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配信に誰も来ないんだが?  作者: 常夏野 雨内


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221話 予想外の驚愕の真実

 朋絵と愛純を灰川が勧誘してアリエルの才能を花田社長が見抜いた後、アリエルの当面の生活に必要な物を買いこんだ。


 社長たちにはアリエルは『家の事情で日本で一人暮らしする事になった子』という感じで話し、詳しい事情は家の事だから話せないという感じでボカした。


「歯ブラシとか布団、あとタオルとか服とかも取りあえずは買ったし大丈夫そうだな」


「ありがとうハイカワ、でもボクもお買い物に行きたかったな~」


「数日だけ生活できるよう近場で買っただけだからよ、それに事務所にさっそく色々と届いて整理しなきゃいけなかったし」


 アリエルは灰川事務所の隣の部屋で功と砂遊が手伝いながら住居の掃除をしてたのだ、今日は灰川は事務所に泊ってアリエルの面倒を見ておく事にする。


「じゃあお兄ちゃん、ホテルに行くからまたね~、アリエル君もまたねっ、」


「誠治、土曜も役所はやってるから行って来いよ、学校に入る手続きとかもやってやれよな」


「ありがとうございました、砂遊さん、功さんっ。にゃー子ちゃんたちも、ありがとうっ!」 


「気にするにゃ、にゃー子もまた来るにゃ」


「にゃ~、にゃ~」


 功と砂遊は取ってあるペット可のホテルに行き、灰川とアリエルが事務所に残される。


 もう夕方だから仕事も終わり、後は夕食などはどうするかという話になった。


「夕飯はどうすっかな、(ワン)さんの中華屋は今日は休みって書いてあったしなぁ」


「ハイカワ、さっき食べたパフェ美味しかったよっ、ボクまた食べたいなっ」


「パフェじゃ夕食にならんて、栄養とか考えて食べないとな。普段はどんなの食べてるんだ?」


「えっと、MID7の宿舎だとパンとかお魚とかお野菜とかだよ。アロナックの艦内だと少し脂っこいものだったっ、家だとボクが生まれる前から料理を作ってくれてるジェニファとママが~…」


 好き嫌いは無いらしいが変な物やインパクトが強い物は避けるべきだろう、寿司とかも人によっては外国人は抵抗感がありそうだ。


「じゃあファミレスにでも行くか、色んな物があるしな」


「ファミレスって何? 日本のリストランテ?」


「まあそんな感じだな、じゃあ行くか」


 渋谷には様々な飲食店があるが、とりあえずは無難な選択肢をしておく。


 近くにあるファミレスに行って食事をしたのだが、アリエルがお子様ランチを頼んで凄く気に入ったり、少し足りないからやっぱりパフェを食べたりして夕食の時間が過ぎる。


 その時もアリエルは他の客から凄く目を引いた、特に同年代の小学生くらいの子達は男子も女子も目を奪われてた。やはり凄く優れた容姿の子は、同性であろうと目を引くのだろう。


 食事中に「あの子、めっちゃカワイイ」「イケメン過ぎ!」「凄い男の子だな、あれ?男の子?」とか言われてたが、アリエルも灰川も料理の美味しさとかに気を取られて聞こえてなかったようだ。




