286話 屋敷城の持ち主の話
場に緊張感が走り、ここからは気を緩める余地がない雰囲気が出る。
やっと手掛かりらしい物が見つかり、4人は2層の階段の横で真面目な表情で話し合いの場を設けた。
「ここを作った豪商の名前は大蜂屋 為助という名前だったようだ。発見した中本に記載されていた」
「知らない人っすね、有名なんですか?」
「まあ…大蜂屋 為助は有名じゃないが、子孫には有名な奴が居る。局に確認をさせたら、やはり与党政治家の大蜂 元喜だった」
「局に確認って、こんな地下から通信が届くんすか? いや、凄い強い電波を使ってるんですよね」
「灰川さん、設置している浄霊ライトは通信中継端末でもあるんです。0番スタジオの時に説明したと思うのですが」
「えっ!? そうでしたっけっ?」
「ちゃんと覚えておきなよハイカワっ、こういう所は頼りないなぁ~」
どうでも良い話ではあったが、外部との通信が使えるというのは頼りになる。このライトがあるから無線もノイズ無く使用できているのだろう。
逆に無線にノイズが走ったら危険信号だ、浄霊の力が及ばない存在が近付いてるという事になる。
「話を続けるぞ、この大蜂という議員だが、誠治を襲った危険グループの黒幕と見られている奴の親なんだよ。それもあってリサーチしていたから早く調べられた」
「っ! マジですか…あの一連の事件に、ここが本当に関係してたんすか…」
「息子の名前は大蜂 祐介で、政治家ではなく会社経営者です。大蜂元喜の三男で37歳、兄たちとは違って昔から良い話が少ない人物でした」
サイトウはテレビ局員であり、政治報道部ではないが情報はそこそこに入って来ていたようだ。
大蜂の家は昭和時代から政治家を輩出してきた家で、それ以前も資産家の家系だったらしい。明治の頃には工業で財力を高め、昭和時代には戦争産業や戦後復興の建設業で稼ぎ、バブル時代には土地転がしや投資で荒稼ぎした。
稼いでいた時代に当時の社長が政界に進出、会社経営は息子に任せ、政界に金や組織票をチラつかせつつ力を付けて行く。
政界での発言力を高め、談合によって公共事業を自分の会社に引っ張り、国からも自分の会社への多額の金の導線を作っていった。
今は建設業界のスーパーゼネコンが政治家の大蜂元喜のバックの資金源であり、大きなハコモノ公共事業は大蜂が掌握している。
今の大蜂の家は政治家と企業経営の有力な家であり、その力は昭和時代から今に至るまで続いている。有力な名家は四楓院だけという事はないのだ。
「スーパーゼネコンの亮専建設が大蜂元喜のバックで、長男の大蜂 豊が代表取締役社長に就任しています。次男は準大手ゼネコンの社長ですね」
ゼネコンとは総合建設会社の事で、高層ビル建設や大きな橋などの大規模工事を一括で請け負う会社の事だ。
スーパーゼネコンはその中でも特に大きな会社であり、亮専建設は従業員数が総合で2万人を超える大企業、年間売り上げは2兆円を軽く超えている。
天下りも受け入れまくるし、政治家は地方議員も中央議員も組織票欲しさにゼネコンに媚びを売る。
「それでなんですが、危険グループ事件の黒幕と見られている三男の祐介はIT企業の社長なんです。電子霊能力に関わっていたとしたら、最悪の事態もいよいよ考えなければなりません…」
大蜂祐介は会社経営者ではあるが、有能だが遊び惚けている名ばかり経営者らしい。しかし建設関係のIT企業社長であり、建造物の電子制御の力が怪異に加わっている可能性がある。
「山内第2ダムの制御近代化事業は……亮専建設が事業を取った所なんです…。ダムのコンピューター制御システムを作ったのは、大蜂祐介の会社のOSK株式会社です…」
「「!!」」
関係性の深い所に悪念が向かっているのか分からないが、とにかく危険だ。
サイトウの予測では大蜂祐介が五角屋敷城にあった物品を所有し、彼の悪意に呼応して呪いにより悪意が増幅される。
