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終曲

彼の意思とは無関係に始まった作戦(?)のために。


ログマは二人によって、何処かへと引き摺られてゆく……あれから、数時間が経過した。



その時、ログマは机に顔を埋めていた。


彼の横顔には、何処か疲労の色が垣間見える……そう。


事実、たったの数時間それだけで彼は疲弊してしまったのだ。


つまりは、博士による彼への教育は既に行われており。尚且つそれは想像を絶する程のものであると言う事なのであろう。


すると、そんな彼のいる部屋へとキジカがやって来るのが見えた。


「ログマ、お疲れ様!紅茶を持って来たから一緒に飲みましょう!」


あたふたとする従者を後ろに、紅茶を乗せたトレイを自ら手にした彼女はログマの傍に腰を下ろす。


だがしかし、ログマからの反応は薄かった。


「つ、疲れた……クソ、あのポンコツ覚えてろよ……」


彼はうわ言のようにそう呟き、どうにかと言った様子でキジカのいる方へと顔を向ける。ただそれだけであった。


「……大丈夫?

その、何と言うか……ごめんなさい。


代わりにって訳じゃないけど、私に何か出来る事があれば何でも言ってね?」


それを見たキジカは、無理矢理に物事を進めた自身に罪悪感を覚えたのかそう言う。


頭を撫でようとしている、のかもしれない。その手をログマへと伸ばしながら。


……すると。


「そうか……なら。

さっきの続き、させてくれよ」


突然にもログマが顔を上げ、キジカを真っ直ぐに見つめ。彼女が伸ばした手を掴み捕えてそう言った。


恐らく、それは口付けの事であろう。


それはキジカにも分かっていた。視線をこれでもかと注ぐ、彼の目を見つめ返せばすぐに。


「えっ!?いやその、それはちょっと……」


だが、そうは出来なかった。


あれはあの時の勢いあってこその行為ものだ。今すぐに同じ事をと言われても困る。


と言うか、まずそもそもとして恥ずかしい事この上無い……彼女はそう思ったのだろう。


すぐさま頬を赤くしつつも、次第に顔を近付ける彼へと反発した。ただし、それはまた随分と弱々しい反抗ではあったが。


「『何でも言って』って、さっき言っただろ」


「そうだけど、でも……そ、そろそろ博士も戻って来ちゃうだろうし」


「知るかよ、あんなポンコツ……な?良いだろ?」


しかし、反抗それもすぐにログマによって押さえ込まれてしまい。


「……もう、仕方ないわね」


キジカは目を閉じ、想い人に愛情の捺印を許した。



それから暫くの間、二人は愛を重ねたまま沈黙していた。


また、それは熱く深い。互いが互いへと向けた本物のそれであった……熱のせいか、キジカはその身が蕩けてしまいそうになるような感覚を抱く。


……とは言え、長かった。

何せ、それは数分も続けられているのだから。


もしかすると、本来の口付けとはこうであるのだろうか?いや、だとしても。


もしそうなのだとしても。これ以上は身が持たない……キジカは待ったをかけるべく、思い切って目を開けた。


すると、そこにいたログマの所業に。


彼女は驚愕する事となる……何と、彼はキジカと唇を重ねたまま彼女を凝視していたのだ。


そして、そんなログマと目の合ったキジカはすぐさまに離れる……だが熱を全て寄越されてしまったのか、彼女の顔は事更に赤く染まってしまうのだった。


「ちょ、ちょっと!!何してるのよ!?」


「あーあー、あっという間に茹でダコになっちまった。


まあでも、気持ちは分かるぜ?自分だけずーっとキス顔を見られてたんだ、そりゃ恥ずかしいよな」


ログマは笑う。その発言から察するに、最初からこの男はそうしていたのだろう。


つまり、彼は何処までも性悪であり。そしていつも、いつでも、彼女を揶揄うと胸に決めていたのだ。


「な……!?も、もう!!

やっぱりアンタって本当性格悪いわね!!」


「おいおい、今回に限っては嫌がらせのつもりじゃないぞ?


……二年振りに見たお前があまりにも綺麗でな、つい見惚れちまったんだよ」


言葉通り、何処までも彼女を愛しているが故に。


「え…………も、もう!!何よ急に!!

とにかく!!今度からソレは禁止よ!!


こ、これからは、いつでも見れるんだから……」


そうしてキジカは怒り、赤面し、俯き。だが後に、二人で笑い合った。


そしてそれは、彼女の思い描いた未来。


それを手にしたまさにその瞬間なのであった。



ちなみに。


「………………アタシ、もう戻って来てるんだけどな。


全く、休憩は十分だって言っておいたのに……でもまあ、仕方ない。


今回だけは勘弁してあげようかな」


扉の裏に佇む博士に二人が気付いたのは、それからまた数分が経過したその後であった。






数日後、二人は無事に挙式を済ませた……が。


後戻り出来なくなってしまい、結局は本当に結婚する事となり。


その後も数々の苦難困難。それを二人で解決し、なんだかんだと幸せな日々を送るのだが。


それはまた、別のお話……






終曲 『ログマと私の小夜曲(Serenade) 』 完

これにて完結となります!ここまでお読み頂いた皆様、本当にありがとうございました✨


それといつもリアクションくれた方、とても嬉しかったです✨


それではまた、別の自作でもお会い出来たら嬉しいです(´∀`*)マタネ

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