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配信に誰も来ないんだが?  作者: 常夏野 雨内


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239話 ロリロリマジカル・ツインリトル!

 台本だ脚本だと一口に言っても色んな物がある。


 恋愛ストーリーの脚本、冒険劇の台本、悲劇舞台、喜劇、映画、数え上げたらキリがない。そして脚本や台本にだって傑作や駄作、凡作など質も様々、中には奇作や怪作なんて物もある。


 そんな星の数ほどもある台本の中から佳那美とアリエルが選んだものは、『ロリロリマジカル・ツインリトル』という魔法少女劇だった。


 物語は、人語を喋る妖精から変身アイテムであるローリ・ペンダントを2人の女の子が受け取り、征服を目論む異世界の軍団と秘密裏に世のため人のため戦う事になるという王道モノである。


 ここまでなら普通の魔法少女アニメという感じだが、作者が作者なため変な部分がある。それは物語が主に『ロリ』というものに主眼を置いて作られてる事であり、その世界のロリとは愛とか希望といった意味を指す言葉であるという事だ。


 よってロリコンという言葉もこちらの世界とは意味が違い、主人公たちの世界では『ロリコン=愛と希望の心を持った人』という意味になってる。佳那美とアリエルは物語台本における認識を間違っておらず、ロリ=愛と希望というように認識した。


 敵組織は人間からロリ(愛や希望)の心を奪って、そのエネルギーでモンスターを作って暴れさせる。


 それを止めてロリの心を奪われた人を、ロリ(愛と希望の心)コン(を持った人)に戻してあげたり、ロリコンになりたい人が立派なロリコンになれるよう魔法の力で手伝ってあげたりという物語だ。

 

 これは『言葉の意味が違いますギャグ』みたいな感じで、決して変な意味の言葉ではないのだ。しかし言葉の響きは完全にソレである。


「お芝居始めますっ、名前はロリロリマジカル・ツインリトルですっ」


「ロリというのは愛や希望という意味の言葉で、お話が盛り上がってる部分を、ボクとカナミがお芝居したいと思いますっ」


 「「!!?」」


 サラっと2人で内容を説明してお芝居が始まってしまう、誰も止める事は出来なかった。もし止めるとしても何と説明すれば良い?


 言葉の意味を聞かれたら誰が何と説明すれば良いのか、そんな事に頭を回してる間に佳那美とアリエルのお芝居が進む。


 まずは主人公2人の変身の決めポーズと決めセリフの実演で、台本には丁寧に動きなどのコンテが載っており、声の出し方などは佳那美とアリエルが直感的に思った最適な感じで喋る。

 

 この台本は少し特殊な形で、主演の2人の女の子の名前や一人称は役者名や本人の独自一人称をそのまま適用するという形になっており、変身後の魔法少女名はマジリトル・○○という感じで役者名を空欄に入れてセリフを言うという感じだ。


 佳那美とアリエルはしっかりと台本を読んだ上で、ロリという言葉は愛と希望という意味と勘違いしたまま変身シーンの演技に入った。


 2人はしっかりと可愛いポーズを決めながら、満面の笑顔で。



「あなたの心をロリロリにしてあげちゃうねっ♪ マジリトル・カナミだよっ」


「ボクが君をロリコンにしてあげるっ♪ マジリトル・アリエルっ」


「ちょっと待てー! ストップ!ストップ~!」

 

 

 これはヤバい、色々とヤバイと判断して灰川が止めた。会議室に居る者達は2人の演技力の高さによって、変身して衣装が変わった2人の姿を幻視していた。なんかアニメの『魔法のメロディ少女・プリコーダーズ』の衣装に凄い似た姿を見たのは偶然だろうか。


 2人がセリフを喋った瞬間に衣装が変わったように見えた。キラキラした可愛い衣装を一同は幻視してしまうレベルの表現力の高さが2人にはある。


 灰川が2人を止めて急いで台本を確認すると、色々とマズいセリフが書かれてる。


 

