304話 日曜と月曜で状況が変わった?
配信者やインフルエンサーとして人気を保ち続ける事は至難の業だ、少しバズっては消えて行く人なんかは珍しくもない。
しかし少しバズるのだって難しい世界だ、大概の人は少しも名を上げられず去って行く。
そんな中で日曜日も灰川誠治は配信だ、俺だって名を上げてやるという気持ちは今も失われてはいない。
「こんばんわ! 今夜はホラー川柳の配信やってくぜ!」
今日の灰川配信のメニューはホラーな川柳を作ろうという感じで、1人で何かしら怖い5・7・5を作ろうという内容だ。
川柳とはルールは幾つかあるのだが、基本的には季語の入らない俳句みたいなものだ。「~~や」「~~けり」などの切れ字というものも無くて良い。
「でも難しいよなぁ、5・7・5で怖がらせろっていうのも簡単じゃないだろしな」
ホラー川柳は実は以前から趣味で作ってる人が割と居て、灰川もそこそこネットで見たりしている。
だが自分で作った事は無く、たった17文字程度の言葉で怖がらせるというのは難しいだろうと考えてもいる。
それでもホラー川柳で怖いなと感じた作品は幾つもあるし、やはりセンスの問題なんだろうと灰川は思う。
「グロ系とかヒト怖じゃなくて、やっぱ心霊系で作りたいよな! 一句できたぜ!」
視聴者は居ないが、とりあえず今日は以前に空羽や市乃に言われた『喋り続ける』というのも実践しようと頑張ってみる。
「事故物件 押し入れの中 声がする うん!良い感じだ! そこそこ状況とか分かるぜ!」
今日も自画自賛しながら配信していき、しばらく誰も来ないまま灰川は喋り続けて行く。
廃屋の テレビに映る 女の背
マンションの エレベーターに 知らぬ階
マンホール 中から響く 笑い声
「う~ん、我ながら良い感じ!時代が時代なら俳人としてアイドルになってたな!」
『柑橘系:どうも! 何やってるんですか?』
『マリモー:来たわ! 川柳なんて風流なことやってるわね!』
「お、2人ともいらっしゃい、今日はホラーな川柳で楽しんでるぜ!」
そうこうしてると来苑と由奈が配信にやって来て、普段とは少し違う配信内容に意外そうな反応を示していた。
「17文字で怖い句を作るのって難しいな、状況説明みたくなっちゃうしよ。でも楽しいぜ!」
『マリモー:何個か作ったのね! 私も作ってコメントして良いかしら?』
『柑橘系:自分も作ってみるっす、面白そう!』
「じゃあ皆で作ろうぜ! 川柳ならコメント欄にも気軽に書けるしなっ」
過疎配信だからコメントも見やすいし、ホラー縛りだから灰川の好みだ。幾ら書き込んでくれても構わない。
『マリモー:できたわ! 雲が行く 夕暮れ時に 消える影』
『柑橘系:自分も出来たっす! 走るとき たま~に見える 居ない人』
『マリモー:夕方に誰かが行方不明になっちゃうお話の映画があったの、それをイメージしたわ』
『柑橘系:自分は陸上短距離で走ってると、たまに居ない筈の走者が居るって噂の競技場の川柳を作ってみたっす』
「おお!良い感じだ! マリモーさんのはノスタルジックな中に不穏な感じがあって、柑橘系さんのは何だか元気っぽい感じ!」
川柳とかは何処かしらに人柄とか考え方とか様々な物が出るもので、これも立派な表現や創作の一つなのだと灰川は感じる。
「俺も負けてらんねぇな! どんどん作って現代の松尾芭蕉って言われるようになってやるぜ!」
『柑橘系:松尾芭蕉は俳句の人っすよ! ホラーな俳句とかたぶん作ってないでしょうし!』
