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配信に誰も来ないんだが?  作者: 常夏野 雨内


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218話 アリエルの話を聞いてたら砂遊とかまで来た!

 灰川事務所を総合芸能事務所にしようとなった翌日は、灰川は仕事があったため普通に予定調整作業や企業相手の電話をした。


 しかし午後には来客の予定があり、少し待ってると事務所のインターホンが鳴ったのだった。


「こんにちわ、ハイカワ。今日はファースのことお願いするよっ」


「ハイカワさん、失礼するぞ」


 事務所に来たのは母国に帰れない呪いを受けてしまった聖剣の担い手のアリエルと、MID7の隊長格のジャックだった。


 ジャックは筋骨隆々な体を見せつけるかのように半袖シャツのアーミーファッション、アリエルは例の如く白い服で固めた現代ナイト風の男子ファッションだ。


 どちらも少し目立つが不自然という事は無く、アリエルの服も良い感じにファッショナブルで似合ってる。やっぱり容姿が良いと何を着ても似合うのかも知れない。


「聖剣のエネルギー充填は5000円だったな、それとアリエルに掛けられた呪いの祓いの費用も一回5000円、本当にこの金額で良いのか?」


「構わないっすよ、呪いのお祓いはすぐ済むんでやっちゃいます。本格的なエネルギー充填はここでは出来ないんで後回しになりますけどね」


「ハイカワ、呪いは本当にすぐには解けないの…? 早く帰りたいよ……」 


 ジャックはあの後に本国に連絡を取ったが、やはり祓える者が居ないらしく、聖剣のエネルギー充填が出来る者も本国には居ない。日本でも信用できる人材は、国外という事もあって探せないようだった。


 MID7は一応は日本にも支部のような物があるが有名無実の存在で。定期的に数日だけ日本に来て情報収集をする程度のものらしい。今は日本に居るMID7所属者はジャックとアリエルの2名だけだそうだ。


「矛盾の呪いは解くのが難しいからなぁ、俺だと数年掛かりになる。他の霊能者だと一生掛けても祓えるか怪しい人がほとんどだと思う」


「…そうなんだね…」


 アリエルに掛けられた呪いは長期間の準備と入念な調査、多数の人員を使って組まれて行われた特定個人用呪術、簡単に解ける代物ではない。


 聖剣の力や聖剣の家系の発言力を邪魔に思った誰かが掛けたのだろうが、そこは灰川には分からないし、本人達も特定は出来ないらしい。


 呪いを読んで誰が掛けたのかを辿るのも難しい、国外ともなれば詳しく感知など出来ないし、そもそも霊能トラッキング防止対策が練られててやっぱり分からないのだ。


 つまり犯人探しや速攻解決は不可能という事であり、時間をかけてやるしかない。


 アリエルだって両親に会いたいだろうと灰川は思うが、それはどうにも出来ない問題である。


「ジャックさん、なんでアリエル君を現場人員にしたんですか? 強い力や加護があるとはいえ、まだ子供じゃないですか」


「聖剣を持つ家系には色々と事情やしきたりが有るそうでな、アーヴァス家は聖剣の担い手の力が発動したら、その者は世のため人のために動かなくてはならん決まりがあるそうなんだ」


 それが例え何才であろうとも世に害する危険な存在を討滅しなければならない、そうする事によって世の水面下から家の力を保って来たし、それが聖剣を持つ者の使命なのだと古くからの決まりだそうだ。


 実はヨーロッパでは有力者などが聖剣の家と通じて、呪いを受けたりした時は優先的に解決をしたりしてるそうだ。故に家の権力や裏からの発言力も自動的に高くなり、大きな家として古くから君臨する形がある。


 しかも聖剣の担い手は能力や才覚が元から高い者が多く、それらのステータスは聖剣の加護も合わさって更に上がるらしい。容姿も学術も運動能力も非常に高くなるから、それもあって家が大きくなるとも言われてると語る。