※頑なにロリ(愛と希望の心)コン(を持った人)になる事を拒むジャアクモンスターと戦ってる時のセリフ


『もう諦めてロリコンになって! そうじゃなきゃ……お姉さんのことを無理やりロリコンにしなきゃいけなくなっちゃうよっ…!』


『カナミっ、ロリロリマジカル・ユニゾンメルトをしよう! あれを受けたらきっと喜んでロリコンになってくれるよっ!』


(注・お姉さんをロリコンにするのは決定事項、本人が嫌だと言っても止める事は無いという表現を声でお願いします)



※邪悪な心を捨ててロリコン(愛希望心持人)になりたいと願うお姉さんへのセリフ


『大丈夫だよっ、ボクが必ず君をロリコンにしてあげるっ! もう二度と元に戻れなくなっちゃうように、念入りにロリコンにしてあげるからっ』


『じゃあロリロリマジカル・スパイクサージが良いよねっ、そしたら絶対にロリコンになっちゃうもんっ。アリエルの得意なロリ魔法だよ♪』


(注・ロリ魔法の使用時は8話と違って念入りに魂の底にまで染み込むようお願いします)



 これらのセリフは2人は口にしなかったが、もし演技してたら無邪気な満面の笑顔で言ってただろう。


 台本は近年の時勢を反映してかキャラクターが女性ばかりになってる、男に向かって言ったらヤバすぎると判断しての措置かもしれない。


 なんだか書いた人の癖が見え隠れする脚本で、それだけに無駄に魂が籠ってる。この台本が可愛い女の子2人に実演された事を作者が知ったら、見れなかったことを泣いて悔しがるかもしれない。


 これはアウトだ、仮にロリがショタだったとしてもアウトだ。言葉の意味の取り方を変えるとか、解釈を変えるとかでも限界って物がある。


「なんだこの台本…? 無駄に質が良いけど…」


「かなり練られた脚本ね、アニメの台本でしょうか?」


「でも発想は面白いし話も悪くないっすね、言葉の意味が違うってのは応用が利きそうっす」


 変な台本は無駄に質が良く、それ故に佳那美とアリエルは手に取ってしまったのかも知れない。


 ロリって言葉が出まくる上に、それを喋るのは魔法少女役の女の子という、なんとも危険な台本だ。深夜アニメでギリセーフか否かという感じだろうか?


 灰川が止めて事なきを得たが、実は芝居を見てた面々は結構な割合で『ロリコンにされる!』という危機感を抱いたのは秘密だ。いかに言葉の意味は違っても、やっぱり意識してしまうのは言葉の魔力というやつだろう。


 佳那美とアリエルのたった一言の決めセリフで多数の者が性癖を捻じ曲げられる予感がしてしまい、可愛さで心が溶かされると同時に怖さも感じた者が多数であった。もし台本の作者が見てたら感動の余り気絶してたかもしれない。


「ハイカワっ、何でストップしたのっ!? ボクもっとお芝居したかったよっ」


「せっかく良いお話の台本見つけたのに~! 」


「ダメなもんはダメ! 良いから別の何かを~~……」


「スイマセン! 凄い子達を見つけました! 劇団ロズローから送られて来た映像です!」


 そんなやり取りをしてる時、会議室のドアが勢いよく開かれる。入って来たのは情報制作局だかのチーフで、何やら凄い逸材の映像を見たらしい。


 そのチーフはアニメ制作会社から送られて来たプリコーダーズのアニメ試写を見たら、エンディングで凄い良いダンスをしてる子達の映像があったと言う。


 なんとその映像は数日前に、佳那美とアリエルが渋谷のショッピングビルの特設シアターで踊ったダンス映像であった。


 それを見た面々は完全に『もう押し上げようや!』という意見で一致して、結果的にOBTテレビへの売り込みは大成功に終わったのだった。


 2人からは演技する時に抱きやすい緊張や気恥ずかしさというものが感じられなかった。それは凄い事であり、そういった精神面の部分なども高く評価されたのだ。


 灰川事務所には2人に無理のない範囲で必ず仕事を回すという事になり、最初からそこそこ良い出演料を出すからOBTテレビを贔屓になんて頼まれたりもしたのだった。


 最後に変なお芝居をやる所だったが、2人の才能は本物だと示す事が出来た。灰川の中では少しの『やっちまったな』という思いと共に、2人の良いアピールが出来た事に安堵してる。




