想い(フィル視点)
お待たせしました!
そしてあまり進まずすみません…!
王妃様が亡くなってたった一人残されたとき、ティアはどんな気持ちだったのか?
それを思うと自然と体が動いて、気がつけば抱きしめていた。
背中と後頭部に手を添えてあやすようにポンポンとたたくと、
ティアは少し肩を震わせて泣いた。
しばらくして落ち着いたあとは自分で簡単に化粧を直してきて、顔色も戻ったし、ひとまず安心だ。
泣いて喉が渇いたのか、すっかり冷め切った紅茶をごくごくと飲んでいる。
しかし、これからどうするべきか。
いまの側妃様の状況と王妃様が亡くなった時の病状が酷似している…
流行病でもない限り、側妃様と王妃様は同じ人物に害された可能性が高い。
王族の暗殺…それも二度も。
国を揺るがす犯罪だ。
2人して何を話すでもなく黙っているうちにマリア達が戻ってくる。
「姫様。ただいま戻りました。側妃様のお見舞いは、すぐにでもどうぞとのことでした。というか…殿下がつきっきりになっているので侍女達が心配していて、休ませるために姫様からもお声がけがほしいようですわ。」
それを聞いてからのティアの行動は、先ほどまで真っ青な顔をして震えていたのが嘘のように早かった。
マリアの言葉が終わる前に立ち上がったかと思えば、競歩並みの速さで歩き出した。
一応ドレスで王宮内は走らないというマナーは守っているつもりらしい。
さすが殿下を溺愛しているだけある。
…家族だからというのもあるな。ティアの家族への想いは人一倍強い。
ティアがは そんな特別な想いを俺に向けてくれることはないだろう。
自分が焦がれれば焦がれるほど、ついそんなことを考えてしまう。
「少し妬けるな…」
こんなときに言うことではないとはわかりつつ、そう呟くのをとめることができなかったが、誰に聞かれるでもなくその呟きは空気に溶けていった。
読んでいただきありがとうございました!
シリアス雰囲気続きます…




