです」
王宮にいくつかある王の部屋。
ここはその1つで、昼間王がくつろぐための居間として使っている部屋である。
謁見のときとは変わって、口ぶりも若干やわらかい物になっているのは、ここの場所のおかげか、それともノルテ子爵と2人だけという環境のせいか。
椅子に座り向かい合う2人の間にはとても穏やかなモノが流れていた。
「陛下も王らしくなられましたな……いや、わしが最後にお目にかかったのは、即位した4年前ですか当然と言えば当然でしょうな」
その時を懐かしむかのような子爵の顔に、ガルシアは表情を暗くする。
「子爵には今でも悪いことをしたと思っております。よりにもよって日本へ大使として送り込むなど……しかし、あの時は」
「皆まで言わずとも構いませぬ。即位したばかりの王にとって、信頼出来る家臣は数少ない。それ故に選ばれたのだと思えば、なんのこともありませぬ」
「……兄上が生きておられれば」
その言葉に、子爵は何も返さずまたガルシアも押し黙ってしまう。
2人とも10年前のあの日を思い出しているのだ。
しばらく沈黙を保っていた2人だったが、次に口を開いた王が言った言葉は先ほどの謁見時の話題の続きであった。
「本当に……日本との付き合いを改める必要があると考えているのですか」
「そうですじゃ」
やはりな、と先ほどの想像が当たっていたことを確信しながら子爵が答えた。
あの宰相の小芝居は、貴族たち以上に未だ揺れる王に決意させるためのものであったのだ。
「日本と和する利については、書簡で何度もお伝えした通り。先ほどの大言は半ば本気ですぞ。資源などの面で不利ではありますが、彼の国の力は大陸のどの国も及びませぬ。条件さえ整えば、大陸全土をも敵に回しても勝てましょう」
「ならばこそ! 今まで通りではいかぬのですか!? そんな力を解き放たぬための貿易制限ではないですか!」
思わず叫ぶように声を張り上げてしまう。
「日本が資源不足故に十全の力を出せないことは分かっています。神霊力に関する知識も意図的に日本に渡さぬようにしてきました。それを、今になってなぜ!?」
「……日本から手を伸ばし始めたから」
「――?」
「今まで制限が上手くいっていたのは、日本が外を見ようとしてなかったからに過ぎませぬ。日本が本気になれば神霊力に関する知識などあっという間に収集するでしょう。貿易制限などあらゆる手を使って解除させるでしょう」
日本に滞在する間、日本を調べ子爵が至った結論である。
「各国とも日本への恐怖が日本の持つ技術への魅力を、かろうじて上回っているが故に現状が維持されているに過ぎませぬ。しかし、あの海戦よりもう10年。人の記憶は薄れるもの」
「……」
「そこに日本が手を伸ばせば、魅力に魅かれる国は必ず出てきますぞ」
「――せめて、我が国が口火を切ることは避けられないでしょうか?」
「……日本人というのは非常に恥ずかしがり屋でしてな」
「ん?」
突然、まったく関係のなさそうなことを言い出した子爵にガルシア王は首をかしげる。
「10年も引きこもっていたその恥ずかしがり屋が、おずおずと手を差し出してきたのです。その手を最初に取ることが出来れば、きっとかの国は初恋の乙女の如くその相手を慕ってくれるでしょう」
トラン王国は地理的に日本に最も近く、そして交流が最も盛んなタンゲランを擁している。最初に手を取るには絶好の位置にいるのだ。
「……」
「陛下……ガルシア様」
「――あなたは、人の記憶は薄れると言ったが……私は、未だに10年前の記憶が、恐怖が消えぬ」
今から20年前。大陸全土をその支配下に置いたジャンビ=パダン連合王国は、10年の月日を費やし、念密な準備と計画を立てカターニア大陸征服遠征軍を組織した。
大陸中から集められた資材と船大工により数年がかりで建造された1000を超える大艦隊。特に船団の中核を担う神霊術を施した術式船は、資材すべてに文様を刻み様々な神官がそれぞれに術を込めた鉄材を使用した前代未聞の鉄船であり、それが50隻。
数年がかりの遠征を想定し、必要な物資も十分に用意され、水夫を含む30万の軍勢が餓えないだけの準備がなされていた。
そして、その30万の中に、他の従属国と同じく供出を命じられた兵を引き連れた、ガルシアと兄にして王太子であるレオン王子の姿もあった。
タンゲランの港町に集結した大艦隊が、いよいよ遠征出発というその日。まだ陽も登らぬ頃だった。
沖合に突如光が現れたのだ。
報告を受けた遠征軍司令部は、ボートなどを使いその光の正体を探った。その結果、それが巨大な城塞のようなものであるとの報告が上がってくる。
