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1人…とは言えない空間でのんびりと過ごしている。
素材庫は物が色々と置かれているけどごちゃごちゃにはなっていない。
それは居座ってる妖精がいるおかげだ。
いつからここにいるのかはわからないけど気づいたら居たそう。
三角帽子をかぶって長い白髪に目も隠れちゃってるほどの眉毛にフッサフサのおひげが特徴かな。
作ってくれたのか知らないうちに棚もあり、ボックス型の入れ物があったりと整理されていた。
ここに居る妖精を訪ねてくる妖精もいて相談役のような感じみたい。
私がいるのは部屋の隅に置かれている机の上だ。
倉庫内の品が記載してある目録はファイル立てのようなモノにしまって、今机の上は私の広げた本や材料が並んでいる。
借りてきた本や以前買った本を読みながら、用意した素材で練習していく。
魔石を使った魔道具作りは慣れてきたつもりだったけど、魔法陣が大きくなったり複雑になるとやっぱり失敗が増えてくる。
それでも希に1個できてそれを見て喜んだりしていた。
しかし視線を手元の加工した魔石から借りてきた本に落とせば私ではまだできないと思えるものが描かれていた。
描かれた絵は1つの魔石に複数の魔法陣を刻印するというモノ。
細かい文字で説明等が補足として書かれており、それを読んでいるだけでも勉強になる。
多分。
遺跡で取ってきた素材は殆どが金属で加工技術が無いから触ってない。
アクセサリーとか作ろうにもデザインするのとか苦手だしね。
「ユキ様、素材はこちらに置いておきます」
「ありがとうございます」
私が素材を探していると部屋にいるお爺ちゃんみたいな妖精が場所を教えてくれた。
使用した事を目録に書いてなかったのを注意された。
それからはお願いして運んで貰うようにした。
ちなみに目録などはボルグさんが用意したらしい。
あの人見た目に反して細かい事ができすぎじゃないですかね。
持ってきてくれた素材を確認していく。
今回持ってきて貰ったのはドロップアイテムの毛だ。
私が手にした素材には無かった。
ホッピンラビットは茶毛だったけど持ってきて貰ったのは綺麗な白だった。
鑑定してみると草原の方で見つかった羊のドロップアイテムらしい。
ウールだとコートとかセーターが思い浮かぶ。
今回作ろうと思うのはネットで見つけた石包みのアクセサリー。
加工した魔石を身につけておくための方法として良さそうに思えたからだ。
見つけた記事ではロウビキ紐の作り方も載っていた。
けど…。
「ウールでも良いのかな…?」
でもゲームの羊だし動物じゃ無くてモンスターだし。
大丈夫だよね?
うーん、わからなかったからロウビキ紐にするのはやめておこう…。
それにしてもドロップアイテムって凄いよね。
もうすでに毛糸状態だったんだよ。
それを使って石包みのペンダントトップを作っていく。
結果上手く作れませんでした。
諦めて魔石の加工に戻ったよね。
パラパラと本を読んでいると未加工の魔石から魔力をとりだして起動する魔道具もあるようだった。
コレは現実で言う電池のようなモノになるんじゃ、と思って読んでいると部屋の扉をノックする音が聞こえた。
お爺ちゃん妖精が飛んでいき扉を開ける。
一応何故かお爺ちゃん妖精が鍵もかけていたんだ。
ちなみに妖精専用の入り口も作ってあった。
いつからあるのか私は知らない。
扉が開いて入ってきたのはプリメラさんだった。
「ユキちゃんそろそろお昼だけどどうする?」
言われて気づいたけどお昼だったみたい。
「片付けていきます」
「わかった。待ってるわね~」
私は広げた道具や素材、本などを片付けていく。
と言ってもアイテムボックスにぽいぽい入れていくだけだから面倒でも無かったり。
現実であったらかなり楽なのにね。
パパッと片付けてお爺ちゃん妖精に挨拶をして倉庫部屋を出て行く。