『マリモー:私も負けないわよ! 私だって現代の松尾芭蕉2号機って言われるようになってやるわ!』
『柑橘系:松尾芭蕉はメカじゃないっすよ!』
そんなこんなで少し変わったネット川柳会が始まり、少しホラーな感じの句を3人で綴っていく。
だが、怖い感じの川柳なんて数がそうそう出て来るものではなく、段々と変な句に変わっていったのだった。
プロレスで 覆面の下 他団体
灰川 メビウス
料理中 足元毛玉 キツネちゃん
マリモー
成績表 いっつも怖い 低評価
柑橘系
「なんか変な感じになっちゃったな! ダメだこりゃ」
『マリモー:怖い川柳ってムズかしいわね!』
『柑橘系:怖いの種類が違う方向に行っちゃったっす!』
灰川は先日に見たプロレス番組で何となく思ったこと、由奈は先日にテブクロと福ポンが家に来た夢を見た時のこと、来苑は学校の成績が怖いと思うみたいな句を書いた。
もはやホラーとは関係なく、早々にネタ切れしてしまったので、今は雑談みたいな時間になっている。
『柑橘系:でも川柳配信って良いかもっすね! コラボで誰かとやったら盛り上がりそうっすよ!』
『マリモー:私もそう思うわ! これなら楽しい配信になりそうね!』
「だよなっ? それぞれのセンスとか見れるし、ギャグに振り切る事も出来そうだし、内輪ネタも出来そうだしなっ」
配信のネタに良さそうだとかの話になるが、実はシャイニングゲートでは何年か前に他の配信者がやってたりするのを来苑は忘れているみたいだ。
だが配信なんて何度も同じ事をするのは珍しくも無いし、その都度で違った面白さがあるものだ。
即興で作るのも良し、事前に面白い句を作って話すのも良し、句にした出来事を面白おかしく話すも良し、色んな広がりがある。
「そろそろ寝るかな! 明日は仕事だしな」
『柑橘系:私もそろそろ寝るっすね、おやすみなさい』
『マリモー:良い夢見なさいよねメビウス、おやすみ』
「おやすみな、見に来てくれて感謝だぜ!」
今日も特に配信に誰か新しい人が来る事もなく、灰川メビウスの時間は終わったのだった。
日曜日の今日は砂遊とVデビューを早めにしようと話したり、アリエルをレッスンに連れて行ったりして過ごした。
今週はハッピーリレーの車があったから動くのが楽だったし、灰川も車を買いたいなと本格的に感じてる。
「ふぁ~、良く寝たぁ~、まだ眠いけど」
灰川の朝は普通だ、馬路矢場アパートに居る時は朝の6時30分くらいに起きて、砂遊とアリエルと一緒に朝ご飯を食べ、たまに朋絵とかと仕事の話をするような感じだ。
「ハイカワ、good morning! 朝ごはんは今日はサユがパンを焼いてくれたよっ」
「パン焼いたって言っても、食パン焼いただけだけどね~、うししっ」
少ししてから砂遊とアリエルが灰川の部屋に来て朝食となり、いつもの朝を過ごしていく。
「やっぱアリエル君は可愛いなぁ~、見てるだけでパンが無くなっちゃいそうだっての」
「ボクは女の子だよサユ!? でもカワイイって言ってくれてありがとうっ、くふふっ」
「目玉焼きが上手く出来てるなぁ、砂遊も料理の腕が上がったんじゃないか?」
砂遊は既に制服に着替えており、アリエルもランドセルなどの登校準備は終わっている。砂遊は由奈と同じ中学校に通っており、最近は友達も出来て上手く過ごせてるらしい。
アリエルが通っている小学校は渋谷東南第3小学校で、ここから離れているからアパートに居る時はバスを使って通う。灰川も同じバスに乗って向かうので、何かがある心配は無い。