遠征軍を任された司令部の面々は愚かではなかった。報告を鵜呑みにはしなかったが、無視することもせず、対象が何であれ即座に対応できるように全軍に臨戦態勢を取らせた。
闇夜の中、相手に気取られないよう月明かりのみをたよりに船に兵や水夫が乗り込む。
ガルシアも兄とは別の船に乗り、夜明けを待った。
そして、東から陽が昇ると共に1000隻の大艦隊が動き始める。
当然だが、1000隻もの船が港に収まるわけがなく、少し沖合に停泊していた船や町から少し離れた場所に建造された臨時の船着き場に停泊していた船もある。また、船同士が近すぎては接触してしまうため一定の距離をとる必要もあった。
結果、タンゲランの沖合は大艦隊により広く埋め尽くされることとなる。
その中の1隻から、ガルシアは沖に浮かぶそれを見た。
斥候が見たと言う通り、それはまさに海に浮かぶ城塞であった。
一際大きなそれを中心に、一定の距離を置き10隻ほどの巨大な鉄の船が停泊していた。
その姿は、まるで遠征軍を押しとどめんとしているかのように見える。
緊張するガルシアにやがて旗艦からの攻撃指令が下る。
未知の相手はこちらが港から動き出した時から何か声を発していたのだが、ガルシアの聞いたことのない言語であったため内容は分からなかった。
旗艦などには通訳役として言葉の神霊術が使える神官が乗船しているはずだが、相手の言葉を理解した上でのこの指示であろう。
何を言っていたのか興味はあったがそれを知る術はなかった。
砲戦準備をさせながら、ガルシアは他の船と共に海に鎮座する鉄の城塞へと船を進める。
大陸史に刻まれることとなる「タンゲラン沖海戦」だが、その前半戦は戦争とは名ばかりの一方的なものであった。
散らばる鉄船から放たれた火を噴く飛翔体がたった1発で軍艦を吹き飛ばす。
こちらの大砲とは比べ物にならぬほど小さな砲が軽々と船側を貫き船を沈めていく。
無数に放たれる「何か」により兵たちが船ごと見るも無残な姿と化していく。
巨大な海上城塞から飛び立った轟音を発する物が、周囲の船と同じような攻撃を繰り出し、飛び立った軍鳥も瞬く間に肉の塊へと変えられてしまう。
最新鋭の術式鉄船ですら火を噴く飛翔体を2~3発も喰らえば海の藻屑であった。
勿論、連合王国艦隊も大砲で応戦はした。
幸いにも相手が比較的に近い位置にいたため射程内には収まっているのだが、大砲の精度というのはそう高いものではない。その上味方船が邪魔で有効に攻撃出来ているとは言い難かった。
それでも時々命中するのだが、穴ひとつ開けることは出来なかった。
次々と鎮められる艦隊を見ながら茫然とするガルシアを何者かが突き飛ばした。
我に返ったガルシアが、海へと落ちながら目にしたのは、あの火を噴く飛翔体が先ほどまで自分が乗っていた船に直撃爆破するその瞬間だ。
海の落ちるとほぼ同時に、更に船内の火薬に引火したのだろう、凄まじい爆音と共に船は四散。
ガルシアは波に呑まれながらも船の破片になんとかしがみ付き、九死に一生を得ることとなる。
「あの時、カミーロが私を突き飛ばしてくれなければ……だがそのせいでカミーロは」
「――倅は立派に務めをはたしました」
自らの息子であるカミーロをそう評したノルテ子爵に、ガルシアが噛みつく。
「カミーロは私の友人だった! そんな役目などない!」
「王族に仕える以上、それは当たり前の役割でございます」
「……そうなのでしょう……だが」
彼とて王。その程度の理屈は十分に理解しているのだが、今は10年前を振り返りその時に感情が立ち戻ってしまっているのだろう。
とは言え、友人でしかない自分が当の故人の父親にこれ以上何を言ってもおこがましいだけである。
「正直に言います。私は、日本が、異世界の者が怖い」
ガルシアが脱落した後も戦闘は続く。
1000を超えた艦隊も、無事な船は4割を切った頃であった。
とある指揮官が敵に一切神霊力の気配の無いことを気づき、従軍していた神官に命じ敵艦の内1隻に神霊術をかけさせたのだ。
その神官が信奉する神は酒の神。そして使った神霊術は、対象者を酔わせるという術であった。
この手の精神に作用する術は、兵士に基本装備として配られる護符で簡単に無効化されてしまう。故に戦闘には使えず、この術は少ない酒で兵士たちを盛り上げるために宴会などで使用される類の余技であった。
その代わり神霊力により範囲がやたら広くなる。酒の神は山の上から麓の街の者すべてを酔っぱらわせたという伝説すらあるのだ。
距離のある敵船に術をかけるため、神官は神霊術の使える将兵に協力をしてもらいながら、文字通り命を削り敵船へと酔いの神霊術を放った。