広場にある机の所に戻ってくる。
そこには女王様の所に行った4人とスノウさんとプリメラさんがいた。
ラギさんの姿はまだ無かった。
目立つのは机に突っ伏したシュティの姿があった。
周りに料理が置かれていても気にせず突っ伏している姿は珍しく思える。
「みんなお帰り。シュティは何かあったの?」
私が声をかけるとシュティはがばっと身体を起こしてこちらを向いた。
「妖精さん聞いてください!」
あまりの勢いにびっくりしてコクコクと頷く。
「メギーアー女王様の所に行く前にちょっと肉類を補充してから行ったんです。あるお願いをしたんですけど…」
ルナはちょっと呆れた様子で一緒に行った男性陣は苦笑いだろうか。
「着いて私がアーツ教えてくださいってお願いしたら何て言ったと思いますか!?」
「えっと、何て言ってたのかな?」
「妾が人間の技なぞ知るわけが無かろうが。阿呆か?ってそう言いやがったんですよ!」
そう言って机をバンバンと叩く。
その度に机の上にある料理が揺らされスープがこぼれそうになっている。
「シュティちゃん暴れるなら外出て暴れてね?」
怒った様子のプリメラさんにそう言われてシュンと落ち込んだ様子のシュティは素直に返事をして席に着いた。
食事をしながら午前中何してたかをお互いに話ていく。
ガードに挑んだ4人はシュティがいつもより攻撃的だったから有利に戦えたらしいけど女王様には呆れられたらしい。
シュティの持ち味が薄れてるんじゃないかと言われてしまったそうだ。
それで落ち着いたけど帰り際に良い笑顔で貢ぎ物感謝すると言われて、何のために肉類をとってきたか思い出してまたキレたらしい。
「今度ギルドで教えて貰えないか聞いてみよう?」
私がそう言うとシュティは頷いた。
それからは普段のシュティからは想像できないくらい食べてた。
ヤケ食いだろうね。
食事が終わるとどうしようかという話になる。
その時、丁度ラギさんが2人を連れてきた。
チームに入りたいと言っていた光葉さんと闇菜さんだ。
「戻ったぞー」
「よろしくですー」「よろしく…」
私達もよろしくとそれぞれ返事をする。
あった事がない人は今はいなかったので自己紹介などはしていない。
ご飯は来る前に食べてきたそうだ。
遅くなったのは拠点の現状を聞いて買い物を済ませてきたからだそう。
「そういえばお姉ちゃんって北東のエリア2って回った事あったっけ?」
急にそう言われてメープルベアと連戦した事はあったけど先に進んだ事はなかったと思ったので首を横に振った。
「じゃあ北東のエリア2を回ろうよ。余裕があれば3も見に行くとか」
ルナの提案に頷く。
「せっかくなのでみんなで行きませんか?」
私がそう言うと。
「ごめんなさい。私はスノウちゃんと製作途中だから」
プリメラさんはそう言って不参加を口にした。
ボルグさんはあるモノを私達に見せてくる。
工房の見取図と書かれていた。
地上部分にそれを建てるみたいだった。
その為に倉庫の素材を使っても良いかメールで聞かれたので頷くとサッと移動していった。
それぐらい言葉にしようと思ったけどもう何も言うまい…。
リグさんはリアルの用事があるようで食事が終わってすぐにログアウトしている。
「6人PTなら丁度だし良いんじゃねぇか?」
ラギさんがそう言ってくれるのが救いだったのかもしれない。
ルナ、シュティ、ラギさん、光葉さん、闇菜さんに私というPTになった。
PTリーダーはラギさんだ。
光葉さんと闇菜さんのチーム加入はラギさんがギルドに行ってやってくれた。
その時にチームのマスター以外に手続きとかする人がいるならと確認されてラギさんとシュティの名前を出しておいたそうだ。
普通はマスターの私が対応しないといけないんだろうけど。
「今回は騒ぎになってるから特別処置だそうだ。あー、プレイヤーには採掘で丸っと残った事より上げた動画の方が問題になってみたいだぞ?」
