表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信に誰も来ないんだが?  作者: 常夏野 雨内


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

258/333

258話 会議の後に市乃が来た

 平日の昼過ぎ、灰川はシャイニングゲートの事務所の会議室に来ていた。いつ見ても大きな事務所だが、今日はそんな事務所に関する話があるとの事だった。


「つきましては、このような理由で事務所の移転を予定しております」


 今は会議中、渡辺社長が経営陣を集めて事務所移転の話をしてる。


 シャイニングゲートの本業事務所が入ってるビルはバブル時代に建てられたものだそうで、耐用年数が間近だったそうなのだ。


 一応は耐用年数が過ぎても使用はできるのだが、節税効果が薄くなってしまうため経済的に美味しい部分が無くなってしまう。


 顧問税理士などから事務所を移転した方が良いと強く勧められたそうで、ビルを経営する大手の不動産会社もビルは解体して別の施設を建築する計画があるらしい。


 元から現在の事務所は耐用年数が間近だった事もあり、その上で渡辺社長の伝手もあって相場よりかなり安く使えてたそうだ。それでも高額だったそうだが。


 つまり事務所移転は最初から経営計画の中に入ってたという事である。


 鉄筋コンクリートのビルは100年は持つと言われてるが、実際には経済的な耐用年数はもっと短い。その時間が来てしまったという事である。


 やがて会議が終わり、灰川は渡辺社長に呼び出されて応接室というか商談ルームに連れて行かれて話をされた。


「なんか急な話でしたね、初耳でしたよ」


「すいません灰川さん、話すのを忘れてました。ですが即座に移転という訳ではないですから」


 最近のシャイニングゲートは忙しくて連絡が取りづらいという状況が続いてる、外部の人間である灰川には更に連絡が遅れる事が多い状況だ。


「移転先の候補は見つかってるんですよね? どこに移すんですか?」


「それなんだけど灰川さん、実は最近は色々と業務の方針転換があったから、どうしようか迷っててね」


 移転計画自体は灰川と会う前からあったらしく、移転先の候補も上がっていた。しかし商業的な理由でハッピーリレーと提携したり、灰川の伝手なども大きく使えるようになって以前とは状況が変わってしまった。


「今はハッピーリレーさんを含めて協議中でね、方針がある程度決まったら灰川さんにも相談に乗ってもらいたいんだ」


「分かりました、それまでは普通に業務をやって行きますよ」


 灰川は経営面の口出しなど出来ない、そんな事は分からないし自分の手に負える範疇じゃない話だ。


 ともかく事務所移転は何かが無い限りは決定事項らしく、そこら辺は渡辺社長や経営陣が決めるべき問題だと灰川は思う。


「移転場所の候補の洗い出しについてはアレだけど、灰川さんには株主への牽制の方をお願いしたいと思ってるんだ」


「株主? どうすれば良いんですか?」


「常識的なとこだとまずは挨拶とか、今後もお願いしますとかの頼みが初手で、シャイゲと関わる事によって得られるメリットなんかの話とかね。そこは四楓院さんとかとも相談して欲しい」


 上場企業で大きな事業所を構える会社の事務所移転などは大きな出来事であり、株価などにも大きく影響する。


 現在のシャイニングゲートの株価は3000円前後で推移しており、国内と世界に特に大きな株価変動をもたらす出来事なども無いため安定はしてる状況だ。


 それに対して発行してる総株数は3500万株、筆頭株主はシャイニングゲートの渡辺社長から経営陣と社員で、今は敵対的買収を防げるようにしてある。


 ちなみに大企業ともなれば発行株式数は1億単位とか10億単位になるため、経済規模は全く別次元だ。


 しかも大企業だと何億と発行してる株式が、1株当たりの株価が1万円越えも割とあるし、それが最低100株単位で取引されるから凄い事である。


 シャイニングゲートの大口株主としてはジャパンドリンク、OBTテレビがシャイニングゲート株を購入しており、これらの大企業が株を所有する事によって株価の安定も図れてる。


 この株価安定は大企業が株を大口で保有する事によって個人投資家に信頼感を与えてるという事であり、これは『仕事の安定供給がなされてる』『会社による株の売り逃げは無い』という安心感に繋がるものだ。


 四楓院家もシャイニングゲートの株を大口で保有しており、経済の深い所まで知る投資家たちからの信頼も厚い銘柄となってる。


 これらが意味する所は会社は強く安定してるという事であり、その安定は国内経済が導き出した会社の評価という事なのだ。


「会社としてはこの安定を崩す訳にはいかない、だから灰川さん、これからも一層に四楓院グループとの窓口を広げて欲しいんだ」


「なるほど、そのためにもシャイゲとハピレの存在が向こうにも利益になるって所を示すんですね」


「そうさ、利益を生むのは大前提。利益を生むためには金も掛かるし情報も大事、それらを引っ張れる環境を守る事も大きな仕事なんだ。灰川さんにはその中核をしてもらってるよ」