その呪いが物品を伝ってこの場所に来ていたが、その変化を国家超常対処局は察知できなかった。恐らく何かに溜め込まれていたのだろう。
「でもさ、タメスケっていう人は何をした人なの? それとユウスケっていう人も」
「客人の書いたと思われる資料には、大蜂屋 為助はこのように書かれています」
アリエルが聞いて昔の人物である為助の説明が始まる、灰川は怖いというよりは凄く困ったような顔をして話を聞いていた。
大蜂屋 為助についての客人手記意訳
為助は変わってしまった、あいつは金を儲けて人が擦り寄って来るようになり、自分は将軍にも匹敵する存在だと勘違いするようになってしまった。
幼少の頃からの夢であった自分の城を持つという夢を為助は叶え、まだまだこの城を大きくし、ゆくゆくは江戸城本丸よりも立派な物にすると意気込んでいたのを今でも覚えている。
だが我らは所詮は商人、城を公に広く見せる事は叶わず、江戸城の荘厳さには遠く及ばず、ちゃんとした武士を従える事も許されなければ、国を持つ事も許されはしない。
現実とは己らが思い描いた理想とは違う、だが為助はそれを認めようとはしなかった。大きな理想に本気で向かうからこそ家業の商売を盛り上げられたのかも知れないが、為助の理想は大きすぎたのだ。
為助はやがて夢に狂った、見果てぬ夢を見たは良いものの、それを完全な形で叶える事は不可能だと分かったのだ。しかし為助はそれを認めようとしなかった。
己の力だけで城を打ち立てた自分こそが一国の主に相応しい、武士だって私に従っている、私こそが正しい、その証拠に私がやって来た事は全て成功して大金を稼いだのだ。為助は本気でそう思うようになった。
藩主など目ではない、自分こそが本当の将軍だ。その鬱屈した思いは濁った形で表に出始めた。
大蜂屋の商売棚の勤め人に過剰に厳しく当たるようになり、借金や帳簿付けの金を看板の強さをチラつかせて無理に取り立てるようになり、払えないとなったら面倒を見ている不逞浪士たちに襲わせた。
代官は何も言わない、為助は証拠の残らない形で不逞を働いていたし、為助から鼻薬を嗅がされ、町人や近隣の村の百姓からの申し立てなど聞きもしなかった。
ある日に為助は私に言った、平民など斬っても埋めても腐るほど湧いて出る蛆虫と変わらん、蛆虫風情が私の言う事を聞かんなどというのは我慢ならん、切り捨てられて当然だ。
そのような事を笑って言った、己も平民だというのに、そんな事はもう忘れてしまったらしい。
どんなに努力しようが、どんなに金を稼ごうが将軍にはなれない。その事が為助を完全に歪めたのだ、これは為助が本気で自分は将軍よりも優れた人間だと思い込んでいたことも大きな理由だろう。
もはや為助を止める者は居なかった、大蜂屋の番頭も為助の素行を注意したら夜道で何者かに斬られた、盾突いた者や意見を言った者も同じだ。己の権力と金の力に酔って、頭がおかしくなってしまったのだ。
己は芥子を使って快楽に溺れ、また人に使わせて狂わせ、為助の行いは歯止めが効かぬ。
近頃の為助は人を害するのを楽しんでいるかのような部分が見えるのは気のせいか?
自分の命令で人の最も大事な物、すなわち命を奪う事を楽しんでいるように私には見えるのだ。
為助は幼少の頃から頭が良く、人に慕われ、大勢の商売人たちからも頼りにされて来た。
だが商売での裏切りや、謂れの無い噂を流されたり、金を貸した相手から理不尽に恨まれる事もあって、様々な苦労もして来た奴だ。
そういった経験から少しづつ変わってしまったのか、それとも元からそういった性分が心の何処かにあったのかは分からない。今の為助は悪逆の権化そのものだ。
あいつは本当に自分が己の力だけで伸し上がり、武士からも尊敬され、畏敬の念から己に従っていると思っているのか?
