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「お前の用事は終わったか?」


 調さんがシュティナさんに確認すると頷いて答えるが目は宙に向けられ手は何かを操作している。

 ため息をついてこちらに向き直る。


「本来の目的はユキさんが使っていたのが見た事無い魔法だったから確認したかったのが一点。

 もう一点可能であるなら種族固有スキルの内容を教えて欲しかったんだけど…。

 チュートリアルを受けてないって話だし先に問い合わせも含めて大雑把にはなるけど説明していくよ」


「お手数ですがお願いします」


 調さんからチュートリアルの説明をして貰える事になった。


「まず最初にメニューを開くと項目がでる。これはわかるよな?」


 メニューを開いて確認しながら頷く。


 ・ステータス

 ・アイテムボックス

 ・装備

 ・スキル

 ・魔法

 ・フレンド

 ・メール

 ・掲示板

 ・システム


「先に運営に問い合わせをした方が良いな。 メールを選択して新規作成を押すと宛先に運営って言うのがあると思う」


 言われた通りメールを選択する。

 ・新規作成

 ・受信メール

 ・設定

 の3つの項目がでた。

 言われた通り今回は新規作成を選択する。

 宛先の所にあるアイコンを押してリストを表示するとフレンド登録してる人の名前と母さんのアドレス以外に運営と書かれているのがあった。

 問い合わせは基本これを使って送るのだそうだ。


「内容だけど…、まずは件名に問い合わせと入れる。本文はチュートリアルを飛ばして進められた事。新規参加キャンペーンに当選している可能性があるが何も受け取っていない事の2点を書いておけば問題は無いと思う」


 言われた通りに件名と本文を埋めていく。

 終わったら書いた内容を伝えて確認して貰って送信。


「基本的に問い合わせはこんな感じだな。後は返事待ちだ。新着の時は表示されるけどインしてないときやインした直後に受信したのは知らせてくれないから自分で確認してくれ」


 なるほど、理解できたし頷いておく。

 ルナから着た時はアイコン押したらメールが開かれて返信できたのは新着だったからなんだね。

 メール自体は普段仕事で使ってたメーラーと大差ないしこれはあまり問題じゃないかな。

 確認はログインした時にすれば良さそう。


「ステータスは特に問題は無いだろうから。

 アイテムボックスはアイテムを手に入れた時に収納される場所だな。

 収納せずに持ち歩く事もできるけどメリットはあまりないとおもう。

 装備も難しいことはないか。

 装備したい場所を選べばアイテムボックスから選択できるモノが表示される。

 ステータスの比較が表示されるからそれで良ければ変えれば良い。

 フェアリーの重量制限はキツいから金属系はアウトだろうな」


 確かにステータスは問題ないかな。

 確認項目だけだもんね。

 アイテムボックスは大きさを問わず沢山入って中身がわかりやすくなってる入れ物みたいな感じかな?

 アイテムの入手がどんな風かわかんないけど問題は無さそう?

 装備も調さんの言う通り難しくないし大丈夫かな。


「スキルや魔法は一旦後にしてフレンドはログインしてるかの確認。

 フレンド欄からPTを組む事ができてメールも送れる。

 他にもあるけどそこまでわからないモノはないと思う。

 掲示板は人それぞれだな…。

 俺もこいつもルナさんも使ってるけど今二人が見てるのは予想が付くな」


「ファンクラブのですか」


 調さんに言われ想像ができたので苦笑しながら答える。

 それを聞いていたのか二人が反応する。


「できちゃったのは仕方ないし有効活用しないとね。今はお姉ちゃんの超可愛い写真で盛り上がってるよ!」


「可愛く撮ってます」


 私の写真…?

 撮ってる…?

 待って待って何を言ってるかわかんないよ!?

 説明してくれている調さんの方を縋るように見る。


「ぁー、最後のシステム項目に色々入ってるんだけどな。とりあえず開いてみてくれ」


 これに関してはスルー!?