「上手く行ったな、佳那美ちゃん、アリエル」


「うんっ! アーちゃん、灰川さんありがとうっ! えへへっ」


「お芝居楽しかったっ! 今度にさっきの台本のお芝居、ハイカワとカナミと一緒にやってみたいなっ、くふふっ」


 テレビ局の廊下を歩いてnew Age stardomの収録をしてるスタジオに向かう、すっかり時間が過ぎて時刻は16時を回ってる。


 予定では17時に収録が終了するから、1時間ほどは2人にエリス達の番組収録の見学をさせてあげられるだろう。


 スタジオに到着し、灰川たちは副調整室というDや各スタッフが映像調整などをしながら指示を出したりする部屋に入る。中には先にこっちへ戻って来ていた富川Pも入っていた。


「3カメさん、ここはエフェクト入れるから少し引いて。ドラグンガールズは立ち位置をアドリブで少し変えて、石田はマスタールームにデモ送っといてな」


「皆さん良い感じっすね広峰D、ランスルーの時は相当期待できそうって感じたっすけど、期待通りっすよ」


「カメアシは次から増やせないですかね、VEも増やした方が良いって言ってましたし」


 なんだか業界用語が飛び交って理解が及ばないが、佳那美とアリエルはしっかりとカメラ映像を見て撮影風景を自分に落とし込む。


 少ししてから副調整室に花田社長と渡辺社長が入って来て灰川を呼びだし、テレビ局スタッフの人が佳那美とアリエルをスタジオに連れて行って、直に撮影風景を見させるという事になる。


 予定では灰川は佳那美とアリエルの紹介は上手く行ったのかとかを話したりして、社長達とは諸々の仕事の話をする事になる。


 


 スタジオ近くの備品置き場に連れられて行き、灰川はそこで驚くものを目にした。凄い量の番組開始の祝いの品が届いてたのだ。


 花束、ギフトの箱とかが所狭しと机や椅子に盛りだくさん、畳4枚分くらいの面積の贈答品が送られてきてる。


「な、なんですかコレ!? 祝い品がいっぱいじゃないですか!」


「そうなんだ灰川君、どうやら予想以上に番組の事は知れ渡ってるらしい」


「四楓院会長の手引きが大きいと思いますが、これからに期待が持てる環境が整ってきた証拠です」


 ジャパンドリンクを初めとした各スポンサーはもちろん、シャイニングゲートと取引のある東京TU銀行、パソコンメーカー、中には財界人からの花なんて物もある


 贈り物の数は期待の数と応援の数、そして時には『成功したら一枚噛ませてくれ』みたいな合図も含まれる事がある。最初期に贈り物をしてくれた人を無下には出来ないというのが人情だ。


 贈答品には花などが多いが、その他にも有名菓子店の詰め合わせセット、酒類、高級デパートのギフトセットなど、豪華な物が送られてる。


 贈り物の中には2社と灰川との関係性を示すかのように、四楓院本家からも一際大きな箱で何かが送られてきていた。四楓院には後で灰川がお礼を言っておかなければならないだろう。