「そういえばさぁ、アリエル君って学校だと男子にモテモテじゃないのぉ? めっちゃ見られるっしょ~? うししっ」
「ボクは愛の告白をされた事はないよサユ、ちょっぴり憧れるけどねっ」
「小学4年生じゃ告白とかって年齢じゃないだろ、砂遊だって小4の時に告白とかされなかっただろ?」
「私らは田舎の学校だったしね、都会ならアリなんじゃないか~?」
小学生でもカップルとかは居る時代だが、灰川としてはそんな事に実感は湧かない。
確かにアリエルはモテるだろう、ボーイッシュな感じはあるが女の子の服を着ると凄く似合うのだ。
実際にバスの中でもアリエルは人目を引き、少し離れた所から『あの子カワイイね』とかヒソヒソと聞こえてくる。
アリエルは実は灰川に対して大きな好感を持っているが、灰川はそれには強くは気付いておらず、特に気にしてはいない。少なくとも嫌われてはいないだろうとは感じている。
「学校だとカナミは男子から少し前に愛の告白をされたみたいだよ、断ったって言ってたけどね」
「佳那美ちゃんも今はモテるだろうな、少し前まで笑い袋だったのに」
「カナミは今でもスゴく笑うよっ、授業中に何かを思い出して笑いそうになってたりするしねっ!」
佳那美は数か月で凄く女の子らしい可愛さのルックスになり、良く笑う明るい性格なので男子からの注目を集めるようだ。
教室でアリエルと一緒に居ると特に目を引くらしく、2人とも男子生徒の目を注がれる事があるらしい。
しかし渋谷第3東南小学校は他にも芸能活動などをする子が在籍しており、可愛い子やイケメン男の子は珍しくないようだ。
それでも2人の可愛さは他の芸能活動をしてる子から見ても優れてると感じるらしく、小学校の中の静かな『容姿や知名度の争い』みたいな部分で2人は要注目として見られている。
「私もモテたいなぁ~、イケメンハーレムの主になりたいぜぇ~、うししっ」
「まったく、いざハーレムになったら面倒くさいとか言って逃げだしそうな奴が何言ってんだか」
「くふふっ、ネコちゃんとフォックスとタヌキちゃんのハーレムなら2階にあるけどねっ!」
朝食を終えて少しのんびりしていると、灰川は今日の大事なことを思い出した。
「あ!そういや今日ってアリエルと佳那美ちゃんの表紙の雑誌の発売日じゃん! 買いに行かないとだなぁ」
「うん!ボクは忘れてなかったよ! ゼッタイに買いたいよ!」
「私も放課後に買いに行くよぉ~、でも売ってる店って限られてたりしないよね?」
「大丈夫だろ、長く発行してる雑誌なんだからよ、アグリットってのは」
一応だが調べてみようと思い、灰川と砂遊はそれぞれのスマホでSNSやらネット検索やらで情報を見る。
アリエルは家の方針でスマホやPCのチャイルドロックが強く設定されており、アグリットに関しても今日まで情報はあまり見られなかった。
灰川と砂遊は今日に発売というのは分かっていたので特に調べてもおらず、当日に書店に買いに行こうと思っていたため、そこまで情報を見てきていない。
ネットで情報を見ると、そこには皆が考えてもない事態が発生している事にすぐに気が付いた。
「な…なんだコレっ…??」
「え、ちょっ…! すんごい騒ぎになってるじゃん!」
「どうしたのハイカワ、サユ? UFOでも来たような顔してるよ」
「こっ、これっ! 佳那美ちゃんとアリエルがネットで有名になってるんだよ! アグリットの表紙の件で!」
「ええっ!?? ど、どうしてさっ!」
なんと……夜の間に何かの拍子で一気に情報が拡散されたらしく、トレンドにも上がっている有様だった!