「え、なんでですか?」
「そりゃアレだろ…」「「「チェーンソー」」」
ラギさんと光葉さんシュティがハモった。
「魔法使うプレイヤーにとってあの動画は気になることだらけだと思いますよー」
「闇菜でも…あんなのわからない……なんちゃって…」
何となく光葉さんが言ったのを聞いて騒がれてる理由が理解できた。
そういえば掲示板もじっくり読んでたんじゃなくてかなり適当に見てたからなぁ…。
ちなみに闇菜さんの言った事に対しては全員スルーである。
ルナとシュティは気になってるみたいでチラチラと見ているようだけどね。
「とりあえず移動しながらラギさんの方の話を聞いても良いですか?」
「おぅ、そういや2人もここに居たいらしいけど良いんだよな?」
「問題ないかと。ただまだ部屋が無いので個室は無理ですけど」
「広場の一角でも貸して頂ければテントでも立てるので大丈夫ですよー」
「毎日女子会……?」
「そういうのはないよね」
「まだないですね。いずれやれたら楽しいかもしれませんね」
私達は歩き出して地上に上がる。
その時私は氷像を作って浮かしておいた。
ラギさんの確認に頷いて新しく仲間になった2人を見て言う。
闇菜さんが言った事にルナとシュティが話に加わって盛り上がっている。。
そういえばシュティと一緒に居るファエリは最近静かな事が多いと思ってみてみる。
何か口に含んでるみたいだった。
「ファエリ何食べてるの?」
そう聞くと木の入れ物をとりだして中の物を1コ私にくれる。
「コレって飴?」
以前ルナが貰っていたはちみつ飴に似ていた。
「ボルグに聞いて火の子が作ったの」
ほっぺの方に飴をやって片側だけリスみたいになりながら教えてくれた。
火の子って言うのは火属性魔法が得意な妖精の事だそうだ。
得意な属性によって妖精は好んで行う事が違うのだそうだ。
火属性の得意な妖精は料理を好むそうで、ボルグさんがはちみつ飴を作ってるときに教えて貰ったらしい。
私も貰った飴を口に入れて舌で転がす。
「おいひぃね」
「でひょ?」
「お礼言っておいて」
そう言うとファエリはこくりと頷いた。
女子4人が盛り上がってる中居づらそうなラギさんの所に行く。
『それでギルドではどんな感じでした?』
『メールでわかっちゃいたけどユキさんに会わせろってヤツが多かったな。もちろん今の状態じゃ来たがらないから落ち着けって言っておいたが、効果があるかはわかんねえな』
『そうですか。ギルド側は?』
『嬉しい悲鳴ってヤツだな。次々とゴーレム素材が運ばれてきてるみたいだな。量が多くて買い取りが難しくなったとかで、職人ギルドや商人ギルドと連絡を取り合って対応してたな。まぁ、ルガードのおっさんが一度ユキさん連れてこいって言ってたぞ』
『え…。怒ってました?』
『いや、情報料を渡したいそうだぞ。おかげでウハウハだってよ。遺跡については現状は事前に入れるようになってた連中が入ってるだけだな』
『趣味の悪い人達も?』
『あいつ等は許可が取り消されたそうだ。自業自得だな』
PTチャットで話してるから4人も聞こえているから話題のせいでこっちを向いて止まっていた。
ラギさんが追い払うように手を振ると4人はまた歩き出した。
けど光葉さんは私の方をチラチラ見て気にしているようだった。
『許可が下りてるのは8PTぐらいらしい。その中でユキさんみたいにチーム単位で許可が下りてるのは他に2つ。1つが積極的に魔鉄集めをしてて、もう一つは積極的に掃除中だそうだ』
『あの時一緒に戦ってくれた所は?』
『装備の改良中で戦闘以外の出来る事やってるそうだぞ』
『そうですか』
『雪月風花としてはどうするんだ?』
『特に方針とかはないですよ。各々やりたい事をやれれば良いんじゃないかな?』
『その方が気は楽だな』
私達はエリアの境界まで来ていた。
「大きいですね」「世界樹…」
先を歩いていた二人は振り返って上を見ていた。