この一撃により戦局は変わる。
目論見は見事当たり、船からの攻撃は止まった。
この成功に命令を出した指揮官は勝機を見出すと、他の船に状況を伝えると共に周囲の船から神霊力を扱える者を呼び寄せ、神官に更なる術の使用を命じたのだ。
対象は船だけではない。戦場を飛び回る空母の艦載機にもその矛先が向けられる。
正体を無くしたパイロットたちは哀れそのまま海面へ激突。悲惨な場合は、敵船や味方艦に衝突する機体まであった。
やがて、他の船からも同じような術が放たれだし、術の酷使により神官や神霊力の供給者たちが衰弱死したことと引き換えにアメリカ軍の攻撃は停止させられてしまう。
戦いは更に続く。
停止した敵艦に乗り込んだ者たちを待っていたのは、銃という未知の兵器であった。
艦内の兵全てが術により行動不能になっていたわけではない。中には錯乱・興奮状態に陥っている者もおり、彼らの手にするたった1丁の小銃のために乗り込んだ兵たちは次々と血の海に沈むこととなる。
ガルシアの兄レオン王太子もこの時、連合王国の命令により敵船に乗り込み命を失った。
それらの屍の果てに、連合王国はその巨体さ故に侵入を諦めた空母を除く艦船を全て拿捕することに成功する。
が、戦局は更に動く。ここに来て、夜間の内に第7艦隊戦闘部隊が連絡を取っていた、同じく転移していた佐世保を母港とする部隊の一部が到着したのだ。
既に広範囲神霊術を使える者はもう殆どなく、艦隊も壊滅状態であり完全に余力をなくしていた連合王国艦隊は撤退を決定。拿捕した敵艦を放棄し戦場からの離脱を図る。
新手からの攻撃で更に船を失いつつ、安全圏まで逃げ切った時、無事だった船は100を切っており、遠征軍の司令部は最新術式鉄船もろとも海に散ってしまっていた。
「あの時の艦隊の生き残りは未だ日本にあるという。しかも、海軍だけではなく陸でもあれらに匹敵する兵器があるというではないですか。十分な資源が手に入り、その上あの海戦での切り札となった神霊術にまで対策をされては……」
「……ガルシア様。その事については、何度も書簡にて報告した通りですじゃ。このまま日本を餓えさせる方が危険なのです」
「……だが」
「ガルシア坊!」
かつて、カミーロに連れられ屋敷を訪れていた際に呼ばれていた懐かしい呼び名に、ハッとしノルテ子爵の顔を見る。
いつの間にか椅子から立ち上がった子爵は、震えるガルシアの手を取りその顔を覗き込みながら言った。
「恐れは乗り越えねばならん。恐れを抱いていたのは我々だけではない。日本もそうであった。だが、日本はそれを乗り越えたぞ」
「それは……ベルナス商会に嵌められて――」
「違う。あんなものはきっかけにすぎぬ。しかも、奴らも所詮利用されておるだけじゃ。すべては日本の中から生まれた現状を打破しようとする動きの賜物」
「……」
「わしらは、異世界から来た見知らぬ力に恐怖した。じゃが、奴らも同じく見知らぬ力に恐怖していた。その上、異世界に飛ばされ、モンスターや疫病により多くの国民を失い国が疲弊するというわしら以上に過酷な状態だったのだ。それでも、彼らは乗り越えようとしておる。負けて良いのか!」
そう一喝し、思わず握りしめた王の手を放す。
「……ご無礼を」
「いや…よい。気にするでない」
すっと下がり、頭を下げたノルテ子爵にガルシアは王として応じる。
「私はこれで下がらせていただきます」
「……」
そういうと返事も待たず部屋のドアへと向かう。
その前で一度停まり、
「陛下――私は、この老いぼれは乗り越えましたぞ。カミーロも陛下ならば乗り越えると信じておりましょう」
そう言って部屋を後にした。
「……」
部屋に一人。国王ガルシアは、未だ握られた感触の残る己の手をジッと見つめている。
「――恐怖は、乗り越えねばならない、か」
時系列的には前話の続きですが、冒険者と一切関係ないので閑話です。
トラン王国の状況も王の苦悩もタンゲラン沖海戦も、単なる本編の背景です。
作中にある通り、戦闘ではまったく勝負になりません。
当然自衛隊も同じくこの世界での軍相手には無双出来ます。
が、それだと「日本を舞台に冒険者に冒険させる」という目的が果たせないため、
作中では色々手を打って日本側の力を抑えたり理由づけしているわけです。
当然そんな日本見たくないとおっしゃる方もいると思います。
残念ながら作品コンセプトの関係で日本(自衛隊)無双はない。
あるいは作中最後の方にあるかもというレベルです。
この点はここで正式に申し上げておきます。
(活動報告の方にこれに関する話を少し。後日に)




