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配信に誰も来ないんだが?  作者: 常夏野 雨内


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92話 悪意の犠牲者

 灰川は男が乗って来たであろう軽自動車に乗せられ移動してる、時刻は夜の9時前で行き先は小学校との事で、その道中で話を聞く。


「俺は怪人N事件について詳しくないんだけど、教えて貰えないっすか?」


「ああ、分かった」


 灰川もある程度は知ってるのだが細部までは知らないし、詳しく調べた事も無かったから聞く事にした。




  怪人N事件


 未解決であり事件として立件されてないが、一部の捜査担当者や霊能力者、探偵などからこのように呼ばれてる連続児童行方不明事件。


 最初に怪人Nの仕業と見られてる事件は20年以上前に東京の小学校で発生した、1日に一人、3日連続で同じ小学校の男子児童3名が行方不明になった。 


 1人目は放課後に自宅に戻らず、2人目は下校後に自宅に帰ってから遊びに行き行方不明、3人目は昼休みの時間に行方不明となる。


 その後は何年か置きに同様の事件が発生するも事件性が確認できず、謎の児童行方不明事件とされ不明児童は今も見つかってない子が多い。


 不明児童も男児であったり女児であったりと一貫性が無く年齢も1年生から6年生、発生地域もバラバラ、その他にも不明児童に共通点は見られず、犯人の証拠も一切なく謎が多い事件である。




「それは俺も知ってるっすよ、何か新しい情報は無いんすか? 表の人間が知らないような」


 情報が無ければどうして良いのか分からないし危険性も高まる、少しでも情報を引き出しておきたいし、この男の隙の作り所や話し方や内容による性格の傾向を探っておきたい。


 信用できない、灰川がこの男に抱く一番の感情だ。イザとなったら捨て駒にされる、躊躇なく切り捨てられる。今まで出会って来たブラック企業の社長や幹部よりも簡単に、それでいて文字通りの『使い捨て』にされる。


 多少の貧乏クジを引かされるなら良い、だが命の貧乏クジはゴメンだ。しかも見ず知らずの裏の人間に引かされるなんてまっぴらだ。


「灰川誠二、警戒し過ぎだ。お前をどうこうする気は無いし、何かがあったらお前を守る。それだけは約束する」


「約束ね…信用しますよ」


 約束なんてすぐに破られる、それを体で思い知って来た灰川はそんな言葉を簡単には信じない、その性質は良くも悪くも彼の行動や決断を狭めてきた性質だ。


「まずは自己紹介といこう、俺は今はタナカと名乗って~……」


「どりゃっ!」


 男が名乗ろうとした瞬間に灰川は車の助手席から飛び降りようとドアを開く、裏社会の人間が名乗るというのは用が済んだら消すという事だと何かで見たからだが……運転席の男に片手で抑えられて失敗してしまった。


「ちょっ!お前いくら何でも信用しなさすぎだろ! 精神構造どうなってんだよ!?」


「放せー! 殺されたくないんだー!!」


「いいから乗っておけって! お前の体じゃ走ってる車から飛び降りたら大怪我するぞ! ちゃんと説明するから!」


「いやだー! どうせ全部ウソで使い捨てにするか、本当の事を話したら後で消すんだろー!」


「だ・か・ら! そんな事はしないっての!どうしたら信用してくれるんだ!」


 もう疑心暗鬼MAXだ、何言われても灰川は男を信用できないし、全てを疑うしか出来ない。こんな状態で連れ出されたのだから無理はないが、それでも後続車も来てる車から飛び降りるのは無茶である。


「はぁ~…これはちゃんと話さないと協力は無理だな、そこの駐車場で事情を説明する」


 男は車をコンビニの駐車場に停車させた、その時に灰川は周囲を見渡す。同時に駐車場に入って来た車は居ない事から近くに仲間は居ない可能性が高い、だが既に体か服に発信機でも付けられてたとしたら~……。


「だから過剰に人を疑うのを止めなさい! 裏の人間が言える事じゃないが、そこまで疑り深いと表の世界で苦労するぞ!」


「ひぇっ! この闇霊能者、図星を付いて来る!」


「まぁ良いさ、裏の人間なんて信用を得るのに何年掛かりって話はしょっちゅうだ、お前は正しいよ」


 男は息を付きながらどこかに置いてた缶コーヒーを灰川に手渡した、もちろん灰川はその缶コーヒーに口を付けるようなマネはしない。


「まず俺は今はタナカと名乗ってるが、今はというのには理由がある。俺は国家超常対処局の所属で本名は名乗れない」 


「国家……え? 新手の詐欺?」


「今の任務は怪人Nの怪異の解決で、それにあたって協力者が必要になり灰川誠二に要請したいという事情がある。もちろん報酬は払うし我々が君をどうにかする意思は絶対に無いと断言する、詳しい話は現地に行って仲間を紹介してからしたい」


