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 食事を終えた私達はのんびりと通路を歩いている。

 罠解除スキル以外にも2人は罠感知のスキルもスキル覧に表示されていたらしい。

 どっちが取るか話し合ってルナが取る事にしたみたい。

 それで罠をルナが見つけれるようになってわかった事とわからない事ができた。

 ルナが感知した罠をじゃんけんで勝ったシュティが触れた時だった。

 罠が起動しなかったのだ。

 それで確認のために魔法が霧散するか確認した。

 その結果しなかった。

 と言う事は罠かギミックのスイッチが存在すると予測される。

 疑問に思ったシュティがもう一度触れると、今度は起動してナイフが飛んできた。

 シュティは咄嗟に下がりナイフを避けて柄を掴んだ。

 思わず私が拍手するとファエリも一緒に拍手した。


「今のはちょっと焦りました」


「何で動かなかったんだろう?」


「魔力が足りなかったのでしょうか」


「そうなると次にわからなくなるのは入り口付近の罠が生きてた事だよね」


 私達は立ち止まって考える。

 結果としてわからないという答えに行き着くんだけど予想だけは立てた。

 入り口の罠が起動する状態にあったのは近くにギルドの転移装置があり魔力が罠にも流れていたのではないか。

 ここの罠は魔力が供給される状態にないから触れても起動する事がなかった。

 魔法を霧散させない場所は魔法を吸収したから罠が起動する様になったんじゃないか。

 確証はないので予想だね。

 もしあってるなら魔法から魔力を吸収したのにも魔法陣が使われてる可能性があるのかな。

 そうなら見てみたいと思っちゃう。


「ここにいても仕方ないので進みましょう。これから罠は無視してギミック探ししてみますか」


 シュティに言われて私達は頷いた。

 私はルナの肩に座って襟を掴む。

 さっき気になった事をちょっと考えたかったんだ。

 ゴーレムは残骸が残ったんだよねー。


「そういえばルナ」


「お姉ちゃんどしたの?」


「コッコって倒すと光になるの?」


「死体が残るそうですよ」


 私の質問にはシュティが答えてくれた。

 ありがとうとお礼を言う。

 そう言われて思いだしたのはメギーアー女王様がコッコの頭らしき物を持っていた惨殺事件だ。

 食事風景らしいけど私から見たら惨殺事件だよ。

 それよりもコッコと球体ゴーレムは残った。

 ウッドゥンビートルゴーレムやボスモンスター、普通のモンスターは光になる。

 前者は元々この島で生まれ育ったり、作られた物だとする。

 そうなると後者は異人が来る事になって生み出されたモノなのかな?