 会社というのは大きな動きを取れる集団機構だが、維持にも発展にも金が掛かる機構である。


 幾ら稼いでても資本や融資が無ければ立ち行かない時も出て来るだろうし、金があるからと言って全てを自由に使える訳でもない。


 情報だって大切だ、むしろ最も大事と言って良い要素かも知れない。


 ○○の会社に○○の動きがあるから案件獲得によって利益と知名度上昇のチャンス、何処かで新技術が開発された、何処かが新たなプラットフォームや企画を考えてるから参入のチャンス、そういった情報は早ければ早いほど価値がある。


 シャイニングゲートは配信者の面白さだけで大きくなった会社ではない、様々な経営的な動きや事業判断によって大きくなった部分も大きい会社だ。


「株価の安定も大口株主の存在も灰川さんが居たから掴み取れたものだよ、これからも支えをお願いしていきたい」


「大袈裟ですって、俺なんか居なくても元から大きな会社だったじゃないですか」


「配信企業の中では大きかったけど、上場企業としては小さな括りだよ。そんな小さな所が株価の安定と超有名企業の大口株主を得られたのは凄く大きい事なんだ」


「そんなもんですかね…やっぱ俺には大袈裟だと思いますよ」


「所属者を活躍させてあげられる場を守って広げていくのは大変な事なんだ、灰川さんはその動きの大きな助けになってもらえてるよ」


 配信者が面白いエンターテイメントをファンに届ける、その水面下では、技術、資本、情報、宣伝、伝手、など様々なものが必要になって来る。


 個人でも稼げる人は配信や動画で稼げる時代だ、しかし会社や事務所という存在は『個人が稼げる金額や名声、知名度を最大限に押し上げる』という役目を担う。


 その稼ぎは全てが所属者に還元される訳ではない、短期的に見れば稼ぎは低くなる可能性も低くは無いだろう。


 しかし長期的に見た場合は所属者に『活動に集中できる環境』『高度な技術や良質なモデルでの活動』『会社の看板を使った話題性の提供』その他にも様々なメリットがある。


「そういや今日はロケコーナーの撮影でしたっけ、今の時間くらいにやってるんですか?」


「もう終了してる頃合いかな、学校を休ませる事になって申し訳ないと思ってるよ」


 今週から2社のVtuberがメインで出演する新番組が放映開始となったが、番組内のロケコーナーで使える映像がまだ無いため撮影しなければならない。


 ロケコーナーとは仮名称で、内容はVtuberが外で何かしらのロケをして面白おかしい映像を視聴者に提供するという感じのものである。


 本日は平日で学校は休みではないが、どうしても間に合わせなければならないため出演者には学校を休んでもらった。


 こういうことは芸能事務所が非常に多い渋谷区の学校では珍しくないらしく、芸能仕事のために休む高校生や中学生、小学生の存在は割と普通らしい。


「渋谷って不思議な街ですよね、小学生や中高生で芸能人とかモデルとかやって稼いでる子が普通に居るし、ここもそうだし」


「確かにそうだね、その割合は昔より高くなってるそうだよ。良い事か悪い事かまだ分からない面が大きいけどね」


「そういう身分を目指してtika tokaとかで活動してる子も多いし、宮上パークとかダンスとかの動画撮影してる子がいっぱいみたいっすね」


「渋谷と原宿はそういう子が凄く多いね、スカウトマンなんかもそういう子狙いで回ってる人も多いって聞くよ」


 スマホで撮影して動画サイトやSNSに即アップ、そこからバズって一躍有名人に!というシンデレラストーリーを目指す10代20代の者が男女問わず沢山居る街だ。


 芸能事務所だけじゃなくVtuber事務所も大小関わらず区内に多くなってきたし、今後は若い芸能人やモデル、Vtuberなどが更に集まる街になるだろう。そういう街にはインフルエンサー志望者も多く集まるものなのだ。


