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誤字脱字等の修正いつも感謝しております。

「えーと、訓練お疲れ様でした。お昼ご飯をしっかり食べて午後も頑張りましょう。いただきます」


 -いただきます-


 私がそう言うとそれぞれ思うように行動を始めている。

 その中でラギさんは女王様に捕まっている。


「食事も大事じゃが、お主最後のアレは何じゃ?」


「よく考えたら俺近接戦なんて殆どしたことねえんです」


 メギーアー女王様が不満そうに言うがラギさんは即座にそう返事を返していた。


「やっぱり釘バット似合ってたわね!いい絵が撮れたわ」


 隣でウインドウを見ながら頷いているプリメラさんは満足そうだ。


「まあ良い。話し方も普段通りで構わぬ。して、此度の訓練お主から見てどうじゃった?」


「何で俺に…。まぁ、ある程度予想はしてた部分はあったが…、やってみると実際はどうしようもなかったのも多かった印象だな」


「ふむ、だが開始直後のアレは実際は使えぬぞ?」


「もしやるなら誰かをユキさんの守りとして護衛にしないとかねえ」


「そうじゃの。待ってやらなんだら詠唱中にやられておったな」


 ラギさんと女王様が話しているのを聞きながら私は野菜を焼いている。

 机に座りながら念力でひっくり返しているだけだけどね。

 さて、私達は今闘技場を離れて巣の中にいるのは変わらないけど広場になっているところにいた。

 そしてお昼時と言う事でバーベキューをしていた。

 プリンセスアサシンホーネットの希望で何でもいいから人の作ったモノがいいと言われたからだ。

 明らかに手抜きだけどホントに何でも良かったみたいで喜んでくれていた。

 食材は私とリグさんが野菜を出し、ルナやアエローちゃんが肉を取りだしていた。

 調味料は塩、胡椒にスパイスが多種あるから贅沢言わなければ十分だと思う。

 醤油と味噌はホームに置いてあるため今はない、あっても使わないけど。

 タレはその内作りたい気はするけどね。

 バーベキュー用の道具はシュティが持っていた。

 前回の時も使ったけど、いつ何があっても良いように備えは必要なんだそうだ。

 金網や鉄板に鍋まであった。

 ちなみに飯盒はお米がまだ見つかってないから存在してないようだ。

 見つかったら異人が作るはずだもんね。

 光葉さんと闇菜さん、シキ姉さんはせっせと肉を切ったり串に刺したりしていた。

 シキ姉さんはお肉を食べたかったようで、楽しそうに準備を進めていた。

 一緒にいる2人はバーベキューはこの前やったのが初めてで準備も楽しかったらしい。

 今は…。


「にくやさいにくにくやさいー」


「肉巻き野菜串……と見せかけて肉巻き肉串…!」


 楽しそうに?串に食材を刺してる。

 そんな2人から視線を焼いている野菜に戻す。

 良い感じに焼けたのがあったので皿に移していく。

 ラギさん達は女王様と話をしながら時折アドバイスを貰っているようだ。


「とりあえず遠距離魔法組は訓練変えた方がよさそうじゃったな…」


「あー、風の防御が抜けねえか?」


「いや、当てるイメージが持てぬのじゃろ?」


 ラギさんと話している女王様がプリメラさんに話題を振る。

 その通りだったのかプリメラさんが相談していた。

 スノウさんも近くに来て一緒に話を聞いているみたいだ。

 今回の訓練であまり力になれなかったと思って気にしているのかな。

 私としては助けて貰えたし終わった後にお礼は言ったんだけど…。

 でもせっかく助けて貰ったのに途中で力尽きちゃったのは申し訳なかったな。


「ユキ、ちゃんと食べてる?」


 そう言ってシキ姉さんとルナが私の所に来た。

 手には木皿を持っていてお肉が積み上がっていた。

 オフェンシブホルスタイン、ディフェンシブイベリコ、サプライズシャモの3種類の色んな部位かな。


「あら、野菜ばかりなのね。ちょっと食べるなら分けるわよ?」


 木皿を私の方に向けて聞いてくれる。


「ううん、午後から道作りをしようと思ってるから、飛べなくなるのは困るんだよ」


「そういえば言ってたわねー」


 やっぱり聞いただけで実感がないようで首を傾げていた。


「お姉ちゃん最後の魔法ってなんで途中で消えちゃったの?」


「私の魔力が尽きちゃったからだよ。そのせいで飛べなくなって落ちちゃったんだよね」


「あの魔法ずっとMP消費してたの?」


「うん、なんでだろうね?」


 私がルナとか言わしてる間シキ姉さんはお肉を食べつつ、時折私の焼いた野菜を摘まんでいた。

 小さく箸で切り分けてから取っていくので私の分も食べやすい大きさでちゃんと残っていた。


「ユキよ、最後のは常に誘導しておったな?」


 そう言われて考えてみると確かに最初からずっと私が誘導していた。

 頷いて肯定するとルナと女王様はそれで理解したようだった。


「お姉ちゃんそれは操作し続けてたんだよ。お姉ちゃんが使う2アクションスペルと違ってβでも検証はされてたけど使い勝手がね…」


「魔力を消費し続けるせいで長くは持たぬ。故に細かい動きをさせたい時ぐらいしか使い道がないのう」


 あれ、じゃあ私の組み方が悪かったのかな?