 でもそれで何かあるのかって言われるとわかんないなぁ。

 そんな事を考えていると目的の部屋に着いたみたいだ。

 マップで最奥とも言えるその部屋には何もなかった。

 ただ広いだけの空間で特にコレと言って特徴的なモノはない。

 壁掛け松明があるけどコレは照明として廊下にもあった。

 ルナのスキルでも罠が見当たらない様だ。


「何もないのが逆に怪しいですね」


「だね~」


 ルナとシュティ、ファエリは壁や床に魔法を当てて調べている。

 スノウさんは上を見上げていた。

 釣られて私も見上げてみるけど特に何かがあるわけではなさそうだった。


「天井にはないのでしょうか?」


 スノウさんがそう言うとルナとシュティ、ファエリは天井にも魔法を放っていく。

 私とスノウさんも魔法を使っているけど霧散するばかりで何も見つける事ができずにいた。


「ホントに何もないのかなー」


「壁を叩いてみると音が若干違うところがあったので何かはあると思うんですけどね」


 そう。

 何もないなら別の所行こうかと話していたんだけど、シュティが壁を何故か持っていた金属製のハンマーで叩いていると音が違うところがあった。


「私としては隠し通路よりもシュティの持ち物の方が気になるよ」


「登山やクライミングでもハンマーは使うので持っているだけですよ」


「何でそんなのがいるの!?」


「ルナ…、何を言ってるんですか。何があるかわからないのだから準備してるに決まってるじゃないですか。妖精さんは必要ないでしょうけど私達はあった方が良いのですから」


 ルナにシュティが言うとスノウさんが首を傾げて質問をした。


「何故ユキ様には必要ないんですの?」


「妖精さんの場合、崖などは飛んで移動できますし寝床も氷で作ってしまえるからです。なので用意しておくなら魔物避けやテント等に使われている簡易結界でしょう」


「そうなのですね。教えて頂き感謝しますわ」


 言われると確かに寝床とか移動は困らない気がする。

 ちなみに登山でハンマーが何でいるか聞いたら、テント設営の際に杭を打つのに使うそうだ。

 クライミングの場合は岩壁にロープを固定するくさびを打つのに使うんだって。

 シュティって結構アウトドア派なのかな。


「修行に行ったときに準備の重大さを身をもって知りましたから」


 アウトドアとかそんなのじゃなかった。

 と言うか剣術がどうこうって言ってたけど修行で山に行ってたの!?

 山で修行って何だろう滝にうたれるとかかな…?


「修行って何してたの…?」


 気になったけど聞かなかったのにルナが聞いた。


「主にサバイバルですよ。どんな環境でも生きれないといけないと御爺様が言ってたので」


「シュティのお爺さんって何なのかなぁ!?」


 ホントにね。

 でもシュティはお爺さんの事尊敬してるのか慕ってるみたいだし。

 教えてる事がおかしいだけできっと良い人なんだよね?