「国家なんとかって聞いて信じる奴はバカっすよ、劇場型詐欺っすか…やっぱ俺は帰らせてもら…」


「着いて来るよな? ん?」


「はい、喜んで」


 まだ何も信じようとしない灰川に向けてタナカが凄い殺気を放ち、灰川は頷いたのだった。




 タナカが言っていた現地とやらの小学校の近くの公園に到着し、近場の駐車場に車を停めて公園に入っていく。


「もう俺の仲間は到着してる筈なんだが」


「ん? なんか落ちてる、何だこれ」


 集合地点であろう公園には誰も居なかった、その代わりに何枚かの写真が落ちてありタナカと灰川は拾い上げて見た。


「……撤退だ」


 その写真には3人の男女が学校内と思われる場所を歩いてる後ろ姿が写されていたが明らかに変な部分がある、それは3人が半透明になってるという部分だ。


「何らかのイレギュラーがあり怪人Nにやられたと判断、ウエダとサイトウとカワノは現状では発見困難と断定する」


「ちょ…おい、仲間なんだろっ? そんな簡単に見捨てるのかよっ!?」


「見捨てる訳じゃない、作戦の立て直しと怪人Nの対策を変える必要がある、まだ着いて来て貰うぞ灰川誠二」


 結局は小学校の近くに来て何もせず引き返すことになってしまった、灰川としては現地で詳しい説明を受けれると思ってたから、まだ何も分かってないと同じ状況だ。




 夜の10時に繁華街からは離れた場所にある客の居ないファミレスに入り、適当に注文してタナカと灰川の会話が始まった。


「何から話したものかな…最初は国家超常対処局の事から話す、この組織の構成員は表と裏の霊能力を有した人間をスカウトして入り、俺は裏からの入局だ」


 タナカは灰川に説明していく、自分が所属する組織は国の秘密機関で存在は隠匿されており、国家超常対処局の存在を知る者はごく一部に限られるという。


 組織としても全体は自分も知らないが小規模な事は確かであり、局員は多く見積もっても10人程だという話だ。表への手回しや情報工作が行き届いており、小学校に侵入する件も一切が事件にはならないとのことだ。


「10人中3人やられちゃってんじゃないすか…その機関、大丈夫なんすか…?」


「まぁな…正直言ってあの3人が簡単にやられたなんて信じられん、これで犠牲者は4人になった」


 既に小学校の児童が行方不明になってるらしく、それを察知した局から対処指令が来たそうだ。


 灰川としてはまだ信じられないが、ここに至るまでタナカは灰川に危害は加えて無いし、金銭的に見ても灰川を大掛かりな詐欺に掛けるメリットは薄い、しかし話が突拍子が無いからどう判断すれば良いのか迷ってる。


「騙すつもりは無いし四楓院家に強い関りがある君をペテンに掛ければタダでは済まない、今は本当に時間が無いんだ、協力を頼む」


「じゃあまず詳しい話を聞かせて下さい、それから判断しますよ」


 ひとまずはある程度の信用して話を聞く事にする、そうしなければ状況が進まない。四楓院家との関りも知られてるし、他の事も調べられてるのだろう。ここは観念して話を聞くべきだと判断した。


「まずは怪人Nに関してだな、奴は元々は野根村和樹という人間だったという説が有力だ」


「人間? なんでそれが怪人なんて呼ばれるように…」


「野根村は裕福な家庭に生まれ、スポーツも学業も優秀で性格も良く、大人になってからは人望も高くて仕事熱心、家業を継いで会社を大きくして大成功を収めた人物だ」


「理想的な人生じゃないすか、その人って関係ないんじゃないすか? 変な事するような人じゃないでしょうに」


「それら全てが悪い方向に働いたらどうなると思う? 物事には表と裏、良い面と悪い面がある」


 野根村和樹は小学校の時点で学業もスポーツも優秀、テストは1位で体育の記録は全てが学年1位、サッカーや野球のようなチームスポーツではリーダーシップや状況把握能力を発揮した。


 彼の周囲で異変が起き始めたのは中学に上がってからだった、野根村の通う中学校で3年間の内に登校拒否生徒が3学年総合で100名を超え、自殺する生徒も多数発生した。それは高校でも同じで明らかに異常な数字であるが、時代的にも上手く隠蔽されてたらしい。