「そういやロケって何処でやってんですか? 急に決まったって話だから何やるか聞いてないんですよね」


「ロケはフォレストガーデン渋谷を使わせてもらってるよ、Vフェスの時の会場だね。メンバーはナツハとれもんとエリスさんだよ」


 Vフェスの思い出の振り返りトークをしながら会場になった所を回ったりするという形で、初回のロケなので伝手がしっかりある所での撮影にしたらしい。


 絵面としては少し地味だが、灰川がもらったカメラを使っての特殊な撮影になるので話題性は獲得できるだろう。


 灰川が国家超常対処局のサイトウからもらったカメラは、Vtuber撮影を下準備やスタジオ設備なしで可能という代物で、映像や画質的にも素晴らしく良い物が撮れる。


 現状では全てが順調に行ってる、話題性も獲得できてるし視聴者登録なども伸びてる。順当にいけば2社は利益を拡大させる事だろう。


「それじゃあ灰川さん、僕は仕事があるのでこれで」


「お疲れさまです渡辺社長、自分も戻りますんで」


 渡辺社長は次は家業の旅行会社の会議があるらしい、社長業の2足の草鞋を履いてる状態なのだから忙しいに決まってる。


 灰川もシャイニングゲートの事務所を後にして自分の事務所に戻る事にしたのだった。




「灰川さーん、どっか遊びに行こーよー?」


「市乃? ロケ終わったんだな」


 灰川が事務所に戻って来てから少しして市乃がやって来た、どうやらロケ仕事が終わり、ハッピーリレー事務所で打ち合わせもした後らしい。


「今日は学校休んで仕事してんだろ? そんなんやってたら補導されちまうぞ」


「もう学校も終わるくらいの時間だしさー、別に大丈夫だって」


 そんな事を言う市乃の表情はどこか浮かない感じがする、体調が悪い訳では無さそうだが少し気になった。


「ロケで何かあったのか?」


 上手い事いかなかったとか、ナツハとれもんと揉めたのかと思ったが、どうやら違うらしい。


「ナツハ先輩とれもん先輩と私って実力が違うなーって思い知らされちゃってさー…」


「実力? そんなの簡単に判断できないだろって、主観的なもんだろうしよ」


「そうなんだけどさ、やっぱ400万登録超えと300万超えには敵わないなって思っちゃったんだよね…」


 市乃が言うにはロケ先のフォレストガーデン渋谷で、空羽と来苑は最初にスタッフに挨拶をしたらしい。市乃も同じように挨拶したのだが、その時点で2人との力量差が見えたのだそうだ。


「空羽先輩がスタッフさんに挨拶した時にさ、少し会話をしてたんだよね」


 仕事内容の会話だったそうだが、空羽は少しの会話でスタッフ達が、私たちにどのように動いて欲しいか、どんな感じの画を求めてるかなどを把握したらしい。


 その会話を市乃は傍から聞いてたそうだが、そんなに多くの内容は話しておらず、空羽が『スタッフ達は何を望んでるか』を少ない会話で導き出したと感じたらしい。実際にその見識は当たってたのだろう。


「来苑先輩はさ、少し下見して台本確認してから…これだとエリスちゃんの目立ちが少ない映像になりそうだから、少しアドリブ要素を強めようって意見してたんだよねー…」


 事前に渡された台本だけでは分からなかった所をロケの下見で理解し、その上でエリスを自分たちと同格に目立たせなければ勘の良いファンに嫌がられるかもしれないと来苑は感じた。そして何より、エリスを格下みたいに見るのは納得できないと思ったのだ。


 new Age stardomにはシャイニングゲートと、そこに関連する資本が多く入っており、脚本家や演出家としてはシャイニングゲートを前面に置いた造りにするのは仕方なかっただろう。


 それらは勘の良い人にしか分からない程度の台本優遇であり、番組視聴者には分からない程度のものだった。


 資本や力関係に対する筋を通さなければ白い目で見られるのはハッピーリレーであり、その事をディレクターは出演者である3人に説明したそうだ。

 

 だが空羽と来苑は『その部分は別の所で整合性を取る』と話を付けて会社にも確認を取り、その場での台本の変更になったらしい。


 今回のロケは番組の肝煎り企画、その初回に僅かでも変な空気をファンに悟られたら危ない。そう判断してシャイゲとハピレは2人の意見を汲む事にした。


「先輩たち凄かったよ、急に変わった段取りも完全に対応してたし、アドリブトークも凄い良かった。私は付いて合わせるだけで精いっぱいだったよー…」


 空羽と来苑はバイタリティーが非常に高く、空羽の理解力や総合判断力と思考力、来苑の勘の良さや想像力などに驚かされたと語る。


 軽いリハーサルをしてから撮影本番になった訳だが、そこでも格の違いを感じたそうだ。


 撮影的に部分での笑うタイミング、相槌のタイミング、喋り出すタイミング、それらが2人は凄く良い上に自然にやれてる。声も綺麗で元気が良く、聞いてるだけで元気になりそうな気がする程だ。


 ここの所の市乃はシャイニングゲート所属者とテレビ撮影で一緒に仕事をするようになって、2社の間にはかなり大きい技量の差があると感じていた。それが今回のロケでも強く感じたらしい。