「実戦訓練も兼ねていたので狩りもしていましたよ」


 楽しそうに言ってるけど高校生の女の子が話す内容じゃないと思う。

 最近の子って携帯でずっとなにかしてるイメージなんだよね。


「もう突っこみどころが多すぎて私じゃ突っこみきれない…」


 ルナが諦めて壁にもたれる。


「ルナにも機会があれば御爺様を紹介しますね」


「う、うん。よろしく…」


 戸惑いながらも頷くルナ。

 私会ったらきっと特訓か何かがセットになってるんじゃないかと思うんだけど気のせいだよね。

 話を聞いているだけだったスノウさんがシュティに情報を提供する。


「サバイバルの話ならアエローも喜びそうですわ」


「そうなんですか?今度話してみます」


 それを聞いてシュティは嬉しそうにしていた。

 ゲームのアエローちゃんはそういえばサバイバルしてたし喜んで教えて貰いそう。

 それなら良いのかなと思った。


「それよりもさー、こうも何もないんじゃ仕掛けなんてわからないよね」


 ルナはそう言って手を上にあげて伸びをする。

 丁度手に触れる位置に松明があった様でそれを掴む。


「例えばコレを引っ張るとかしたら開くなんて…」


 そう言って引っ張っているんだろうがびくともしていない様だ。


「ないかぁ…。じゃあ押してみるとか」


 そう言ってルナが松明を押すとカチッと音がした。


 ゴゴゴ…


「ぇ、嘘…」


 大きな音をたてて先ほどシュティが音が違うと言っていたところの壁がスライドして通路が現れた。

 ルナは無言でもう一度松明を押す。


 ゴゴゴ…


 また大きな音がして壁がスライドして通路は見えなくなった。

 ルナはどうしようとでも言いたげで口をパクパクしている。


「とりあえず報告のために撤収しようか」


 私がそう言うと皆頷き部屋を後にした。

 急ぐ様に通路を戻っているとラフな恰好をしてバケツやモップなどを持った若者がこっちに向かってきた。


「大きな音がしたのですが何かあったのか?」


 リーダーと思われる箒とちり取りを持った青年が私達に声をかけてきた。


「隠し通路を見つけた時の音だと思います。なので私達はギルドに一度報告に行く所です」


「へぇー、そんなのあったんだな。てっきり掃除をするだけだと思ってたぜ」


 リーダーの青年がそう言うと仲間から責められていた。

 此所であったのも何かの縁だから少し情報を交換する。

 青年のPTも最初埃とかがないし汚れてもいなさそうだったから普通に探索していたらしい。

 しかしある部屋に辿り着くとその部屋は他と違い埃や汚れが酷かったそうだ。

 掃除と言う事でギルドには声をかけられていたし道具など準備はしていたので掃除する事にしたそうだ。

 その時に装備などはアイテムボックスにしまって街で買った汚れても良い服に着替えたそうだ。

 女性陣をみるとデザインよりも動きやすさを重視してある様に見えて納得した。

 掃除をしているところで大きな音がして気になってこっちに走ってきたところ私達に会ったのだという。

 それから私達の話をした。

 入り口にあった罠に魔法を霧散させる壁や床、天井に紛れている魔力を吸収して発動する罠。

 奥の部屋の仕掛けも教えてもう一つのPTをみたら先に進まない様に伝えて欲しいとお願いした。


「わかった。まぁ、ギルドで説明は受けてるだろうし大丈夫だろ。丁度飯がまだだったし奥に行って休憩でもして待ってるさ」


 了解してくれた青年達に背を向けて私達は移動を再開する。

 転移装置のあったところへ戻ると起動させてギルドに戻ってきた。

 私達が戻ってくると職員の一人が気づいて近づいてくる。


「何かあったのでしょうか?」


 簡単に説明をすると個室に通されて待っていて欲しいと言われた。

 しばらくするとルガードさんが入ってきた。


「流石嬢ちゃん達だ。良くやらかしてくれた!」


 そう言って楽しそうに笑う。


「ルガードさんがギルドのマスターなんですか?」


 ルナが入ってきたルガードさんにそんな事を聞く。


「いや、違えぞ?サブではあるがな。マスターと領主様は本土の式典に出るために今は島にいねえんだよ」


 それでもサブマスターって事は偉い人なんじゃないかな。

 今までの事を思い出して背筋が冷える。

 だって暇すぎてイスに座って寝てる様な人がギルドで偉い人だと思わないじゃないですかー。


「嬢ちゃん今失礼な事考えてなかったか?」


 半眼でこちらを見てくるルガードさんに首を横に振る。