 事務所に帰ってきて明日にする手続きとかの段取りをしてから、少しばかりアリエルと話をする事になった。


「明日は学校とか住所とかの手続きをするぞ、ジャックさんから書類とか渡されたから大丈夫だと思う」


「そうなんだね、ジャック隊長とパパとママに感謝しなくちゃ」


 灰川にはよく分からないが手続き委任とか、学校編入とかは簡単に済むよう書類を渡されたのだ。


 色々な所が手を回しており、アリエルが日本で生活できるよう図ってくれてる。保険証とかも発行できるようだし、午前中には全部の用事が済むとの事だ。


「そういやさっきスカウトされてたけど、俳優とか歌とかの仕事を受けるの? そりゃ家からは成果を上げろとか言われたの聞いたけどさ」


 秘密機関に属する者が俳優とかの目立つ事ってどうなんだ?と灰川は思う、Vtuberならヘマして身バレでもしない限りは大丈夫だとは思う。


 しかし昨今はVtuberも身バレしてる人が居たりするし、シャイニングゲートでも何人かは特定被害に遭遇してる。顔を晒さなくても油断は出来ない世の中だ。


「それは大丈夫だよ、ボクの親戚には役者さんをやってる人も居るし、顔を知られても問題ないって家も言ってるよ」


「マジ? いや、それだけ聖剣の秘匿性には自信があるって事かぁ」


「ちょっと残念だけど、今の時代は聖剣を持ってますなんて言っても誰も信じないしね」


 聖剣を持ってますとか、聖剣を持ってる人に助けられましたとか言っても『夢でも見たんだろ』で済まされる。


 事情を知ってる人は口が堅い人達ばかりだし、一般人には例え知られたって聖剣の担い手という正体の話は広まらない。


「でも……お仕事としてスカウトを受けるのは怖いなって思うんだ。まだジャパンの事あんまり知らないし、伯父さんや叔母さんのように役者さんのお仕事が上手くできるなんて思えないし…」 


 アリエルはどうやらスカウトを受ける気は無さそうだ、日本に来て日が浅い上に外出も強く制限されてた身だ。いきなり『役者仕事しよう!』なんて気には、年齢的にも状況的にもなれなくて当然である。


「そりゃそうだよな、まあ日本で成果を上げるなんてゆっくり考えれば良いさ、良い事なら何でもいいって話らしいんだから」


「うん…でも不安だよ…、今までこういう生活ってした事なかったし、どうすれば良いのか分からないんだ」


 アリエルの表情に不安の影が差す、自由な身になったがどうすれば良いか分からない。


 今までは剣の修行や聖剣の制御の修練、学校なども行きつつMID7の隊員として任務に当たってた。それがガラリと変わるのは精神的にも負担が掛かるだろう。


 灰川はそんな状況に立たされたことが無く、こういう時にどう声を掛ければ良いのか分からない。なので話を逸らす事にした。


「聖剣のパワー充填は明日以降だな、俺の部屋で少し霊能作業すれば出来るから」


「うん、ファースのこと、お願いします。ハイカワ」


「おう、任せときなって、ところでファースってどんな剣なの? よく分かんないんだけど」


「ファースはアーヴァス家に伝わる2つの聖剣の内の一つさっ、すごい剣なんだよ。くふふっ」


 アリエルは自慢げに語り始める、機密や家の秘伝の話などは話せないようだが、MID7に話してる内容は話してくれると言う。


 灰川はアリエルの中ではヴァンパイアとの戦いに駆り出されるくらい強く、模造聖剣のパワー充填が出来るほど霊能技術が高い物であり、十分過ぎるほど信頼できる人物となっていた。


 それに灰川が聞いて来ないなら自分から話すつもりだったし、何よりアリエルは灰川は頼れる人だと感じてるのだ。


「ファースは世界最初の剣の力を宿した聖剣で、悪魔でも超常存在でも凄く大きな効果がある剣なんだっ」


「世界最初の剣? それってマジ?」


「本当に世界最初の剣ってことじゃないよっ、力を宿したって意味なんだからねっ。あとこのファースは模造聖剣なんだ」


「模造ってのは前に聞いたな」


 ファースの本体は本国にあり、アリエルが所有してるのは力の一部を移した模造の聖剣だそうだ。刀身も鞘も白で美しく、飾りなどもあって非常に綺麗な剣である。


 それに(なら)ってかアリエルの服装も白く、ズボンは真っ白で上着は少し騎士っぽさを感じる上品な出で立ちである。外に着てっても不自然にならないけど、やはり少し目立つのは否めない。


 世界最初の剣とは言うが、実際にはどこの国の誰が人類最初の剣を作ったかなんて分からないそうで、あくまで『最初の剣の力が宿ってる』という事らしい。


 大きな聖なる力が宿ってるらしく、全ての剣の母という位置付けの聖剣らしい。加護の力も大きいらしいが、他の聖剣と比べて扱いが難しいらしく、その上で加護を戦いに向かない形で受けてしまったアリエルは苦労が絶えない。