 あぁ、でも今は説明聞く方が先なのかな…?


 システム

 ・設定

 ・クエスト

 ・パーティー

 ・カメラ

 ・ショップ

 ・ログアウト


 カメラ…。

 これかー!

 項目を選ぶと静止画と動画の項目がある。

 多分これを使って撮影したのを掲示板に貼っているんだと思う。


「ちなみに現在ファンクラブに入るためにはパスワードが必要になってます」


「私も見れるんですか?」


「もちろんです。メールで送りますね」


 確認したらすぐにメールで教えてくれた。

 アドレスと簡単なパスワードが付いているだけだったから選択して開いてみる。

 こういうサイトは使った事は無かったけど多分使い方はわかると思う。

 とりあえず迷惑はかけないで欲しい事だけは伝えて投稿された画像を見る事にした。

 最初に貼ってあるのは噴水の縁に氷で作ったかまくらの中で寝転んでる私。

 手を振ってる所だから…ルナか!

 ちらっと見ると顔を逸らした。

 良いけどね。

 可愛く撮れてるし。


「これって保存とかできるんですか?」


「できますよ。写真をタッチすればどうするか確認がでます。そこに保存もあります」


 教えて貰ってから写真を保存していく。

 後で母さんにも見せてあげよう。


「ぁー、そろそろ説明に戻っても良いか?」


 調さんからお声が掛かる。

 ごめんなさい忘れてました。

 頷いてお願いをする。


「システムで一番使われるのはカメラかクエストの場合が多いな。

 クエストは受けたのを確認できるのと視界の隅に表示しておく事もできる。

 パーティーは組んでるメンバーを確認できる。

 メンバーの表示はここでやれるから表示しておくと便利だな。

 それとパーティーメンバーはマップに居場所が表示されるからはぐれたら見るんだぞ。

 パーティーチャットはできてるみたいだし良いか。

 ショップは所謂課金だな。

 装備ガチャなんて言うのもあるけどアバター変更アイテムが多い。

 上はリボンみたいな小物から下は靴までわりと何でもあるな。

 その中で種類が一番多いのは何故か水着というのは運営の趣味かもな。

 一応水着とか服に関してはただの見た目を変更するだけのアイテムもある。

 装備ガチャは性能がある程度決まってるから生産職が作った物の方が良いという話だ。

 設定は各種設定ができるから一通り確認して変更はしておいた方が良い。

 最後のログアウトは見た通りそのままだな」


 カメラはそのままの機能だったしクエストは受けた時わかると思う。

 パーティーは言われた通り表示するようにした。

 視界の左の方にメンバーの名前が表示された。

 ショップは課金項目か。

 ご利用はご計画的にって奴だね。

 装備は作って貰った方が良いのならホントに見た目の好みで服や小物とかを買うぐらいなのかな。

 開いてみると器機の設定の時に入力した誕生日が年齢確認に使われるようだ。

 一応大人でも上限が決まってる辺り良心的なのかな。

 次は設定に目を通していく

 上から目を通していって必要そうな設定はオンにしていく。

 痛覚設定は設定出来なくなってるけど数値は最低値になってるみたい。

 これはフェアリー種だからなのかな…?