この地に幕府の事業の話が来て稼ぐ道が作られ、その道を大番頭の牛蔵の知恵を借りて判断しながら歩み、勤め人たちと協力して商売を大きくしたのを忘れたか!?
お前が囲っているのは武士は武士でも、遊び気分で辻切をするような不良浪人や流れの不逞浪士だろう!、彼らは立派に忠義を果たさんとする武士とは違うのが分からんのか!
商人たちの間でも影ではお前は勘違いの井の中の蛙と笑われているぞ、この城に招かれた者達は『城などと豪語するは勝手だが、みすぼらしい城だ』と影で言っている。
先日に代官が変わったのを幼い頃からの縁でお前に教えたが、鼻薬を嗅がせれば役人などどうとでもなると言ったな。
今度にこの地の代官になるお方は、厳粛な武家である河原崎家の侍だ。真の武士道を持った侍に鼻薬など効かん。
もはや為助はここまでだろう、蛮行も将軍ごっこもやり過ぎた。お前の家族の面倒は私が見てやる、せめて憂いを残さず刑場に向かってくれ。
この手記は五角屋敷城の主である為助の幼い頃からの友が書いた物らしく、為助がどのような人物であったか、どのように変わっていったのかを客観的に記した物だった。
城に憧れた商人が仲間や部下たちとの苦労の果てに念願の城を手に入れ、そこからも江戸城に匹敵する城にしていくと決心した。
しかしその夢の質は『将軍になりたい』というものに変化してしまい、優れた自分こそ将軍の立場に相応しいとすら思いこんだようだ。
だが同時に将軍などなれるはずもない事は理解しており、為助は将軍の真似をする事で心を満たそうとするようになる。
そのために手っ取り早く、なおかつ効果の高い『将軍の実感の獲得法』は弱い立場の者に偉ぶったり、懇願する弱者から何かを奪う事だった。その最たるものが命を奪うという行為だったのだろう。
「周りの声をよく聞く優秀な商人が、夢を叶えた後は最低の愚者に変わったという事のようですね…」
「国を作るまでは有能なカリスマだった奴が、いざ作った後は凶暴な独裁者に変わるみたいなもんか……立場を脅かす者への恐怖心とかも関係してるのかもな…」
この後は為助は厳格な武士である代官に裁きを受けて処刑となったそうだが、彼を庇う者は誰も居なかったらしいと書かれている。
しかし為助は刑場に連れられても『私が治める地の町人が助命の嘆願を幕府に願い出て無罪となる』『私の配下の武士たちが必ず助けに来る』と信じていたとも書かれていた。
だが手記には町民たちは借金が消えた事を喜んだり、凶暴な無法商人が捕まった事を喜び、為助が面倒を見ていた不良浪人たちは早々に消えて次の金ヅルを探しに行ったとの事だ。
家族は為助が捕まる前に財産を持って幕府領から落ち延び、別の場所で財を成したのだろうとサイトウは予測する。
「こうなって当たり前だよ! 人を傷つける王に民衆が着いて来るはずがないんだ! こうなって当然じゃないか!」
「アリエルさん、怒る気持ちは分かりますが、彼は精神の均衡を失っていたのかも知れません。だからと言って許される訳ではありませんが」
カリスマに満ちた革命家が凶暴な独裁者になる、成功した有名な商人が人の意見を聞かなくなって横暴になる、そういった事は過去にも世界で発生している事だ。
そうなってしまう機序は幾つも道はあるのだろうが、その中の一つを大蜂屋 為助は進んでしまったという事らしい。
城に憧れ、城という物が持つ権威というものを手にしたいと考え、権威を使って自分を舐めた者や盾突いた気に入らない者を酷く排除し、自分という存在を権威として立たせる事に快楽を覚えるようになった。