「MID7では結構色んな仕事してたの? オカルト関係の機関なんだろ?」


「うん、ボクは超常現象の“魔女狩りの城”っていう事件を解決したよ」


 アリエルは剣術などは才能が無いが、聖剣の力自体は強いので怪現象の解決に当たれる。その中の一つの事例を話してくれた。




  魔女狩りの城


 アリエルは1年と少し前の7才の終わり頃にMID7に入局し、幾つかの怪異や超常現象の解決に当たってきた。


 魔女狩りの城はアリエルが仲間と共に討滅を任された任務の一つであり、危険性の高い怪異だったとのことだ。当時は8才だったそうだ。


 マンチェスター地域にある古い建造物に悪念が籠り、神父などを呼んでの祓いもしなかったため怪異化した。その建物があった場所では過去に魔女狩りで多数の人々が亡くなっており、鎮魂などをしないと危ないと目されてた。


 怪異の効果は霊能力を持った7才から18才くらいの女性を呼び寄せて閉じ込め、魔女狩りの時代にあった出来事を夢や幻覚などで見せて追体験させ、やがては命を奪うというものだ。


 そこに投入された戦力は重武装型霊能力者のジャック、非常に優秀な悪魔祓い師のグレッグ神父、聖剣ファースの担い手アリエルの3名。


 古く大きな屋敷に入ってジャックが素手や道具や武器などを使って、少女たちが閉じ込められてる部屋の扉を破壊して気を失ってる被害者たちを救出。


 グレッグ神父が襲い来る多数の悪霊や悪念を相手にして除霊していき、アリエルも聖剣を振るって浄化していったが不測の事態が発生する。


 怪異化の進行が思いのほか早く、屋敷の中の悪霊の親玉が出て来てしまったのだ。その悪霊はかつて魔女裁判で何人もの異端審問を行った人物の霊だったようで、既に自我は無くサイクル的に被害を撒き散らす存在に成り果てていた。


 ジャックの武器は被害者を多数保護してるから危険で使えない、グレッグ神父は聖水などを使い切ってしまった。ここで頼りになるのは加護を受け、どんな悪霊でも倒せる聖剣を持ったアリエルしか居なかった。


 相手は女の子達を殺そうとしてる危険な怪存在、放っておく訳にはいかない!ボクが成敗します!


「やぁぁーー!」


「ガァァーー!!」


 悪霊は聖剣の元に浄化され、一件落着したのだが……ファースの浄化の力を強くし過ぎたらしい。少女たちに纏わりついてた悪念も全て祓ってしまい、被害者が全員目を覚ましてしまった。


「あ…あの子っ…! かっ、カワイイっ…イケメン過ぎるっ…!」


「あんな可愛くて、将来絶対にイケメンになるって分かる子っ、見た事ないっ!」


「すっごい…! 食べちゃいたいくらいカワイイっ! お姉さんが色んな事教えてあげたいっ!」


 そこからは凄い勢いでアリエルに視線が集中し、霊能力を有した少女たち、現代の魔女の子達から絶大な可愛いという支持を受けた。しかし本人は祓いの後始末に追われて聞こえてなかった。


 その後は少女たちはカウンセリングを受けて、全ては集団催眠だったという事になったそうだ。ついでに被害者たちは夢の中で助けてくれた子が可愛すぎて、トラウマとか消えたらしい。


 しかし灰川の予想だと魔女の子達は全員、年下の男の子にしか興味を持てない性格にされたんじゃ…とか思ってしまう。それはそれで怖いなとか思うのであった。




「なるほどなぁ、やっぱアリエルって凄いんだなぁ。8才で現場に出るとか、それだけ信用されてるって事だなっ」


「褒めてくれてありがとうハイカワ、ボクはまだまだ未熟なのは自分でも分かってるけどね」


 活躍と人を助けた事を褒められ、アリエルは嬉しそうに屈託なく『くふふ~』と笑う。その笑顔はまだ一桁年齢なのに、将来は絶対に恋愛関係でヤバい体験するんだろうなと思ってしまうくらい破壊力のある笑顔だった。


