おさらい
お久しぶりです本編は日曜日に投稿予定。
今回の投稿は自分も設定等再確認の意味も込めて書いたものです。
またすぐに止まるかもしれませんが取り合えず再開します。
なんとか完結までは頑張りたいと思っています。
登場人物
〇フリオ・マラン・ベルナス
タンゲランを拠点にする冒険者。タンゲランの大商会ベルナスの会長の実弟。冒険者として初めて日本に上陸し下関で事件に巻き込まれる。事件解決に協力し日本への冒険者進出のきっかけとなるが、事件での出来事やその結末を経て挫折。冒険者を休業した。数年を恋人になったリタと過ごしたのち冒険者として再起を図り日本へ訪れる。
現在、冒険者ギルド日本支部職員のエドモンドからの依頼により、下関事件で親交が出来た佐保と共に東日本を目指している。
戦闘スタイルは剣と神霊術を込めた投げナイフを併用。簡易な炎の神霊術も使う。フリオの使う神霊術を込めた武器は大変高価なのだが、裕福な商家の出であるフリオは複数本所持し危険を感じると迷わず使用する。
〇リタ・サンピト・メラス
タンゲランを拠点にする冒険者。下関事件で活躍し冒険者の日本進出の一因となる。タンゲランに戻った後はフリオを付いて冒険者を休業。この間に相棒から関係を進め恋人となった。現在は冒険者復帰のためフリオと共に日本へ渡り、佐保と3人で東日本を目指している。
裕福に育ったためか性根に甘い所のあるフリオを情けないと思いつつもそのケツを叩く役割を自認しているようだ。冒険者を続けることに強いこだわりはないため、フリオが辞めると言えば一緒に辞めるつもりでいる。
戦闘では刺突剣と雷の神霊術を合わせた攻撃を行う。下関事件ではファントム(幻霊)化現象により正気を失った自衛官達を雷撃で気絶させ活躍した。
〇佐保登紀子
陸上自衛官。階級は3等陸尉。自衛隊における対冒険者の一切を担う(という名目の何でも屋)として創設された情報本部冒険者対応室所属。下関駐屯地所属の3曹時代にフリオ達の世話係となったことをきっかけに冒険者と関わっていくこととなる。
大陸の冒険者ギルドから派遣されたエドモンドや外務省の塩見と共にギルド開設の準備や、開設後の自衛隊や各自治体との橋渡しや調整などに奔走。半戦時ということや様々な思惑が絡んだ結果異例の昇進を果した。本人としては尉官への昇進は考えていなかった(そもそも内部選抜の条件を満たしていなかった)のだが、士官教育や多忙な業務のため嘆く時間すらない現状である。
現在、冒険者対応室長の密命により未確認領域と化している関東へ向かっている。
〇椎木
陸上自衛官。階級は1等陸佐。岡山を拠点とする新第4師団(岡山師団)の師団長百瀬陸将の腹心。歴代師団長のもとで行われてきた独自の神霊力研究や岡山の軍都化、政治工作、クーデター計画に深く関わっている。自衛隊による東日本奪還の遠征部隊に参加。現在は隊を離れ伊勢に在る天照大神の協力を得るため面会に向かっている。
岡山師団の上層部は失った東日本を取り戻す。その為にはあらゆることをするという意思が強く椎木もその例に漏れない。
地名国名
〇日本
13年前に突如この世界に転移してきた。北海道の東半分が消失し、代わりに別の大地につながる。転移後暫くしてその大地から大量のモンスターが襲来。北海道・東北・関東・北陸を失いかろうじて踏みとどまるも、エネルギー・資源・食料などが不足するなか疫病が蔓延。混乱が収まらないまま再度のモンスター襲来を受け中部・東海・近畿を失い、生存圏を岡山鳥取以西の中国と四国・九州のみとしている。
