トゥルーエンドルート消滅
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「一つ、道が消えたぞ」
地道行人は、抑揚のない声でそう言った。
「……地道だよな? 道が……なんだって?」
天道進は、眉間に皺を寄せて聞き返した。
「まぁ消えたこの道は、ちょっと特殊だけどな」
「は、はぁ?」
変わらず無表情でそう言う地道と、訳が分からないといった様子の天道。
天道の様子に気づいているのかいないのか、関係ないとばかりに地道は話し続ける。
「でもこのまま行くと、全ての道がなくなるぞ」
「道がなくなる……?」
「ここから先は、取り返しがつかない」
「なぁ、さっきから何言ってんのか分からねぇんだけど」
ついに不機嫌さを露にしだした天道。一度も話した事がない相手に、急に訳の分からない事を言われれば誰でもそうなる。
「まだ大丈夫だ。でもこれからは、もう少し考えて選べよ」
「……意味分からねぇ。何が言いたいんだよ? 何がしたいんだ?」
地道の発言は止まらない。天道がハッキリと疑問を呈すると、地道はやっと表情を作り、何かを考えるような仕草を見せた。
「なんて言えばいいか……救済? 親切……いや、通知……通告か?」
「なんで俺が聞かれるんだよ?」
「悪いな、俺もよく分からないんだ」
天道は面倒臭いものを相手にしてしまったとでも言いたそうな、後悔の色が顔に浮かんでいた。
対して地道の方も最初に見せた表情とは違い、少し戸惑っているようにも見受けられた。
「なぁ地道、初めて話す内容がこれかよ? 今の所、俺に取っちゃお前はただの不審者なんだけど」
「……まぁ、そう思われるのも仕方ないな」
「悪いけど、なんかお前には関わりたくねぇわ」
「そうだな、お前にとってはそれが正解の道だと思うぞ?」
「気味悪ぃなお前、なんなんだよ……」
「俺とお前は、本来関わらない。関わったのは――――全部、間違ったからだ」
「だからッ! さっきからなんなんだよ!? いい加減にしろよ!」
怒りを露にし、天道は地道の事を睨みつける。その視線を受けても地道には動じている様子などない。
天道の射抜くような視線を受けながらも、地道はゆっくりと歩き出した。
「次」
「はぁ!? なんだよ!?」
「次にもし、俺とお前がこうやって関った時は……」
「…………」
地道はすでに天道から視線を外していたが、天道は動く地道に合わせて首と視線を動かしている。
そしてちょうど、彼らが再び横並びになった時。
「その時お前は————いよいよ失う」
「俺が……なにを失うってんだッ!!」
そして彼らはすれ違う。天道は地道の背中を睨みつけるが、地道は振り返る事も歩みを止める事もなかった。
「忠告……いや、通告はしたぞ? じゃあな」
歩みを止めず、振り返る事もしないまま地道はそう告げた。
天道は地道の姿が見えなくなるまで彼の背中を睨みつけつつ、舌打ちを繰り返した。
そして、大声を出しても絶対に聞こえないであろうというほど距離が離れた時、彼ら二人は呟く。
「ふざけんなよ……なんだアイツ、気持ち悪ぃ」
地道に関わる事は止めようと決めた天道。
「やっべ、俺なに言ってた? 自分が怖い……精神薬飲んでおこうかな」
自分の精神状態を心配する地道。
二人が再び関わる事はあるのだろうか? 選択次第では、あるのかもしれない。
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やっと半分……いや三分の一か?
はぁ……気が進まない。この先はちょっとなぁ。
いやでも、本当かどうか見てみたいしな。
頼むから、後悔だけはさせないでくれよ?
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