 スタートラインに立った時点としては最高の位置づけだと感じる、それだけ四楓院グループという大きな資本がバックに付いてくれたのは大きな事なのだ。


「佳那美君とアリエル君の紹介も成功したようだな灰川君、これからドラマや番組の出演の声が掛かれば良いのだが」


「既に何人かのディレクターさんとプロデューサーさんから声が掛かりましたよ、忖度とか無しに是非とも出て欲しいって言われました」


「それは凄い! どうやら今の所は順調に大成功への道を行けてるね」


 ここまで様々な準備があったし、ここからも様々な事をしなくてはならない。仕事というのは一つが終われば次の仕事というように、終わりのない道だ。


 佳那美もアリエルも忖度なしに大きな評価を得られ、灰川としてはあそこまで高評価が得られるとは予想外だった。


「エリス達も凄く良い調子に乗れてるみたいですね、さっき副調整室で撮影風景を見ましたよ」


「司会のドラグンガールズの2人も良い感じに引き立ててくれててね、エリス君もミナミ君も凄くやりやすそうに撮影に臨んでるよ」


「想定してたより桔梗とコバコ、シャルゥとケンプスも良い波に乗れてるよ。これは完全に灰川さんのおかげだね」


 メイン枠であるナツハ、れもん、エリス、ミナミは一貫して良いペースを保ち、灰川が関わった4人はスポット出演だが大きな存在感を示せたそうだ。


 メイン出演者は3Dモデルを使って、サブは2Dなどのモニター出演という感じだ。一見すると短所に見えるそれらの形だが、それを良い方向に活かす編集法は局と2社で考えてるらしい。


 灰川は収録に関してはそこまで深く知らないが、かなり良い線を行けたのは予想できる。皆が目標を持ち、頑張って結果を出そうと奮戦してるのだ。


「ジャパンドリンクのテレビCMも準備万端だし、あとは実際にオンエアされてどんな反響があるか次第だと思ってるよ」


「ハッピーリレーも大きな転換期になるだろう、灰川君もVtuber所属者を増やす方面でも話は続けて行ってほしい」


「Vは元ライスペの滝織さんが決定と、俺の妹の元ぶりっつ・ばすたーの砂遊がほぼ確定です。愛純ちゃんは交渉中という感じですね」 


 滝織キオンこと朋絵は所属確定で、砂遊もほぼ確定で今は東京の中学校に転校手続きとかしてるらしい。


 事務員も来て欲しいと思っていたから朋絵にコンタクトを取ってもらって、元ライクスペース人事部の前園が入ってくれる。事務手伝いのアルバイトとして霊能力者仲間の藤枝 朱鷺美も来てくれる事になった。


 どんどん話は進んでおり、まだやる事は多いとはいえ良い風が吹いてるという状況だ。このまま行けば2社と灰川事務所の目指す、『生き残りと躍進の道』をしっかりと進めるだろう。


「今は上手く行ってるが油断は禁物だ、一瞬だけ話題になってすぐに消えた芸能人や番組の例なんて沢山あるのだからな」


「そうですね花田社長、僕もテレビとネットの両方に話題を作り続けられるよう尽力しますよ」


 テレビ進出も灰川の事務所の芸能事務所化も、目的は名を上げて収益の導線を増大させて稼ぎを良くし、何かあった時でも業界で生き残って所属者や職員の生活を守る事にある。


 花田社長も渡辺社長も配信とかエンターテインメントが好きで、その世界で企業として上を目指して会社の存在感を強くしたいのだ。


 会社が強くなれば職員が守れるし、会社運営費用に対する収入効果が上がればスタッフを増やして1人当たりの仕事負担も減らせる。


 社長達は自社をブラック企業にするつもりは無いし、それをやったら灰川も所属者も離れて行くだろう。ブラック化は花田社長が過去にやらかした事もあり、特に気を付けてる。


「後は配信業務をいつものようにやってもらったり、各種のレッスンなんかも必要な所属者には継続していくという感じだな。佳那美君とアリエル君も同様にしていこう」


「灰川さん、ビジネスの事で相談したい事があったら迷わず言ってくれて良いからね。僕が教えられる事だったら何でも教えるから」


「はい、お願いします。俺の方も、もしかしたらオカルト関連の依頼件数とかが増えるかもしれません。その時は場合によってはそっちを優先します」


 灰川も様々な出会いを通してオカルト依頼が増える可能性があり、重大さなどによっては霊能依頼を優先するだろう。


 しかしオカルト関連でも心強い仲間が居るし、軽い物だったら藤枝にコミュニケーション能力の慣らしの意味合いも込めて任せられる。その時は特別手当を出すという事で本人にも納得してもらった。


 重大なオカルト異常の依頼が来た時は、藤枝に加えてアリエルも居るし、国家超常対処局や流心和尚も頼りに出来るだろう。


 芸能関連もオカルト関連も人脈は大きく広がった、後ろ盾も大きく安心できる。憂慮すべき事は順当に人気を得られるかどうかであり、ネット配信とは違う媒体への進出は成功するかどうかはまだ分からない。