転移直後から大陸との交流はあったが、「タンゲラン沖海戦」に端を発する大陸側の警戒や日本・大陸双方の内部問題もあり大規模な交流(日本側への食糧・資源の大量輸入や大陸側への技術供与、双方の人の往来など)は行われていなかった。現在、10年を経て加速度的に交流が進み始めている。
現在の首都は政治的には熊本県。経済は福岡県となっている。冒険者ギルドの日本支部は山口県の南風泊にあり大陸からの冒険者が九州・四国に渡るには様々な条件を満たす必要がある。
〇岡山
日本の実質的な最前線。年に1度ペースでモンスター群の襲来を受けるため、ここを守護する自衛隊と強い関係がある。政府の力が及びにくくなっていることや、岡山師団の思惑もあり協力関係が強くなりすぎ、一部からは軍都と揶揄される。
〇京都
放棄された日本の旧都。4体の大妖怪の名を自認するモンスターが割拠していたが、自衛隊により駆逐・討伐される。稲荷大明神の庇護のもと一部生き残りが暮らしている。
〇滋賀
琵琶湖周辺では確認されているだけでも複数の大型モンスターや小モンスターのコロニーが複数あり、冒険者達からも危険で手が出せないとみなされている。
〇名古屋
東日本各所には生き残り人が住む集落が点在し、現在確認されている最大規模の集落が名古屋にある。名古屋市内だけでも複数個所集落は存在するが、特に熱田神宮周辺は天照大神の結界が張られたことで安全性が高まり噂を聞いた人々が集まってきている。
転移後のモンスター襲来や岡山・京都・滋賀で分かる通り、西日本の安全圏以外はモンスターが跋扈しているはずなのだが、なぜ東日本各地に集落が存在し人々が生き残れているのかは謎。
〇ラグーザ大陸
この世界にいくつか存在する大陸の1つ。日本の南西に位置する。約20年前にジャンビ=パダン連合王国により統一(従属国や不可侵国などは存在した)されたが、日本が転移してきた際に一緒に転移したアメリカ海軍との戦闘で大打撃を受け、現在本拠地から遠く連合王国の支配歴の浅い大陸東部で独立戦争が相次ぐなど不穏な情勢が続いている。
〇タンゲラン
ラグーザ大陸北東部。トラン王国の港町。距離的に日本に一番近く、日本との交流が最も盛んな町でもある。もともと交易が盛んであり、別大陸への窓口でもあったことから人口も多く、冒険者の数もそれに比例して多かった。そのため、一定地域の冒険者ギルドを統括する方面支部があり、日本に渡る冒険者をここで管理している。
13年前連合王国は、東にある大陸征服のためタンゲランで未曾有の大艦隊を建造したが、日本と共に転移してきたアメリカ海軍とのの間に起った「タンゲラン沖海戦」において艦隊は壊滅。連合王国の支配力と財政に大きな風穴を開ける結果となった。
用語
〇冒険者
この世界に存在する民間の何でも屋。元々は荒くれ者やあぶれ者達が、犯罪者に落ちないで生きるためのギリギリ選択肢として国では手が回らないモンスター退治や市井の人間には危険な仕事を行っていたのが、様々な経緯と情勢の結果成熟し生まれた職業である。
国が全力を挙げ戦う必要があるほど人の生活圏を脅かさず、しかし無視はできない程度には邪魔であり危険であるモンスターの存在あってこその職業といえる。もっとも現在はモンスターに関係のない依頼(人や物探し・調査など)も受けるようになっている。
〇冒険者ギルド
ラグーザ大陸全土にまたがる冒険者の管理互助組織。ある程度の大きさの町には必ず支部を持ち、その支部を8つの方面支部が管轄する。最近は日本支部が9つ目の方面支部となった。
元は荒くれ者やあぶれ者達と市井の人々を仲介し仕事を斡旋する者達が起源であった。それぞれのギルドは町ごとの別組織であったが、連合王国の大陸統一の動きの中で冒険者ギルドの統一も進み、連合王国が後退した現在、唯一大陸全土に根を張る巨大組織となっている。