日本のトレンド1位に『アグリットの表紙』と出ており、ポスト数は5万件を超えている。
とても良く撮れた写真であり、表紙の実原エイミという子と、織音リエルという子が凄く可愛いと話題になっていた。
「た…たかが写真だろっ…、何でこんな話題になってっ…」
「うぉ兄ちゃん! 佳那美ちゃんとアリエル君がすんげー拡散されてるぞぉ!」
「な、なにが起こってるのっ!? どういうことっ!?」
「にゃー! 金髪小僧娘と爆笑小娘がバズってるにゃ! なにがあったにゃ!?」
いつの間にかにゃー子も来て一緒に騒いでいる、この場所にはにゃー子の言葉が分かる者が揃っている。
SNSに投稿されている文章を読むと、次々と2人への反応が読み取れた。
なんつーかわいさだ…
この写真すげぇ!背景以外のCG修正とか盛りとかナシだってよ!
子役とかモデルとか詳しくないけど、これは流石に可愛い
この子達って調べても情報が出て来ないんだけど
さっそくこの子達のwikiiページ作られてるけど、書くこと無さ過ぎて真っ白www
子役?キッズモデル?ジュニアアイドル?
凄い透明感のある可愛さだ、こんなキッズモデルが居たんだなと驚いてる。この子達は上に行くだろうね、活躍の場は絶対に広がる。出来たらWBLのカードの史上初の実写カード枠として採用して欲しい。
ユニティブ興行?知らない事務所だ
「今月号のアグリットの表紙と一緒に凄い数のSNS投稿されてるよ…ザーム出版の宣伝投稿には凄い数のコメントあるし…」
「こういうのが有難くもあり怖くもあるんだよねぇ、何かの原因で一気に広まるからさぁ」
「金髪小僧娘たちの写真がすごい話題になっとるにゃ! まるでアイドルみたいな事になっとるにゃ!」
今日発売の雑誌は絶対に買うとか、他にモデルとして出てる媒体なんかは無いのかと探してるという投稿も多い。
灰川と砂遊とにゃー子の灰川家3兄妹は驚いており、誠治ともなると混乱する気持ちが押さえられない。しかし当の本人は別の反応を示していた。
「やったぁ! ボクとカナミがインターネットで話題になってる! この写真が評価されたんだねっ!」
ネットやSNS、写真家にまで褒められる投稿が相次いでおり、自分と佳那美が褒められて名前が広まった事にアリエルは大きな喜びを示す。
確かに写真は凄く良い写りで、見た人に安らぎや慈しみを覚えさせるような一枚だ。
「え、えっとっ、こういう時ってどうすりゃ良いんだ!?」
「灰川さん! アリエルちゃんと佳那美ちゃんがSNSで大バズしてるっ!」
「あ、朋絵さん! えっと、ちょっと待ってねっ」
「トモエも見てくれたんだね! ボクとカナミっ、すごい人気者になったみたいだよ!」
朋絵もネットを見て気付いたようで灰川の部屋に飛び込んできて、灰川は普段から頼りにしている花田社長と渡辺社長に電話をした。
どのように対処すれば良いのかと聞いたが、まずは焦ることなく佳那美とアリエルは普段通りに学校に行かせ、もし何かあったら下校するよう言い含めておけと言われた。
渋谷第3東南小学校はキッズモデルや子役なども通っているため安心だとの事で、こういう時に焦って動いたら重大な間違いをする可能性があると諭される。
そして渡辺社長からは『バズった程度で慌てるのは駄目、これからはトレンドに上がる事が多くなるのだから慣れなさい』と言われてしまったのだ。
「と、とりあえず皆は学校が終わったら事務所に集合ってことで良い…? い、一応は学業が本業なんだしっ」
「私もお祭り騒ぎみたいになってる事務所とか見たいぞお兄ちゃん! イケメンか可愛いロリキャラのシャワーシーンと同じくらい見たい!」
「バズって浮足立つのは分かるけどさ、焦って色々とやったらボロ出るからね、私みたいに」
「学校に行ったらカナミと一緒に騒がれちゃうかもだねっ!くふふっ!」