 それらの才覚や能力を存分に発揮できるようになるよう、担い手として目覚めたら即座に霊能活動をするようになるらしい。


「MID7の戦力は大丈夫なんですか? 俺が心配するような事は無いと思いますが」


「うぅ……それは……」


 灰川が超常存在に対する戦力低下の心配をすると、何故かアリエルが居たたまれなさそうにする。その理由はジャックが話してくれた。


「戦力に関しては問題ない、アーヴァス家の聖剣の担い手は他にも居てな、18になるアリエルの兄もMID7の所属だ」


「ええっ! そうなんですか、でも聖剣なんて凄そうな物、使える人材が一人抜けたら大打撃なんじゃ」


「それも問題ない……実はアリエルは剣の使い方が全くなってないんだ。何の要因か分からんが、聖剣の加護が剣術にはまるで作用しない体質らしい」


「えっ?? それって……」


 聖剣は担い手に様々な加護をもたらす。容姿、頭脳、運動能力、剣術技能向上、運気向上、霊力向上、その他といった感じだ。


 その中でも特に霊力向上と剣術技能向上は全体の向上キャパシティーの7割にも相当するらしい。


「アリエルはそれらのステイタス向上加護の恩恵が非常に偏ってしまってる担い手でな……他の聖剣使いに比べて霊力向上は4分の1、剣術技能向上は0という数値になってると判定された子なんだ…」


「……ぐすっ…、我ながら情けないですっ…」


 しかし霊力向上や剣術技能向上に当てられる筈だったステータスバフは消えたわけではなく、他の部分に当てられてる。


「まあそこは良いさ、とにかくアリエルはまだMID7の人員としても一人の人間としても未熟だ、大きな戦力低下にはならない。将来的な事を考えれば痛すぎるくらいだがな……」


「もうちょっと大きくなったらっ…ボクも他の担い手と同じようになるもんっ…! こんなの今だけだよっ…!」


 アリエルは自分に言い聞かせるように『こんなの今だけだ!』と言うが、それが本当に今だけなのかどうなのかは灰川には分からない。


 だが能力向上が(いびつ)とはいえ聖剣の力には変わりはなく、超常存在に対しては剣で斬れば最高レベルの効果を発揮する事は変わらないらしい。


 アリエルは剣術向上の加護がないため、一人で聖剣を超常存在に斬り当てる事が難しい。様々な技術が無ければ剣を活かす事など出来ないのだ。


「とにかく当面はアリエルは日本で暮らす事になる、そこで相談なんだが……ハイカワさん、アリエルの面倒を少し見てやってくれないか?」


「え?」


「実は俺は、可能な限り早く本国へ帰還しろという命令が下されてる…アリエルの生活すべての面倒とは言わない、しかし色々な事を教えてやってもらいたいんだ」 


 ジャックは更に説明を続ける、アリエルはどうにか手回しして日本国籍を取得したが、日本での生活には慣れてないどころか育ち故に一般常識にも疎い。


 アリエルは生活能力が低いがアーヴァス家は非常に厳しい家らしく、聖剣の担い手はどんな事態でも自分の力で道を切り開けという教えがあるそうだ。


 日本での生活に必要な金銭などは送るし、居住できる環境も整える、日本の学校などにも通えるようにも手を尽くす。


 だが異国の地で自分を磨き、生活力を付け、たとえ一人でも生きていける力を養えという家からの命令が出されたそうだ。


「この事はアリエルも聞いて納得してる、聖剣の担い手は何才であろうと甘えは許されないというのは絶対だと、親類会議でも決まったらしい」


 その決定にMID7は『流石にやり過ぎだ!』とアーヴァス家に抗議したが、家の事情に他人がとやかく言うなと突っ返された。


 アーヴァス家はこれまでも聖剣の担い手に厳しい環境を与える事で能力を伸ばし、超常存在へ向かう強さを育てて来た。今回もそうするだけだとの事だ。


「おいおい…アリエル君はそれで良いのかよ…? 他国で一人で生きろなんてよ…」


 まだ9才の子なのに余りに酷だ、もはや虐待と言って良いような話である。


「兄さんはボクの年の頃には聖剣の力に目覚めてなかったのに、世界を旅しました……確かにボクだけ何の試練もナシなのは変だったのかも知れません…」


 アリエルの兄は9才の頃には聖剣に選ばれはしてたが、力には目覚めてなかったらしい。しかし修練として2年を掛けて世界を回り、聖剣なしで祓いや剣術の修練をして旅したそうなのだ。


 それに比べたらまだ楽な方であり、平和な日本で生活力を身に付けるというのはまだ甘い方なのだと語る。それは同時に『お前は子供としては愛してるし大事だけど、聖剣の担い手としては期待してない』と言われてるのと同じである。