 そういえば調さんが言っていたキャラクターの頭上表示もあった。

 名前の表示ができるのは誰かわかりやすいんだろうけどオフのままで良いかな。

 いきなり相手の名前呼んで関わっていくよりは自己紹介して仲良くなっていく方がいいと思う。

 PTのHP等の表示設定もあったからそっちはオンにしておく。

 オンにすると自分だけじゃなくてPTメンバー全員が表示されるみたいだし。

 設定を終えて顔を上げると調さんは待っててくれたみたいだ。


「設定は終わったみたいだな。最後にスキルと魔法の説明をする」


 そう言われて頷く。


「まぁ、このゲームの特徴としてキャラにレベルがないって所だな」


 そうだよね、聞いた事があるゲームはキャラクターにレベルがあって上げていけば強くなるんだよね。


「スキルは10個まで装備できて習得の項目でいくつでも取得する事はできる。

 ボーナスポイントを消費するから限度はあるけどな。

 効果があるのはセットの所で選択してるのだけ。

 例外になってるのはパッシブスキルと書かれたので、これはスキルスロットに入れなくても効果がある。確認は一番下ので現状発揮してる効果が確認出来る。

 この辺は他のVRMMOでも似たようなのはあったと思う」


 説明を受けながらスキル欄を開くと

 ・セット

 ・習得

 ・統合

 ・パッシブ確認

 とあった。


「ちなみに統合は条件を満たしていると統合先が表示されるな。基本は習得で増やしてセットだな」


 頷いて習得を見てみる。

 ズラッと沢山のスキルが表示されているけど、スキル名が白文字と黒文字がある。


「習得に表示されるスキルで白文字と黒文字の違いは何ですか?」


「現在習得できる物が白、何らかの理由でそのプレイヤーでは習得できないのが黒になってる。ステータスが必要な場合やポイントが足りないと灰色になってるんだけど、どうだ?」


 言われて黒く表示されているスキルを選んで見ると必須武器の装備不可と書かれていた。

 それは覚えれないね。

 次は一覧を下にスライドしていくと確かに灰色になったスキルがあった。

 選択してみると必要なステータスが表示された。


「ありました。けどステータスはどうやって上げるんですか?」


「レベル無いからわかりにくいよな。パッシブを取って上げるか各ステータスを上げるかだけど、βではお手伝いクエストの一部でステータスが上がる事があったな。どっちも習得の下の方にあるけどパッシブは割合で各ステータスは固定値上げる事ができる。他だと筋トレしてたら上がったなんて話もある」


 基本は習得でステータスを増やすんだね。

 クエストで上がる場合もあるみたいだけど、筋トレしても上がるなら勉強とかしても上がりそうだね。

 さっきは灰色になってるのを見たから今度は習得している氷属性魔法をタッチしてみると熟練度:10と表示された。


「熟練度というのは?」


「そのスキルを使うと増えていって一定まで貯まるとボーナスポイントが貰えたりする」


 なるほど。

 極めたりするための要素かな?

 限界があるかわかんないけど無い可能性もあるよね。

 生産に限界とか無さそうだもんね。

 ぁ、一応氷属性魔法以外も見ておこう。

 氷雪妖精→熟練度:64、氷属性魔法→熟練度:10、風属性魔法→熟練度:0、水属性魔法→熟練度:0

 氷雪妖精だけが異様に高い。

 なんでだろう。


「何かあったか?」


 確認していて疑問に思い首を傾げていると調さんに質問された。


「氷雪妖精と言うスキルの熟練度がすでに64になってるんです」


「ふむ、可能性としては時間経過じゃないか?今までの行動の中にその氷雪妖精を利用する何かがあって経過時間で増えてるとかだと思うぞ。もし良ければ効果を聞いても良いか?」


『調に教える前に見せて貰っても良いですか?』


 調さんに言おうと思ったらシュティナさんがPTチャットで制止される。


『見せるってどうやるんですか?』


『開いてる画面の右上にある×は閉じるでその隣にあるボタンを押すとPT内で共有できます』


 氷雪妖精を選択した状態で共有ボタンを押す。

 すると二人は確認して考えている様子だ。


「なるほど、この効果のおかげでしたか」


「PTの共有か。どんな感じだ?」


「聞いた限りだと雷のフェアリーは専用と思われるのが属性解放、属性強化の2つだった」


「ユキさんは他にもあるのか…」


「そう」


 二人の会話を聞いている感じ私は他のフェアリーよりメリットが多いみたい?