現在新規開拓として日本に進出しているが、ラグーザ大陸が荒れ始めた現在、その基盤が揺らぎつつある。
〇自衛隊
日本の防衛組織。この世界では強力な武力を持ち、この世界の軍隊や並のモンスターでは相手にならない。しかし転移直後は社会情勢が混乱していたこと、北部方面隊の戦力の多く失っていたこと、モンスターという未知の敵、神霊力という規格外の事象等の要因が重なったためモンスターの大侵攻に大損害を受けた。
現在自衛隊は再編され、大まかに陸上自衛隊は4師団1旅団。海上自衛隊は2地方隊。航空自衛隊は1航空方面隊となっている。
万全な状態であれば巨大モンスターを除けば、正面から圧倒できる戦力があるのだが、資源不足から満足に稼働できない部隊もあるのが実情である。また最前線と後方との意識の差は大きく一部で不穏な動きも出て来ている。
〇神霊力
いわゆる魔力的な超常の力。力の根源が神にあるとされるため神霊と呼称される。
神霊力は一種のエネルギーで、人は神の加護を得ると体内に回路が形成されこの力を操れるようになる。回路がなければ操れないだけで、体内にも自然界にも最初から存在する。稀に生まれながら回路を持つ人間も存在する。モンスターと称される生物は、例外なく生まれながらに神霊力を操ることができる。日本には転移前に存在しなかったが、転移後神霊力を操れる様になった者の存在が確認された。
神霊力は後述の神霊術を使うための燃料だが、それだけでも肉体強化などの効果や防御膜のような使い方もできる。
〇神霊術
いわゆる魔法的な超常の力。上記の神霊力をエネルギー源として超常的な現象を起こす。
炎や雷を生み出す。精神に作用し惑わす。慣性の法則、質量の法則を無視する。瞬間移動、隠形術、読心術、飛行術。様々な種類があるが、人は神から加護を得て神霊力を操れるようになる為、使える術はその神の性質に左右される。そのため、より使いやすく自分に合った術を求めて別の神の加護を得ることは、冒険者や騎士・戦士には珍しくない。
なお加護が薄れると術も使えなるなるため、定期的に加護を得る必要がある。しかし術が使えなくても神霊力はなくならないため、敢えて術を取得せず神霊力の肉体強化だけという冒険者も多い。
〇神霊力の応用
神霊力には肉体強化以外にも、物体に纏わせることもできる。
神霊力を持つ者同士の戦いでは、そうやって互いの神霊力を打ち消し合いながら戦うのだが、金属製の武具は術者が手を離すとすぐに神霊力が抜けてしまう。弓矢や一部の槍などには纏わせたまま手放せるのだが、これは箆や羽根、槍の柄が木製の場合のみである。生物由来の物体にしか神霊力を留めることはできないというのが世界の常識である。
例外として強力な神霊術の使い手、主に神官が、対象物に文様を刻みながら神霊術を刻み込むという手段がある。この場合は金属にも神霊力は宿るが製造に時間がかかる上使い捨てとなり高価となる。木製の物体に刻む場合は時間もかからず安価であり、冒険者や一般兵士などに護符など需要がある。他にも、ミスリルという希少金属は神霊力を保つ性質がある。
日本では、自衛隊が神霊力を兵器に利用できないかと研究がおこなわれている。これは対大型モンスター対策である。大型モンスターと呼称されるモンスターは強力な神霊力を持ち、通常のモンスターなら神霊力の守りを無視できる威力を持つ自動小銃やバズーカでは効果が薄い個体がいる。また自衛隊が想定している最悪のケースでは、戦車砲やロケット弾ですら効果が十分に発揮されないとされている。
その成果は、先にあった超大型モンスター・ベヒモス討伐や京都での戦闘で成果を出したが、対費用効果を考えた場合まだまだ問題が多いのが現状である。