「ところでその熊のぬいぐるみは何なんだ?」


「この子はフォーラっ、ボクが3才になった誕生日にパパとママからもらったんだ。フォーラとはずっと一緒なんだ、一緒じゃないと眠れないよ」


「大事な子なんだな、女の子っぽい趣味な感じがするけど、そういうのも人それぞれだもんな」

 

「学校のお友達には子供っぽいってバカにされたこともあったけど、ボクとフォーラはずっと一緒だよ。くふふっ」


 男の子なのに熊のぬいぐるみかと灰川は少し思うが、そういうのは人それぞれだ。


 それにフォーラを抱きしめるアリエルは笑顔でいっぱいだ、そこに茶々を入れるなんて出来っこない。


「さて、じゃあ風呂だけど、シャワールームの使い方は分かるよな? あと着替えとかは送られて来た荷物にもあるようだけど、一応は下着とかサイズが合いそうなの買っといたからな」


「ありがとうハイカワ、パジャマはあるけど下着はもう少し欲しかったから助かるよっ」


「あと歯ブラシとかタオルとか~~……」


「あれ? このおパンツってボクの知らない形だねっ? ジャパンはこういうのが普通なの?」


 灰川がアリエルに渡した下着は子供用のゆったりしたトランクスパンツと、伸縮性のあるボクサーパンツの股下が無いぴっちりしたタイプの下着だった。


 どういう下着が良いのか聞いてなかったし、どっちも買えば良いかと思って買ったのだが。


「え? トランクスとボクサーブリーフを知らない? アリエル君の国でも普通に使われてると思うんだけど」


「ボクはこういうの初めて見たよ、おパンツってフワフワしてあったかい物か、ズレたりしないようにガーターとかがあるタイプの物が普通って思ってたから」


 なにか話が噛み合わない、男の子なのにトランクスもボクサーパンツも知らない。でも金持ちそうだし、良い所の坊ちゃんって下着も普通の物じゃないのかとか思ってしまう。


「まあ、日本の男の子は大体はそういうパンツを履くかな、アリエル君の国の男の子がどういうの履くのか知らないけど、履き心地は悪くないと思うよ」


「えっ?? 男の子っ?」


「それと佳那美ちゃんって女の子がいるんだけど、アリエル君にも紹介しとかなきゃなって~~……」


 ここに来てアリエルの中に多数の疑問が浮かぶ、佳那美ちゃんという女の子は『ちゃん』という敬称で呼ばれてる。ではアリエル君の『君』とは何なんだろう?


 日本語は学んだし喋れてるけど、何か違和感がある。そこはしっかり聞いた方が良いような気がしていた。


「ねぇハイカワ、なんでカナミという女の子には“ちゃん”を付けて、ボクには“君”を付けて呼ぶの?」


「え? ああ、そうか、日本では女の子には“ちゃん”を付けて呼ぶけど、男の子には“君”を付けて呼ぶのが普通なんだ。ミスターとかミセスとか、そんな感じかね」


「えっ? えっっ?? 男の子??」


 大概の人は男の子には君付けで呼ぶ、その事をアリエルはよく知らなかったようだ。日本語を普通に話してるから、そういうのも知ってるとばかり灰川は考えてた。しかし重大な思い違いがある事に灰川は気付いてない。