最初は彼の器は決して小さくなかったが、彼の器は徐々に柔軟性を失い、欠けて割れて小さくなり、自意識や思い込みといった尊大な自己過剰評価に支配されるようになってしまったのだと読み取れる。
つまり王の器では無かったし、己を王の器に育てることも叶わなかったという事だ。
誰だって最初から大きな器は持っていない、誰しも人生の中で器を磨いて育てていくものだ。しかし時にはその器は歪んだり割れたりする事もある、器の大きさを測り間違えて物を詰め込み過ぎる事もあるだろう。
「この屋敷を見回ってるけどよ、図面を見た限りだと江戸城には遠く及ばんよな。書院も無ければ奥の院も無いしよ」
「そもそも城というのは権威の象徴ですから、そこに付随する広く認められた権威が無ければ意味がありませんよ。御三家や出向の大名が居た訳でもないでしょうからね」
「慕う人々が居て、認める民衆が居て、従う諸侯が居てこその王の権威だよ! 何も与えず、誰も助けず、自分の力を示すために人を傷つける奴なんてっ、ボクは王様だなんて認めない!」
灰川とアリエルが見つけた帳簿を見ると、為助は飢饉や災害が発生して物価が上がった時も、晩年は勤め人たちの給金を上げたり特別手当を出したりはしなくなっていた。
それは勤め人たちが自分に仕える事が出来ることこそ最大の幸せであり、その幸せを与えているのだから給金を上げる必要などないなんて考えていたのかも知れない。
恐らくは勤め人たちは大蜂屋を辞職する事も怖かった筈だ、晩年の為助から離れれば不忠者とか言われて殺されてしまっていたかもしれないのだ。
王に権威があるのではない、権威ある行いに王という名が着いて来る。そういった考えはしなくなってしまったのだろうか。
「最初は良い奴だったが、途中からバカヤロウになった中小企業の社長とかって感じだな。誠治、サイトウ、どうした?」
「おいおい…亮専建設って言ったら、関係企業からアリエルと佳那美ちゃんにCM案件が来てたぞっ…、しかもnew Age stardomでロケ地協力の取り付けしてもらってる会社だしよっ…」
「どうしましょうかね…亮専建設は国家超常対処局の情報源として活用してる所ですよ…。犯罪行為の指示をしてたのは別会社の社長だけど…亮専建設の関係が深い親族企業ですし……」
灰川は事務所に亮専建設からのCM案件が来ている事を思い出し、その事から亮専建設は四楓院家とも何らかの繋がりがある事が予測できた。
サイトウも亮専建設は国家超常対処局が情報源として裏で活用してる事を思い出し、ここが情報源として活用できなくなるのは痛すぎる。
「誠治、サイトウ、それらの事は後から考えろ。今は目先の事を済ませるぞ、どの道に俺達のやる事は表にならんから、そこは安心しておけ」
「ハイカワっ!ボクはマフィアの仕事は受けないよ! ゼッタイに受け入れられないよ!」
「いや、マフィアとかヤクザって訳じゃないけど、ちょっと事情が複雑すぎるし…この件については分かって無いことも多いし、どうするべきなんだよぉ~…」
世の中には複雑な事情なんて掃いて捨てるほど転がっているが、その一つ一つが当事者にとっては大きな悩みの種になる。
今回の件に関しても事情や経緯が複雑で、一言で説明や判断がつくものではない。
きっと大蜂屋 為助も様々な事があって変わってしまったのだ。裏切り、逆恨み、同業者の嫉妬や妨害、役人からの賤民扱い、そういった出来事は人を変えてしまう。
だが、そういった事は生きていれば多かれ少なかれ誰しも遭遇するもので、誰だって複雑な事情や思いの中で生き、そこに折り合いをつけて時には損得なども考えて生きるのだ。