私達も釣られて振り向く。
風で揺れる巨木。
しばらく眺めてからまた歩き出す。
『そういや、商人ギルドで契約に使う紙は貰ってきてるから後でユキさんに渡すぞ?』
『ぁ、チームへ人を入れるのラギさんとシュティもできるんだよね?』
『できるようにしたな』
『なら3人で分けて持とう。誰か誘いたくなったときに使えば良いよね?』
ラギさんと話している事を関係があるシュティにふる。
『そうですね…。契約すれば勝手に入れちゃっても良いんですか?』
『できれば事前に確認して貰えた方が良い気はするかな』
『わかりました』『了解だ』
シュティは話が済むとまた3人の話に加わりにいった。
『まぁ現状遺跡に入る許可を出せるのがギルマスか領主だけらしくて入る人数が増えるのは年明けになるそうだぞ…っと』
ラギさんは前方で罠に掛かって木に吊されたシュティを投石でトラップの蔦を切って助ける。
するとルナとシュティから文句を言われた。
私は見慣れていたけどやっぱり異常だよね…。
助けて文句を言われたラギさんがキレて2人に投石をした。
それ楽しそうに避けていく様子に呆れたようで疲れた表情で隣に戻ってくる。
見た感じ一歩下がった闇菜さんが撮影をして光葉さんがアワアワと慌てているようで見ていてちょっと面白いかもしれない。
ルナとシュティが気づいていても自然な動作で罠に掛かるから余計なのだろう。
『いつもああなのか?』
『そうですね…』
呆れた様子のラギさんに苦笑しながら返事をする。
『まさかとは思うけど遺跡でもあんな感じだったのか…?』
『じゃんけんで罠に掛かる方を決めてましたよ…』
『負けた方が掛かるんだよな?』
『勝った方だよ』『勝った方ですよ』
ラギさんは溜息をついていた。
ファエリの案内で私達はワジオジェ様の所に着く。
チームを結成した事と新しく入った二人を紹介して少し話をする。
と言ってもワジオジェ様と話してるのは光葉さんだけだ。
薬草類の話で盛り上がってるみたい。
闇菜さんは杖の素材に使えそうな枝を探してるようだ。
この前の戦闘で武器の耐久が結構減ってしまったそうで新しいのも視野に入れてるとか。
ラギさん達と遺跡に行く約束をしているようで金策をすると言っていた。
石のゴーレムから宝石が見つかった事もあるそうで何がお金になるかわからないから全部確保する人が増えたとか。
ルナとシュティ、ファエリはここの妖精達と罠のお話だそうだ…。
何でも温くない罠もあった方が良いんじゃないかと言う事らしい。
私はのんびりと妖精達が作った飲み物と果物を食べている。
うまうま。
30分ぐらいかな?
経った頃、ワジオジェ様が眠るようで光葉さんが薬草を抱えてほくほく顔で帰ってきた。
闇菜さんも良さそうな枝があったのか口が笑っていた。
ルナ達はやりきったという表情だ。
魔の森に改造されそうである。
これから来るプレイヤーの皆さん犯人はこの3人です。
ラギさんは私の近くで掲示板などを見ているようだったので移動はしてない。
時々果物を摘まんで奪われたのだ。
私達はワジオジェ様の所をお暇すると東に進む。
行きと同じくファエリが先頭を進んでいる。
『そういえば動物エリアの2は何が出るんですか?』
『まだ行った事ねえのか?』
『メープルベアと戦った後はすぐ戻ったので行ってないですね。それで何が出るんですか?』
『あー、牛と豚と鶏だな』
『焼き肉できそうですね』
『肉って言っても丸っとは残らないけどな…。……残っても困るが』
残らないんだ、残っても困るって言うのはなんでだろ。
もし残るとしたらどのスキルだろう。
私はルナの肩に座ってスキル一覧を眺めていく。
ギルドの依頼をこなしたときに貰ったポイントでコレかなーと思うモノを取得してみた。
狩猟スキルだ。
そんな事をしているとエリアの境界線に着いたようだ。
気にせず進んでいくと赤く光る結界が辺りを包んでいく。