「シャイゲってハピレより厳しいからなぁ、シャイゲの全部がハピレに勝ってるとは言わんけど、総合的に見たらやっぱってトコはあるよな」


「やっぱそーだよね、トークの仕方も台本を活かして上手くキャラを出してるって感じだったし」


 空羽と来苑は活動における思考力や勘が非常に良く働くタイプであり、今回もその性質を遺憾なく発揮したようだ。


 空羽は爆発力と安定感を両立して備えた万能タイプ、来苑は安定感は少し欠けるが爆発力が高い爆発タイプ、どちらも良い物を持ってる逸材だ。


 もちろんビジネス上の会社間の関係などもあるから完全に自由にはいかないが、それを踏まえても与えられた環境で最高の成果を出せる才覚も凄いものがある。


「そんな打ちひしがれるなよ市乃、空羽や来苑だって改善点はあるって自分で言ってたぜ、三ツ橋エリスだって負けてないっての」


「ありがとー灰川さん、でもやっぱ違いを見せつけられちゃった気持ちだよー、私も先輩たちみたいになりたいー!」


 前に空羽は自分には全体的にスタミナが足りないみたいな事を言ってたし、来苑は調子の良い時と悪い時で波が強いと言ってた。彼女たちだって完全無欠ではないのだ。


 そもそもハッピーリレーとシャイニングゲートだと結構な違いがある事を灰川は知っており、一概に優劣など付けられないと思ってる。


 シャイニングゲートはアカデミーまで持つほどに配信業や動画業に本気で取り組んでおり、ブランドの大きさもあって正規Vtuberに求められるものが多い。


 ハッピーリレーは自由な環境で、所属者にも配信や活動に強く口を出す事は無い。所属者には講習などはあるが、ほとんどの者は我流や独学同然での活動である。


 配信や活動におけるメンタリティーやトークの引き出し、視野の広さは必然的にシャイニングゲートの所属者の方が高い。シャイニングゲートのアカデミー生ですら、大半のハッピーリレー所属者より配信における力は上だろう。


 しかしそれ故にシャイニングゲートは似たような配信をする者が多く、その問題は今も強くは解決してない状況なのだ。


「私も先輩たちみたいなバイタリティーが欲しいなー…、どうやったら手に入るのかなー…」


 ハッピーリレーはバラエティに富んだ所属者たちが魅力で、シャイニングゲートは高レベルで整った面白さが魅力、どちらも良い所はある。


 しかし現状ではシャイニングゲートの方が知名度や人気、所属者の配信業のレベルなどの総合的な面で何歩も先を行ってる状態だ。


 最近の市乃はシャイニングゲートが自分たちの先を行ってる理由を見せつけられ続けていた、追い付くには足りない物が多過ぎる現状に心を打ちひしがれてしまってる。


 最も差を付けられてるのはバイタリティーだと見ており、活動や配信におけるトークの引き出しや、面白い空気を最高の部分まで持って行く力に圧倒的な差があると感じてる。


 自分も活動や視聴者の幅を広くするような見識や視野が欲しい、今より良い配信が出来るようになりたい。空羽と来苑の仕事の時の姿を見て市乃は改めてそう思ったのだ。



「バイタリティーが欲しいのか、だったら買いに行くか?」


「バイタリティーって売ってるの!?」


「前にバイタリティー屋さんを見つけてよ、良かったら今から行ってみるか?」


「なにそれ!? ゼッタイ行く!」



 バイタリティーとは活動力などを指す言葉であり、その意味は現代では広い意味を持つ言葉になってる。


 元気溢れる人をバイタリティーあると言ったり、仕事熱心な人とか粘り強い人をバイタリティーが高いとか言ったりする事もあるようだ。


 他にも様々な活動で良い成果を出せる人とか、良い成果を出すために必要なものを幾つも持ってる人なんかもバイタリティーが良いとか言われるらしい。なんだか言葉の意味がフワフワしてる。


 そんな精神的な物を売ってる店なんかあるのかと思うが、灰川は配信は下手だが変な店を見つけるのは何か上手い所がある奴だ。


 今日は前園も非番だし藤枝もシフトが入ってない、仕事も片付いてるから出掛けても問題ない日だ。今日は上がりにしようと思ってた所である。


 市乃はさっきまで自分は空羽や来苑に及ばないと思ってヘコんでいたが、灰川から変な店の情報を聞いて興味を持ち、心がそっちに向いてヘコみが治った。


 ショックを受けても立ち直りが早いのが市乃の長所、彼女だってメンタルもバイタリティーも高いのだ。


「灰川さんと2人で出掛けるのって、ちょっと久々だねー?」


「おいおい、夏休みの時に一緒に流信和尚の寺に行ったじゃねぇか」


「JKにとっては1週間前だったとしても久々なんだよー、灰川さんも高校の時ってそうだったでしょ?」


「どうだったかな、まあ良いや、行くとするか」


 こうして灰川は市乃と一緒に少し前に見つけた店に向かうのだった。


 市乃は灰川を異性として好意を持ってるが、それと同時に一緒に居ると楽しいという感情も大事にしてる。こうやって出掛けるのも前と同じように出来るくらいには仲と相性が良いのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