「えっとっ…男の子は(くん)っていうことは…」


「あっ、あとランドセルとかも買わなきゃな、男の子は黒色が多いけど、今は色んなカラーがあるんだよな」


「えっ…? えっ??」


「学校指定の水着とかも買わなきゃいけねぇのか、男の子用のは普通に半裸タイプみたいだな。俺が小学生だった時と変わんねぇか」


「ええっ!? ちょ……待っ…!」 


 アリエルは兄と一緒に水練をした事があり、男の子の水着がどういう物かは知ってる。


 あれをボクが着て泳ぐの!?という気持ちになり、焦ってしまう。しかし灰川にはアリエルが何故に焦るのか分からない。


 ここで誰も予想すらしてなかった事が明かされることになる、それは灰川も社長達も『まさかそうだったとは!!』と驚かざるを得ない事だった。



「ハイカワっ! ボクは女の子だよぅっ! 男の子じゃないよっ!?」


「な、なんだってーー!?」



 まさかの事態だ、灰川はアリエルが女の子だとは思ってなかったのだ。


「ハイカワっ、今までボクが男の子だと思ってたのっ!?」


「え?えっ?? だって髪型がショートカットだし、ズボン履いてるし、女の子だなんて聞いてな…」


「ボクは男の子ですなんて言ってないよっ! だって女の子だもんっ! この服は剣を振っても大丈夫なように着てるんだから!」


 アリエルは聖剣使いとして剣を振るいやすい衣服を着用しており、それが元で男子っぽい服を着ることが多いらしい。


 今となってはスカートなどの女の子っぽい服は、着るのに気恥ずかしさがあるようだ。しかし心は普通に9才の女の子である。


 確かに男なんて本人もジャックも一言も言ってないし、2人称がボクだからといって男子児童である証明にはならないのだ。。


「うぇ~~ん!! ボク女の子だもん! ヒドイよハイカワ~! 男の子じゃないもぉ~ん!」


「ご、ゴメン!アリエル君! じゃなくてアリエルちゃん! ホントに悪かったって!」


「ふぇぇ~~ん! ボクもフォーラも女の子だもぉ~~ん!」


 アリエルは男の子と間違われてた事にショックを受けて泣いてしまうが、灰川の責任は薄い。


 現にアリエルは男の子にしか見えない服装をしてたのだし、髪型だって男の子っぽい感じなのだ。外国人の名前で性別の判断が付かなかったのも仕方ないだろう。


 聖剣とかも勇者が持ってそうだし、勇者は男というパターンが多い気がする。それもあって『アリエルは男の子』というバイアスが強く掛かってたのだ。


 9才ゆえに身長も135cmくらいで胸の膨らみも全く無いので、恰好や見た目でも女の子だと判断する材料が少なかった。


「な、何の騒ぎですか灰川先生!?」


「うわっ、三檜さん! 実は男の子だと思ってた子が女の子で~~……」


「それは灰川先生が悪いです! 今すぐ謝って!」


「もう謝ってますよ~! ごめんよソーリー!」


 騒ぎを感じたビルの3階の株式会社SSPの事務所から三檜が下りてきて、事情を聞いて『とにかく謝れ!』とアドバイスを受け、アリエルが泣き止むまで灰川は謝ったのだった。


 結局は男の子と間違えてた謝罪に意味を込めて、パフェを好きなだけ食べさせてあげるとかの約束をして事なきを得た。


 男の子だと思ってた子が実は女の子だった、まさかそんな経験をするとは思ってなかったが、実際に遭遇すると滅茶苦茶に焦るらしい。


 よく見るとアリエルは確かに女の子っぽさがある、短いとはいえ髪の毛はサラサラだし、歩き方なんかも少し女の子っぽい感じがする。


 ルックスは中性的かのように見えるが、やはり女の子っぽい感じがするなと思う非常に可愛らしい顔だ。雰囲気も手や顔の肌もプニプニしてるような感じがする、男の子ではなかった。


 兎にも角にも誰も予想だにしなかった驚愕の真実が分かり、花田社長にも連絡を入れる。

 

 やっぱり花田社長も驚いたが『むしろ都合が良い!売れる条件しかない!』と言っていた。花田社長もどこか常人離れした部分がある人だと灰川は感じる。


 ここからどうなるか分からないが、現状ではアリエルは芸能活動やVtuber活動というものに前向きではない。


 まずは生活に慣れる事から始めなければならないだろう。

 という訳でアリエルは女の子でした、男の子かもしれないと思ってた方が居ましたらスイマセン。

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― 新着の感想 ―
キャラ的に女の子じゃないかなって予測してたけど的中しちまった笑
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