「多分イメージの問題だと思うよ」


「ユキならいずれ出来るようになろう」


「あれ、教えてくれるんじゃないんですか?」


「妾は細かい制御の魔法が苦手なのじゃ」


 そう言って女王様はそっぽを向いた。

 それを見て思わずルナと顔を見合わせるが言われたことは納得できた。


「難しい話は終わった?」


 私達の様子を見てシキ姉さんが声をかけてくる。

 女王様はルナを引っ張り少し離れたところで話をしているところだったので頷く。


「牛乳飲みたいんだけどない?」


「あ、とれてないんだ」


「そうなの?ホルスタインだって聞いたから乳搾りもしてるかと思っちゃったわ」


 シキ姉さんがそう言うとちょっと困ったような顔で女王様が戻ってきた。


「シキよ。それは無茶というモノじゃ。あれらは攻撃的で近付くのも難しい」


「そうなんですか?」


「うむ、しかも高さは人の倍はあるのに動きも悪くない」


 牛乳かぁ…。


「牛乳があればクリームも作れるしプリンやフレンチトーストも作れるね…」


「ほう、それは美味しいのか?」


「おいしいよ!クリームはケーキの白い部分もそうだよ」


 ルナの言葉を聞いて何かを考えながらフラフラと離れていった。


「ないのは残念ね。聞いた大きさだと拠点で飼うのは無理そうよね?」


「「無理」」


「そうよねー。午後からはどうするの?」


 そう聞かれて考える私とルナ。


「さっきも言ったけど私は道作りの予定。一度拠点に戻って妖精達に手伝いを頼むつもりだから今日中にはできるんじゃないかと思う」


「私はどうしようかな-。お姉ちゃんについて行っても暇になりそうなんだよね。ちょっとガイさん達のとこいって来る」


 そう言ってガイさん達の所へ歩いて行った。

 シキ姉さんの方を見るとルナの言って方を見て笑っていた。


「あの子楽しそうね」


「そうだね」


「でも困ったわね。チームに入る手続きとか街の案内頼みたかったんだけど…」


 あ、すっかり忘れてた。

 手続きしないとダメなんだよね。


「私が案内してきますよ」


「シュティナちゃんは良いの?」


「はい、シキさんとも話をしておきたかったですし。それに手続きはユキさんかラギさん、私の誰かが必要ですので」


「わたくしも御一緒してもよろしいでしょうか?」


 2人に歓迎されてスノウさんも一緒に街へ行くみたいだ。


「シュティ、スノウさんよろしくね」


「はい」「お任せくださいな」


 2人にシキ姉さんのことをお願いして、私は取引ウインドウを表示する。


「ユキ、これは…。良いの?」


「うん、道具代とか買いたいのあると思うから。足りなかったらまた言って」


「そうね。有り難く受け取っておくわ。お礼は服とか小物を期待してて」


 私は自分のお金の一部をシキ姉さんに渡した。

 始める前から服を作って貰う代わりに私とルナで素材とかは用意しようって話してたからね。

 よく考えたら道具もいるから必要経費だね。

 そんな事をしているとルナが戻ってきた。


「ガイさん達巣を出て北に進んでみるらしくて、私もついて行ってくるよ。お土産話期待してて」