昆虫との間に出たのと同じ赤い球体が降りてきた。
それは同じように周囲の木々を取り込んで形を変えていく。
イノシシのような姿になった。
『ウッドゥンボアゴーレムだ!戦い方はビートルと変わらない』
ラギさんがそう言うと同時シュティとルナが駆け出す。
私は後衛が多いから前方に氷の壁を作っていく。
「《隆起せよ》…」
闇菜さんがそう言うと後衛組の地面がゴゴゴと音をたてながら高くなっていく。
ウッドゥンボアゴーレムは地面を片足で搔く動きをすると次の瞬間には走り出していた。
狙われていたシュティは転がって避けるが急停止したウッドゥンボアゴーレムが目の前にいた。
そして脚を上げる。
「《ライトウォール》ー」
振り下ろされた脚は光の壁にぶつかり大きな音をたてる。
あまりにも強力だったのかぴきぴきと音がしてヒビが入っていた。
シュティはその隙に距離をとっていた。
パリンと音がして光の壁が消滅する。
その瞬間に炎の矢がウッドゥンボアゴーレムに向かって飛ぶ。
それに対して顔を地面に突っこんだと思ったら思い切り持ち上げる。
土を巻き上げて魔法に対して簡易の壁を作ったようだ。
火などの魔法は最初に当たったモノに対して威力を発揮する。
その為石などをぶつけて防ぐと言う事ができるというのをルナが言ってた。
それをまさか敵がするとは思ってなかったようだ。
『2人とも突進が来るぞ!』
そう言いながらラギさんはウッドゥンボアゴーレムに石をぶつけていくが…。
「クソ、コレだからゴーレム系は嫌いなんだ!」
効果がないから悪態をついている。
私と闇菜さんも魔法を放っているけど思った以上に突進が早く当てられない。
ルナとシュティも脚を攻撃して足止めを狙っているが再生してしまうため効果がなかった。
光葉さんは光の壁で二人を守っていた。
思うように攻撃ができないまま時間が過ぎる。
「《沈降せよ》…」
闇菜さんが使った魔法で地面に穴が開き段差ができた。
ウッドゥンボアゴーレムは突進してそれに足を取られて転けた。
そこへルナの魔法が届きウッドゥンボアゴーレムは魔法を反射する状態になった。
ウッドゥンビートルゴーレムの時と同じだ。
反射の前段階で受け止めた魔法が丸くなっているところへシュティが魔法をぶつけて爆発させる。
出てきた赤い核に私が魔法をぶつけると砕けて消えていく。
倒した私達は動物エリアの2に移動する。
セーフティーエリアと思われる場所に出ると。
「何あれ、スモールボアよりイノシシだったんだけど!」
「ホントですね。ちょっと舐めてました…。まさか急停止するなんて思ってなかったです」
珍しくシュティが肩で息をしていた。
ルナも座り込んでいる。
「わりぃな、あまり役に立てなかった」
そんな事を言うラギさんだけど一度ルナが避け損なったときに即座に回復していた。
光葉さんは受ける直前に壁を作ってくれていたけど抑えきれなかったのだ。
魔法を使ってすぐには発動できないから一瞬光葉さんが焦っていた。
「そんな事ないですー!ラギさんがいたから私は補助を優先できたのでー」
遺跡の戦闘で回復役だったのを覚えていたようで補助を最初から使ってたみたい。
そういえばラギさんは回復ができなくなるといけないから他に魔力を割いていないって言ってたっけ?
そのせいで物理攻撃が効きにくいのは苦手なんだそうだ。
ラギさんはそんな光葉さんに手をひらひらさせて答えていた。
「闇菜の落とし穴はタイミングばっちりでしたね」
「どうも…」
「何でもいいからちょっと休憩しよう!」
ルナがそう言うと私達は笑い合って休憩する事にした。
シュティが敷物をだしてそこに座っていく。
みんなの飲み物に私は氷を作って入れる。
各々持ち込んでいるモノを食べたりして休憩する。
ゲーム内で14時頃。
夕方まではまだ時間があるし休憩が終わったら狩りをしようと言う事になった。
新しくとったスキルの効果があるかちょっと楽しみ。