 でもシュティナさんは何やら考えているみたい。

 んー。


「スキルが進化する事ってあるんですか?」


 気になったから聞いてみた。


「進化というのは現状判明してないけど効果や能力が増えたり変化はするな。種族スキルについてもわからないけど多分あるだろう」


「妖精さんはすでにスキルが強化されているのではないと思います」


「何でそう思うんだ?」


「フェアリー種で能力を見せてくれたのは妖精さんが初めてだから」


 シュティナさんにそう言われて顔をしかめる調さん。


「それは理由になってないぞ」


 ルナは難しい顔をして宙を見ている。

 でも時々表情が緩んでる所を見ると話は聞いてるけど掲示板見てるんだろうなぁ…。


「言ってないだけで他の妖精ももう一つ能力があると思う。妖精さんの能力を見てデメリットを補える何かがある気がする」


 そう言ってシュティナさんは私の方を見ている。

 調さんは可能性があるからか考えているようだ。


「それよりも妖精さんの能力が完全ではないけど知られた可能性があります。噴水の件と酒場の件を合わせれば能力の予想は立てれると思います」


 ぁー、そういえば噴水でかまくら作ったけど私がいる間は溶けてなかったもんね。

 普通なら暑さで溶け始めてもおかしくなかった。

 噴水の中に入れてきちゃったけどよかったのかな…。


「大丈夫お姉ちゃんは私が守るから!」


「私も妖精さんを守ります!」


 二人にそんな事を言われる。

 何のことだかわからなかったけど勢いで頷いてしまった。

 それを見て満足したのか二人はそれぞれやりたい事に戻ってる。


「ふむ、それでどんな能力なんだ?」


 一応二人の方を見る。

 二人共一度こちらを見て頷いたので多分言っても問題ないのだろう。


「雪や氷を溶けなくできる能力です」


「それはまた面白そうな能力だな。特に言ったりするわけじゃ無いからそこは安心して欲しい。多分だけど氷をずっと維持し続けてるみたいだしそれで熟練度が上がったんじゃないか?」


 そう言って宙に指を動かしている。

 何かメモみたいなのを残してるのかな。

 でもそっか、氷を維持してるだけでも熟練度が上がってる可能性があるんだね。


「最後に魔法だけど」


「それは教えて貰ったので多分大丈夫です」


 ふむ、と考える調さん。


「わかるならいいか。ぉ、雪妖精さんファンクラブという板のレスが600を超えているな。PTに誘いたいという輩を二人が全部牽制してる。実際可愛いユキさんとお近付きになりたい奴は多いだろうけどな」


 二人と私を面白そうに見る調さん。

 何かとんでもない事になってる気がするけど聞かなかった事にしよう。


「とりあえずギルドに登録して町の外に出てみるか?」


 調さんがそう言うと二人は頷いている。

 私も外には出てみたいから頷く。

 ただ暑いとこはまずいんだけどね。

 PTに調さんが参加してPTメンバーは四人になった。


「そういえばデメリットの方は私の能力でどうにかできるんですか?」


「あぁ、多分問題ないと思う。その前に上位魔法は氷で初期は氷生成であってるか?」


「はい、あってます。そういえば特殊チュートリアルで聞いた組み合わせは[上位魔法][基本魔法][形状][状態][種類]の5つです」


「5つ…?そういえば雷妖精さんには組み合わせの事は聞いてなかったな…」


「特殊チュートリアルで熟練度を上げると[状態]が増えるって言ってました。 後詳しくはわからないけど属性は基本6種と上位8種って言ってたと思います」


「上位が8種?組み合わせで7種と予想してたんだけどな…。ユキさんと話してると検証する事が増えてくるな」


 嫌そうではなくどことなく楽しそうに見える。

 検証をしてるのは好きでやってるんだろうなぁ。


「ぉ、知り合いがフェアリー種を引いたらしい。タイムリーだな。そろそろ食べ終わってるし移動しながら話すか」


 調さんに言葉に頷き私達は席を立った。

 私は保冷バッグの中に戻っただけだけどね。

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