 社会人になってから入った会社は野根村の業績は好調だったが、それ以外が業績不振に陥り倒産し、その間に会社員も多数が自殺してる。家業を継いでからは自身の会社は大きくなったが、取引してる会社は落ちぶれた。彼が関わる全ての者が何らかの不幸に遭っている。


「これらの件は野根村が裏で手を引いてたのが調査で判明してる、中学校から会社時代の同僚が残した記録や、奴の会社と取引のあった会社の記録をオカルト的調査を含めて調べると、とんでもない奴だということが分かったんだ」


「何のためにそんな事したんすか…意味わかんないすよ…」


 彼は学年を経るごとに周囲の子達の理解力の低さや精神の幼稚さ、自分との違いに違和感を感じて行った。性格が良くその違和感を人に言えず抱え込んだまま学校生活を送っていたようだが、ある時に周囲の子達の物事を一回の説明で理解できない頭の悪さや、自身で考え結末や結果で得られる物を想像する力を持たない者達に我慢が出来なくなったと後の精神学専門家が見立てた。


 全てにおいて優れてる自分は馬鹿で何の価値もないクズどもを玩具にして良い権利がある、何の役にも立たないなら、せめて人生が台無しになる姿を晒して優秀な自分を笑わせてくれ、そんな思想を持つようになった。


 それからは学年どころか全国でも屈指の頭の良さを生かして、陰惨かつ残忍なイジメを裏から主導するようになる。


 性格が良かった頃に覚えた良い人の振る舞いで教師や世の中を欺き、リーダーシップを発揮してグループを作り、スポーツで学んだチームワークを駆使して他者の尊厳を集団で踏み躙り、決して自分が危険にならない形で他者を破滅させていった。


 社会人になっても性質は変わらず、同僚を追い込んだりして楽しみながら働き、家業を継いでからは取引先や下請けを法に触れない形で上手く騙して利益を吸い上げるような事をした。


 その所業は学生から社会人として成功を収めて彼が死ぬまで、綿密な調査が無ければ絶対に表にはならない程に周到だったそうだ。彼の家族や親族ですら野根村の本性、優れた能力を自分の異常享楽に向けて使う性質に気付かなかった。


「クズ野郎じゃないすかっ、頭イっちゃってますよソイツ」


「物事の悪い側面を煮詰めたような奴になってしまった訳だ、天才的な頭脳と才覚に恵まれた人間の出した生き方の答えの一つだ」


 通常なら良しとされる勉学優秀で頭が回るというのは、悪知恵に使えば犯罪行為にも向ける事が出来る。スポーツは心身共に健康な成長を促すというが、時に強い体を持つ事によって暴力的な性格になったり、チームスポーツによってイジメ気質や弱者に対するイビリ精神が養われる事もある。


 どんな事であっても良い面と悪い面がある、野根村という奴は自分が特別である事を自覚して増長し、物事の悪い面だけが吸収され人の道を踏み外した。


「そんな人生の腐った勝ち組を謳歌してた野根村だが、奴には心残りがあった」


「心残り?」


 野根村はイジメや非道の果てに完全に精神性が悪に汚染され、他者の人生や生活を破綻させる行為や、その場面を作りだして観る事にこの上ない楽しさを感じてたと事後鑑定された。


 そんな野根村が60歳になった時に、ある事を実行する。それが最初の怪人N事件だった。


「奴の心残りは自分が悪意に目覚めてなかった時期の年代の者を苦しませ、無駄なあがきをさせて絶望する様を見て笑うこと……小学生年代の子供達を苦しませて終わらせる(・・・・・)ことだ」


 野根村はそれを実行し、とある小学校の男子生徒を1日おきに攫って彼らを終わらせた。もちろん証拠は残ってないがタナカが属していた裏社会では、それに協力したという暴力団や事件隠滅を促した政治家の話が語られてたらしい。


 被害者は誰も戻って来なかったため本当の真相は分からないが、口にも出したくないような何らかの(おぞ)ましい事が行われたであろうとタナカは言った。


 その直後に野根村は病気で死んだとの事だが、3人の児童では飽き足らなかったのか今も怪異として悪念がこの世に残ってる。


「灰川誠二、世の中には常軌を逸した現象があるように、常軌を逸した人間も存在する。俺は散々そんな奴を見てきた、野根村は極端すぎるがな」


「子供から人生の全てを奪うような怪異って訳ですか…だから行方不明になったのは子供たちだけだったんすね…」


「生存して発見される児童も居るには居るが、その子達はもうまともに生きられないような精神異常を抱える事になって発見されてる、これも表には出ない情報だ」


 許せない、と灰川は思う。普通の精神を持ってる人間なら誰だってそう思うだろう。人より優れてるから他者を虐げて良い事になどならないし、子供を攫って苦しませ、あまつさえ命を奪うなど許される事ではない。