灰川にしたってそうであり、事務所に仕事を依頼してる大企業の社長の家族に重大事件を発生させていた黒幕が居るなんて、どうしたら良いのかと悩んでしまう。
国家超常対処局もゼネコンを重要な情報源として活用しており、国民が少しでも超常存在に害される事を防いでいる。
国家超常対処局の存在こそ表企業には知られていないが、この場所からしか得られない情報が明るみに出た場合は、情報の出し渋りが発生するかもしれない。
「……話をしていたら場の霊力の濁りが更に強くなりましたね、この状況の元は大蜂屋 為助の悪念が引き起こしたと見て良いのでしょう…」
「そのようだな、自分を馬鹿にしたり盾突いたりする奴の存在が今も許せんらしい。随分と器の小さい将軍も居たものだな」
「下からの気配が強くなってるっすね、4層か5層に危険があるって事でしょうね」
「この気配…色んな悪い感情エネルギーやマイナス霊力を取り込んでるっ…。ファースが反応してるよっ…!」
事態の解決には4層と5層に向かって悪念を祓うしかないと判断し、警戒を大きく強めて4人で解決に動き出そうとした時だった。
「…………………」
「「!!!」」
階段から少し離れた場所の霊気が一瞬だけ乱れ、4人の視線がそちらに向く。
「アリエル危ない!!」
「うわぁっ!」
「サイトウ!」
「前へ!」
暗闇の中に何かが居た、そこから何かが投げつけられたのだ。灰川は咄嗟にアリエルを庇って盾になり、タナカとサイトウが素早く銃を構えて2人の前に出る。
「消えたな…! 一体何だったんだっ…?」
「これを見て下さいタナカ隊長……手裏剣です…。細身の四方手裏剣ですが、殺傷力を上げるために返しが付いてます」
それは日本の伝統的な投擲武器である手裏剣だった。
アリエルをの首から上を狙ったようなのだが、命中はしなかった。灰川が咄嗟に盾になって庇ったのだが、アリエルには聖剣の加護があるため何もしなくても当たらなかっただろう。
「無事かアリエル! ケガしてないか!?」
「う、うん、ボクは大丈夫だよっ、それよりハイカワは大丈夫なのっっ!?」
「誠治も大丈夫だ、外れたみたいだからな」
「直撃軌道かと思いましたが、壁のあんな所に刺さってるところを見ると、聖剣の加護が発動したという事ですか……凄まじい力だ…っ!」
屋敷の悪念が強くなった事により、遂に危険な兵力が実体化したようだ。この屋敷城の残留思念を実体化させたのだろう、ここまで霊状態が悪ければどんなオカルト現象が発生してもおかしくはない。
どうやら大蜂屋 為助は浪人武士や不逞浪士の他に、忍者なども囲っていたようだ。
「あの忍者、厄介そうだな…馴染み深い客人だった筈の奴の手記にも忍者の事は書かれて無かった…。恐らくは諜報忍者じゃなく暗殺忍者か戦闘忍者だろうな…抜け忍か何かだろう」
「そうですね…為助は忍者の事は誰にも話さず、厄介な奴や盾突いた者を忍者を使って処分したりもしていたのでしょう…。表立って浪人武士にやらせるばかりでは危険でしょうから」
為助は器は歪んでしまったが、決して馬鹿ではなかった。頭の回る愚か者、そういう人物になっていたのだろうと予測できる。
「早く進もう! ここまで悪念が強いと影響を及ぼす力も強くなる! ダムに到達されたら危険だよ!」
「アリエル、まだ電子霊能力を持っていると決まった訳じゃないんだ。焦って動くべきじゃない」
灰川がそう宥めようとしたが、そこにサイトウが割って入った。
周囲の警戒を解かず、そのままサイトウが電子霊能力を悪念が有していると思う仮説根拠の話を始める。