「まぁ、良いけどな。んで、さっきの職員にした説明をもう一度して貰いたいんだが」


 ・

 ・・

 ・・・


 さっきより詳しく説明してついでに中で手に入れたモノも見て貰った。

 ルガードさんは説明を聞きながら羊皮紙に書き込んでいっている。

 多分報告書か何かだと思う。

 一通り話し終えると職員を呼び書いたそれを渡した。


「さっきのは渡しちゃって良かったんですか?」


「ん?あぁ、あいつはマスターの秘書みたいなヤツだからいない間の事務作業はあいつが中心にやってるから良いだろ」


 そういえばルガードさんがそう言う作業をしてるのは見た事が無かった。

 あってる時間が短いだけかもしれないけど、やってるイメージもわかなかった。


「まぁ、種族的に頭より身体を使う仕事の方が向いてるんだよ」


 終いには種族を言い訳に使っている。

 片付けられなかったりするのを血液型を言い訳にするダメな大人みたいだ。

 ルガードさんは中で手に入れたモノを手にとって鑑定していく。

 矢や短剣、槍まで降ってきたあのトラップ。

 中にトラップがある事はギルドの人もわかっていたそうだけど起動した事があるのは入り口のだけだったそうだ。

 それでもわざと掛かって飛んでくるモノを回収して売りに出してた時期もあったそうだけど、ある時期から遺跡自体踏み入れてなかったそうだ。

 ある時期というのは結界が現れ神託が下ってからだそうだ。

 それからは冒険者が増えると言う事で宿などの準備に追われていたらしい。

 話は戻るが売っていた武器は短剣だけだったそうで矢や槍は初めて見たそうだ。

 武器としての性能は悪くない様だけど特別良い物ではないみたい。


「それにしてもこの金タライ?だが」


 真剣な表情でそれをみるルガードさんに私達は思わず息を飲む。


「魔力も何も込められておらんのに殺傷力も一切ない。ホントにコレも罠で出てきたのか?」


 呆れた様な顔で言うルガードさんに思わず力が抜ける。

 ルナは机に突っ伏してしまった。


「だが持ってきたモノ全部に共通するのは魔力伝導は魔鉄より良さそうに見えるがミスリルほどじゃねえって所か」


「おぉー」


「鋳つぶして武器を作った場合魔力伝導はどうなるのですか?」


 ルナは嬉しそうに顔を上げシュティはそれを加工する事ができるか聞く。


「わかるわけないだろ?一時期は鍛冶をしていた俺でもこんな金属は見た事ねえ」


 難しい顔をしながらそう言うルガードさん。

 何となくだけど、私にはわからない事が悔しそうに見えた。

 持ってきたモノを売ってくれるのかと言われるも、現状の武器だと魔力伝導の関係で魔法剣が使い難いシュティに断られていた。

 加工して武器にできればと思っているんだろう。

 それからは少し罠について話をしていく。

 今のままだと罠があるかわからないけどギルドの管理している今のエリアは罠をみてわかる様にしておく方が安全だ。

 それを伝えるとルガードさんもわかる様にしておくのは賛成の様で話を進めていく。

 そこへ大きな音をたてて扉が開かれた。


「うるせえぞ!」


「すみません、それよりも緊急事態です!」


「ああん?」


 ルガードさんが職員の方に呼ばれて部屋を出て行く。

 ルナとシュティは気になる様で扉を開けて顔を出す。

 私も二人と同じようにみてみる。

 気になるから仕方ないよね。

 スノウさんはイスに座ってだされたお茶とお茶菓子を楽しんでいる様だった。


「お前何で勝手に先へ進んだんだ!」


「は?隠し通路があれば行ってみるのが冒険者だろ」


 趣味の悪い髑髏飾りの様なモノを身につけた男につかみかかって文句を言っているのは私達が通路で会った青年だった。

 彼の服装はあったときと違い革製の防具に槍を背負っているが所々防具には穴が開いていた。

 青年の後ろにはあの時会ったメンバーがいるけど。


「一人足りない?」


「そだね」「ですね」


 一番ガタイが良さそうな男性がいなかった。

 髑髏飾りの男の仲間は3人いて買い取りカウンターでさっさと買い取れと文句を言っている様だった。


「何があったかわかりませんけど思った以上に酷い状態ですね」


 シュティに言われて頷く。


「サブマスター!結界を張りに行こうとしたメンバーですが、途中にトラップがあったそうで負傷して戻ってきてます!」


 職員の言った事に驚く。

 魔法を当てないと起動しなかった罠が発動したって事なのかな?