「この件に関しては警察は無力だ、証拠も無いし犯人は20年以上も前に死んだ人間ですなんて言えん、オカルト的にも謎が多い存在だ」


「今の話が本当だとしたらそうっすよね…でも何で俺に協力を要請したんですか? オカルトの業界で名前なんか知られてないし、灰川家の人間って言っても霊能力の強弱には差があるし」


 そこが分からない、国家超常対処局とかいう所は国民の霊能力の有無を個人単位で把握してるのかと思ったが、そんな事は無かった。


「君は少しづつだが色々な場所で名前が広がってるぞ、配信業界を初めとして政財界には四楓院家を通して名前が通り始めてるし、ビジネス界でも一部で名前が知れ始めてる。配信者としては、まぁアレだが…」


「配信を確認されたんすか…止めて欲しい…。でもこの件に関して声が掛かる意味が分からないっすよ、何で俺なんかに」


「それは君がVtuber企業のコンサルタントをしていて界隈に詳しく、尚且つ高い霊能力を持つからだ」


「は? なんでそんな理由で?」


「局の見立てでは今回の被害児童にVtuberをしてる子が含まれる見込みが高いと出た、心当たりはあるか?」


 灰川は考える、ハッピーリレーには配信者教育を受けてる小学生の子が何名か居るが、渋谷東南第3小学校と聞かされ通ってると言ってたと思い出した子が居る。


「佳那美ちゃん……?」


「恐らくはその子なんだろう、Nは子供の明るい未来を奪う事に執着してる、狙われる子は必然的に強い幸福や明るい未来が待つと思われる子が多くなる。そこを見て協力を仰げと指示を出したようだな」


 佳那美は憧れのVtuberになれて楽しく充実した日々を過ごしてる、そこに目を付けられたのかもしれない。


 今の時代は一昔前とは子供たちの幸せや考え方の形が変わった、子供でもネット配信などで自己顕示欲や自尊心を満たす時代になり、佳那美だってそういった面があってVtuberをやってる筈だ。


 それが悪い事だとは言わないが、時にそれは面倒事や事件に巻き込まれる確率が高くなるという面がある事も忘れるべきでは無いだろう。


「襲われる日は分かってるっすか…?」


「今日は俺の仲間が3人やられたからな、過去の被害を鑑みても奴が1日に消せる人数は限られる。恐らくは明日か明後日だろう」


「…………」


 佳那美が被害を受ける可能性が高いと聞かされ、灰川の中で心は決まった。信用しきった訳じゃないが、持てる力の全てを使って対処に当たる。


「怪人Nへの対処に協力します、ですが俺の怪異への対処法、特に実体存在型怪異への全力での対処は普通の霊媒師とは違います、それは理解しておいて下さい」


「分かった、事が大きいから怪人Nに対して何をしようと自由だ、それにしても実体存在型怪異と良く分かったな?」


「さっきの写真に残ってた念は明らかに実体存在型怪異のソレでしたから、念の質は木と火、でも五行術の影響は低そうっすね。どんな実体を持ってるかは定かじゃないけど、たぶん~……」


「目の色が変わったな、ここから俺と君は一時的にバディだ。身の安全は出来る限り守る、よろしく頼むぞ」


「分かったっす、よろしくタナカさん」


 国家超常対処局の仲間は増員不可という連絡が来たそうだ、他の問題事案があるそうでどうしても来れないらしい。


 今夜にでも乗り込むかという話を灰川から切り出したが、今夜はNが姿を現す可能性が低く、準備に当てるとの事だ。


 第3小学校は局が手回しして明日は完全閉校とし、生徒はもちろん教師も立ち入れなくするそうだ。シャイニングゲートとハッピーリレーにも何らかの圧力を掛けて、明日は灰川をフリーにさせると約束した。


 その間に灰川も準備を整えておく事にする、集合時間は明日の午後4時とし、事態が発生したら前倒しになると伝えられた。灰川は必ず怪人Nを祓うと心に決める。


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[気になる点] にゃー子の続きが特に気になる [一言] まぁ普通は見ず知らずの人間の為に危険は犯せんわな
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