 そう楽しそうに話をするルナ。

 光葉さんと闇菜さんはどうするのか聞きに行くと。


「私はもうちょっとしたら落ちますー」


「探索隊に参加希望…」


 後予定を聞いてないのはリグさんかな。


「師匠と修行に行ってくる」


 聞きに行くとそう返事が返ってきた。

 隣にはプリンセスアサシンホーネットがうんうんと頷きながら腕を組んでいた。

 まだリグさんとPTを組んでいたので。


『良く弟子になれましたね』


『ケーキの力って凄いよな』


 そう返事が返ってきた。

 どうやらケーキで交渉したらしい。

 女王様に言われて対価として要求すれば良いと言うことに気づいた結果のようだった。


「ユキ ソザイ タベモノ コウカン シヨウ?」


「あー、俺もさっき言われたんだけど巣にある食べない部位を人間の作った料理などと交換して欲しいって事らしい」


 プリンセスアサシンホーネットの言いたい事をリグさんが説明してくれた。

 今度見せて貰いに行きますと伝えると「マッテル」と言われた。

 皆食事を終えて話していたので片付けをしていく。

 シキ姉さん達3人は片付けを済ませて行くところの相談をしているようだった。

 邪魔するのは悪いと思ったけど声をかける。


「道作り終わったらギルドの方行こうと思うんだけど、その時にまだ街にいたら合流する?」


「良いわね。私達はユキが来るまで色んな所回って時間潰しておくわ」


 3人とも分かれて私はホームに戻る。

 ホームの外は迷いの森になっているけど、私には関係ないのでスイスイと進んでいく。

 戻ってくると妖精達で暇そうにしているのを探す。

 茶髪の子って言うと妖精達にはそれで伝わるようになっていた。

 私としては説明する手間が無いので良いかなーっと思ってる。

 呼んできて貰ったら今回の用件を伝えていく。

 話を聞き終えると頷き妖精を何人か集めてくれた。

 今回お願いしたのは木をどかすことが出来る妖精と整地できる妖精。

 整地って行っても獣道に見える程度で良いかなーって思ってる。

 妖精を連れてまた女王様のいる巣へ向かう。

 作る道のルートを相談しようと思ったのだ。

 それを伝えると。


「ふむ、妾も行こう」


 そう行って付いてきた女王様の指示を聞きながら自然の中で人が通れる道を作っていく。

 そこまで広い幅にはしていないけどある程度見晴らしは良くしておく。

 スラッシュマンティスに襲われる可能性はあるけど、ポイズンスパイダーが巣を張っても目立つことになると思う。

 女王様としても木を切ったりしないで移動させているのは評価してくれているようだ。

 のんびりと進んではいるけど順調に作業は進んでいた。

 なるべく高低差をなくしているので歩きにくいって事は無いはずだ。

 このエリアに来て最初に出たセーフティーエリアに到着すると女王様にお礼を言って別れる。

 妖精達と一度ホームに戻った頃にはおやつの時間になっていた。

 手伝ってくれた妖精にお礼を言って残っているケーキを渡して転移装置へ向かうのだった。


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