「お姉ちゃん嫌な予感がするんだけど…」


「何でかわかんないんだけど、あの趣味の悪い人達が先に行ったのが原因だろうね」


「戻ってきて1時間ぐらいでしょうか…」


 とりあえず趣味の悪い男は相手にしてないみたいだけど青年は武器を構えてしまっている。

 あんまりよろしくない状況なのはわかるから間に入る事にする。


「妖精さん!退いてください。こいつらがギルドの規約を破ったから大変な事になってるんだ!」


「はっ、コレもイベントの1つだろうが。仮に俺達がやってなくても誰かがやっていたさ」


 私が間に入った事で武器を下げてくれた青年に背を向けて趣味の悪い男に聞いてみる。


「PTは4人なんですか?」


「あぁ?6人だったが戻ってくるときに2人はPTから抜けたよ。馬鹿だよな、追ってくる敵と戦ってたヤツに加勢するとか」


「貴様!仲間も置いてきたのか!」


「勝手に残ったんだよ。それよりもテメエ等だって仲間置いて死に戻りしたんだろ。笑えるわ」


 青年が声を荒げると馬鹿にした様に言って笑う趣味の悪い男。

 今にも飛び出しそうな青年をPTメンバーが止めて落ち着かせようとしている。


「どうやって隠し通路を見つけたんですか?」


「仲間の一人がテメエ等を監視してたんだよ。後はわかるだろ?」


「なるほど。わかりました」


 私は趣味の悪い男から離れて職員に指示を出しているルガードさんの元へ向かう。


「ルガードさんもう一度探索許可をお願いしたいんですけど」


「嬢ちゃんか。丁度良いな、チームに対して緊急依頼だ。内容はうちの職員を遺跡の新たに見つかった通路まで連れて行き結界の構築まで護衛する事だ」


 ルガードさんがそう言われるとクエストが表示された。


「わかりました。メンバーは増やしたりしても良いですか?」


「嬢ちゃんの判断に任せる。こっちの職員は非戦闘員だ。道中の護衛も含まれるが大丈夫か?」


「できる限りの事はします」


 私はそう言ってPTメンバーの所に戻るとクエストの内容を説明する。

 状況が書かれている紙を渡されているので3人に渡す。

 その間にここにいないログインしているメンバーにメールをしていく。

 返事はすぐに返ってきた。

 アエローちゃんは狭い通路だとデメリットがあるそうで申し訳ないけど辞退すると言う事。

 ラギさん、ボルグさん、プリメラさんリグさんはすぐにこちらへ来るそうだ。

 現状は私達が見つけた通路は青年達が着いたときにはすでに開いていた。

 しばらくすると趣味の悪い男達が出てきたため青年が問い詰めようとするが通路から金属の球体ゴーレムが大量に来たため応戦。

 通路に交代しながら戦闘を続けていたが人型が一体現れたのだそうだ。

 その人型は遠距離から光線を放ってきた。

 何かはわからなかったけどビーム兵器じゃないかというのが青年の報告だそうだ。

 青年は報告をしてまた遺跡に向かうつもりだったみたいだけど趣味の悪い男と遭遇。

 言い合いをしている間に仲間の4人が戻ってきたと。


「ゲームとかで良くあるのだとビーム兵器よりも光の攻撃魔法の可能性が高いんじゃないかな」


「SF作品に出てくる様な技術力があるとは思えませんしね」


 人型ゴーレムの攻撃方法をルナとシュティは話し合っている。

 話していると荷車を引いた男性がギルドに入ってきた。

 その横を通って3人が私達の方に来る。


「ユキちゃんお待たせ!ほら、ラギ早く来なさいよ!」


 プリメラさんは荷車を引いているラギさんに遅いと声をあげている。


「スノウ、怪我をしたのか!?」


 リグさんはめざとくスノウさんの服が肩に穴が開いているのを見つけ肩を掴んで聞いている。

 聞いてるというより問い詰めてる?


「ぜぇぜぇ、ボルグこういうのはテメエの担当…だろうが……」


「何言ってるの…。アイテムボックスに入れない貴方が馬鹿なだけでしょ?」


 プリメラさんに突っこまれてラギさんは顔を紅くしてそっぽを向きながら荷車を収納した。


「ネタでやってたのかと思ってました」


「うるせえ、黙ってろ!」


 ルナがからかうと顔を真っ赤にして反論している。

 とりあえず急いだ方が良いだろうしルガードさんに遺跡に行く事を伝える。

 すると職員の方が3名私達の方に来た。


「こいつ等が結界の構築を行う。準備が良ければ行ってくれ」


 ルガードさんに頷き、転移装置の置いてある奥の部屋へ行こうとする。


「待ってくれ!もし遺跡に行くなら俺達も行かせてくれ。仲間がまだいるんだ!」


 青年が必死な表情でこちらに来る。

 そして頭を下げた。


「お願いします」


「「「「お願いします」」」」


 すると後ろにいた他のメンバーも一緒に頭を下げる。


「わかりました。とりあえず急ぎたいので移動しながらにしましょう」


 私がそう言うともう一度お礼を言って後ろをついてくる。

 青年のPT5人を加えた私達17名はギルド内で話をせずに転移装置を起動させて転移した。

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