 しかしナツハやエリスといった優れた才覚が揃ってるし、彼女たち以外にも優秀なエンターテイナーが今も努力して上に行こうとしてくれてる。


 何も不安が無い訳じゃないが、打てる手は打って来た。後は結果を待ちながら次の準備を進めていく、それが一番だろう。




 やがてテレビ収録は終わり、6時頃に車に乗って直でそれぞれに帰宅という形になる。


 別の車に乗るエリスやミナミ達と会話して労いの声を掛けたり、ナツハとれもんにシャイゲの桔梗たち4人に良い話があったとか語る。 


 ツバサにも今度に皆で予定を合わせて、前に約束したプチ旅行に行けるよう計らうなんて話をした。


 灰川は朝に乗ってきた車を運転して、桔梗、コバコ、シャルゥ、ケンプスを渋谷まで送る途中に話が弾む。行きの時とは打って変わった明るい雰囲気だ。


「よーし! オータムアート芸術コンテストは絶対に良い成績残すぞー! 最低でも入選だぁー!」


「うるさいわよ華符花! でも私も頑張らなきゃ…! ピアノは準プロじゃOBTホールには門前にも立てないの分かったしね…!」


「桔梗さん、どんな感じのCMの仕事くんのかなっ!? くぅ~、待ちきれないぜ!」


「カツラと育毛剤のCMだったらお父さんが喜ぶかも」


「玩具会社のCMでそんなの来ねぇって! あははっ!」


 そんなやり取りをしながら今日の4人の成果を満足気に話し合っていた。


 桔梗とコバコのCM出演は、後はシャイニングゲートに投げる形で話が付くだろう。CM仕事をくれる企業は玩具会社という事だが、それ以上の事はまだ未定である。


 シャルゥとケンプスのそれぞれの目標、ケンプスの世界最高レベルの音楽ホールでの演奏、シャルゥの東京国際文化芸術祭に高校生にして出展して入選する、という目標に近付けたことを嬉しがる。


 それぞれ大事な仕事や目標であり、彼女たちのこれからを左右するレベルの事かもしれない。


「シャルゥさんとケンプスさんは、ネット以外の活動をしてるっていうのが良いよなぁ。最近ってネット活動が全てみたいに思ってる人って多いからさ」


「えっ? 灰川さんが褒めてくれたよ優子ちゃん!」


「騒がないの華符花。確かにそういう風潮ありますよね、ネットで有名になれるかどうかが全てみたいなって言うか」


 Vtuberにせよ何にせよ今の時代はネットが全てみたいに思う人は多いだろうし、そう思ってる自覚が無い状態で生きてる人も多いかもしれない。


 ネットではない所で自身の満足の行く結果を得たくて頑張ってるシャルゥとケンプスは、灰川にはなんだか凄く新鮮味のある出会いだった。


 実際にはスポーツに打ち込む人や芸術に打ち込む人なんて探せばいっぱい居るだろうが、ネットが主な戦場になる配信企業と関わるようになってから、そっち方面の出会いは少なくなってる。


 芸術方面での2人の成功や勝利を心の中で応援しつつ、灰川は首都高の道に車を走らせ渋谷に向かって行った。


「灰川さん、今日はありがとうございました。今後ともよろしくです」 


「じゃあ気を付けて、気を抜かずに無理せず行こうや」


 全員を自宅付近まで送ってから灰川はハッピーリレーに戻って機材などを下ろしてく。今夜も配信がある所属者が多いが、裏方は事務仕事に体力仕事に割と大変である。


 その後はアリエルと灰川事務所に戻り、今夜は仮眠室で寝て終わりとなるのだった。祝日明けの明日はそれぞれ学校やら仕事やらで普通に戻る、つまり普通の日が少し続くという感じだ。


 番組の初回放送は来週の月曜、そこまではやる事をしっかりやりつつ過ごして行こうと思うのだった。

ちょっと上手い具合に書けませんでした!

スランプなのか頭が疲れてるのか分かりませんが、まあ変わらず書いて行こうと思います。

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