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寄り道

ロードの番です。

おはようございます。


昨夜、久しぶりにお酒を飲んだせいか

ちょっと頭が痛いです。

後から知ったけどものすごいアルコール度数の強いお酒だったらしい。

誰か飲む前に止めて。



朝から昨日の件での事後処理に協力していたのも無事に終わり、

今日も今日とて王宮目指して旅路を急ぎます。



もう1つ町を越えたら、いよいよ王都!というところまで来ているので旅は順調なはずですが、馬に乗って同じ方に向かっているシュウがいるせいか、フィリスさんの機嫌が最悪です。


ブリザードに馬がおびえているじゃないか!やめてよ!!


「シ、シュウは何で一緒にいるの?」


「ん??依頼主に報告に行くんだよ、王都の方まで。お嬢さん達もそっち方面に行くんでしょ?」


正直に答えていいものか迷ってロードさんに顔を向けると、じっと見極めるようにシュウを見て、


「確かに、方向は同じですね。」


そう言いつつ、私を抱え込むように馬の手綱を握るロードさんの腕の力が強くなる。


あのぅ…そんなに力を込められると後ろから抱きしめられている感覚になって

ちょっと緊張してくるんですけど…



抗議の気持ちを込めて軽く後ろを振り仰いで見ると、とろける天使様の微笑み光線をお見舞いされてしまいました。

と、溶ける…



その様子を見たシュウが苦笑して、

「お嬢さんも大変だねー」とかよくわからないことを口にした。



世間話をしながらそれなりの速さで馬を進めていると、花畑がでてきた。

綺麗な紫色の花の絨毯が一面に広がっている。


ほわーすごい…こんなの見たことない!

花の豊かな香りが鼻をくすぐる。


頭上からふふ…っと軽い笑い声が届く。

「ティア様、少しこちらで休憩しましょうか。」


私があまりにも間の抜けた顔で花畑を見ていたから面白かったんですね…

すみません。でも、じっくりと鑑賞できるのは嬉しいです!



私はロードさんに手を引かれて馬を降り、紫の花に近寄る。

5枚の花びらを持つ花は近くで見るととても可憐で、凛としている。


フィリスさんやシュウ達も思い思い休憩をとったり、近くの川で馬に水を飲ませたりしている。


「ティア様は、このような景色を見るのは初めてですか?」


「そうですね。昔母と旅をしたときは、

あまりこういうものを見て歩く余裕がなくって」

なんせ精霊王との契約の旅だったので、

私は身体的にも精神的にもそれどころじゃなかった。楽しい思い出もいっぱいあるけどね。


「そうですか…」


その後は2人で黙って紫の世界を眺めていたけど、おもむろにロードさんが花を一輪とって、私の髪にさした。


耳に触れた指に思わずビクッとしてしまう。


「大変良くお似合いです。ティア様の可憐さには劣りますが。」


「…ありがとう、ございます。」


じっと見つめて恥ずかしいセリフを言われ、かなり目が泳いでいた自信がある。


「あ、じゃあシュウ達にも見せに行こうかな!」

その場から逃げようとしたのに、やんわり止められる。


「あまり他の人に積極的に見せないようにしてください。」


「え、どうしてですか?」


「この花の花言葉、ご存知ですか??」


「?いえ。」


私たちの間をさぁっと強い風が通り抜け、花畑が揺れる。



「"愛情"ですよ、ティア様。」



そう言ってロードさんは私の髪に飾った花を軽くなでるようにして触れ、口を笑みの形にした。


いつもの天使の微笑みとは違うどこか荒っぽいような、何か別の感情が見え隠れする表情からなぜか目が離せなかった。



それからすぐにフィリスさん達が傍にやってきたのでロードさんとはその後何も話すことなく馬に乗って再び旅路へ。



…からかわれただけなのに…



たぶん私の頬はかなり赤くなっているだろう。

ロードさんに触れている背中が熱くて、

私は熱がバレないかひやひやしながら前を向いた。



連投すみません。

週末はあげられなさそうです…


ロードは何だかチャラいですね(笑)


次は別の街に入ります。

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