「にゃー子も負けてらんないにゃ!」
こうして朝の時間は終わり、今日は車があるため灰川は皆を学校まで乗せて行って事務所に向かう。
佳那美と母親からも電話は来たのだが、落ち着いていつも通り過ごすよう言い含めておいた。
放課後は佳那美とアリエルはタクシーを使って事務所に来るよう言い、一応の対策も整えておく。
市乃や空羽たちから『バズってて驚いたんだけど!』というメッセージも来たり、まだ2人の話題は広がりを見せていた。SNSのポス数はさらに伸び、今は10万件にも上っている。
たかが子供程度がこんなに話題になるのか?、なる事もある。過去にはドラマに出演した子役が素晴らしい演技と可愛さで一気に全国に名前が知れ渡った。
1枚の写真、1回の歌唱で人気が爆発した子も居るし、映画に出演したら可愛さのあまり世界的に有名になった子まで居る。
時に子供の持つ魅力とは大きな話題になったり、強く人の心を惹きつける事がある。佳那美とアリエルにはそのパワーがあるのだ。
アグリットの表紙宣伝を見た人達は、『声も可愛いだろうな』『どんな性格の子達なんだろう』『これで演技とか歌とか上手かったら最強じゃね?』とか思い始めている。
だが今の所はネットの騒がれている程度の話、10万件の投稿があろうが、それは実際には一部の人にしか知れ渡っていないのだ。大きく見えるだけで、センセーションと言えるほどの事じゃない。
兎にも角にも今日の灰川事務所は少しばかり忙しくなりそうだ。
「会長、ユニティブ興行さんがネットで話題になっています。どうされますか?」
「どうやら来るべき時が来たようだね、やはり灰川さんは投資すべき対象としても間違ってなかったらしい」
「はい、やはり会長の目は間違っていなかったですね。こうも良い名前の広がり方をしてくれるとは」
「まだ広がりは浅いけど、ここから一気に攻勢に出る。凄く良い形で話題になった、四楓院の力を使って一気に灰川先生たちを押し上げるぞ」
ここは四楓院グループの銀行、東京フォースター銀行の千代田区本店ビルだ。
執行役員の個室がある階の奥、頭取執務室で四楓院英明は朝に頭取である結崎 新平とビジネスの話が終わった直後に、灰川の事務所の子達が話題になった知らせを聞いた。
東京フォースター銀行は国内で1位の売上高を誇る銀行であり、誰もが知る企業である。しかし四楓院家という名前はそこまで表に出ておらず、頭取も別の苗字の人が就いている。
筆頭株主は当然ながら四楓院家であり、実権は完全に掌握している状態だ。国からの事業束縛も無いに等しい。
銀行を持つ事によって四楓院は自社関連企業への投資を楽に募れるし、様々な場所への実権を投資や融資という形で握っている。
他にも大手の証券会社や広告代理店も四楓院が握っている会社も多数あり、グループ内で投資、事業拡大、宣伝、技術や情報の提携、などが出来るビジネスサイクルを作り上げているのだ。
「グループの枠組みを使って本格的に灰川先生たちの力を押し上げる。それがグループのためにもなるし、灰川先生への恩返しにもなるからね」
「はい、灰川先生は絶対に裏切らない、それが私にも分かりますよ。亮専建設のスキャンダルの情報ももたらしてくれましたからね」
英明は灰川からもらった情報を元に既に大きな利益を得ており、そしてこれからも利益は続く見込みがある。
何より英明は灰川に強い感謝の念を今も抱いており、彼を只の人で終わらせるのは家名の名折れと感じているのだ。
このチャンスは英明が見るに『最初の炎として強く活かせるチャンス』であり、やりようによっては一気に状況を進めさせる事が可能なお膳立てが整っている状態だと確信してる。
チャンスを見誤れば失敗となる商売の世界、ここは動きようによっては大きなチャンスであり、リスクが低い場面と英明も陣伍も様々に考えて結論していた。