 父も母も愛してくれてるし、アリエルも両親を敬愛してるが、担い手として超常存在に当たれるかどうかは別の話という事だ。


「パパとママが乗り越えろって言うなら…ボクだってやらなきゃっ…! そうしなきゃ認めてもらえないんだっ…! ぐすっ…」


 アリエルは帰りたいと思うと同時に、試練を乗り越えなければならないとも考えてる。祖国であるイギリスに居る父と母の顔に泥を塗る訳にはいかない。


 家の方針としても従うしかなく、聖剣の担い手としての責任感もあるし、そもそも母国に帰れないのだからどの道に似たような状況にはなってしまうのだ。


 両親は責任ある立場の人で重要な仕事もあり、アリエルを心配してるが、日本でしっかりやれるとも信じてるそうだ。


「それとアリエルは家から追加試練も言い渡されていてな、本国に帰れるようになるまでに何かを成し遂げろと言われてる」 


「良い事なら何でも良いって言われてるんだ……具体的な事が分からないけど、それをどんな形で受け取るかもボク次第だって言われたんだ」


「おいおい…何ともいい加減な気がするけど、そういう家って事なのか」 


 生きていれば明確な指標や目的など設定されてない事に行き当たるなど普通にある、そういう場合に『お前ならどうするか?』『どんな目標を立てて達成するのか?』を問われてるのだ。


 小学4年生の子供に与える試練には厳しい気がするが、聖剣の担い手ならば何らかの最高の成果を上げて当然という目で見られてる。それほどまでに聖剣の加護は強い物らしい。


 MID7は国家超常対処局にも『なんとかならないか?』とコンタクトを取ったそうだが、国超局が聖剣の担い手を囲ったとなると裏問題になりかねないらしく、緊急時以外は対応できないと言われたらしい。


 本国としてもこれ以上、日本に借りを作るのはマズイと考えてるらしい。


 そこでアリエルの実質一人暮らしが決まったそうなのだが、タナカが『誠治は頼りになる奴だぞ』と微妙な含みを持たせて伝えて、今に至ってるという感じだと言う。国家超常対処局も本当にどうしようもなくなったら保護するとの事だ。


「まあ何するかとかは後でアリエル君に考えてもらうとして、エネルギー充填は20%までは終わったよ、呪いの祓いも今回分は終わりだね」


「ええっ? いつの間にやったのっ?」


「話しながら霊力を使ったってだけだよ、霊視してても体内でしか霊力を動かして無かったから分からなかったっぽいね。本格充填は今は出来ないから明日以降にな~~……」


 これからの説明をしようとしたらインターホンも鳴らずに事務所のドアがバタン!と開かれる、思えばアリエルの境遇やこれからの話をされた時点で、今日は何か普通とは違う日だったのかもしれない。


 そもそも昨日や一昨日も普通じゃなかった、戦艦に乗ったり総合芸能事務所がどうのと言われたり、ここ最近は何か色々な事が動いてる。


 仕事とかプライベートとか関係なく忙しい時が人にはあったりするが、灰川はそれが今だったのかもしれない。



「うぉ(にい)ちぁゃ~~ん! ぶりっつ・ばすたークビになったぁ~~!!」


「にゃーん」


「おい砂遊! いくら誠治の小せぇ事務所だからって勝手に開けるな!」



 ドアを開いて入って来たのは……灰川の妹の灰川 砂遊(さゆ)、父の(いさお)、にゃー子であった。


「え? えっ…?? 砂遊? 父ちゃんとにゃー子? え? ぶりっつ・ばすたー?」


「ハイカワさんのご家族か? それにしては混乱してるような気がするが」


「え? ハイカワのパパとリトルシスター? 初めまして、アリエルと言います」


「お、お客ぅっ? す、すいませんねお客人! バカ息子が世話になってます! ほら出てくぞ砂遊!商売の邪魔だ!」


「んおお~~! 父ちゃん引っ張んなー! 髪の毛モジャモジャになっちゃうだろー!」


「引っ張ってんのは腕だっつーの! あと元から髪の毛モジャモジャだろ!」


「にゃー、にゃーん」


 あまりの事に理解が追い付かない、なんで事務所に居るのか、またSNSメッセージの見忘れかと思ってると。


「父ちゃん! この人たち霊力が凄いぞぉ~! とくにそっちの小さい金髪イケメン君! ふお~~! 見てるだけで神々しい可愛さ~!」


「うおっ!確かにスゲェな! 誠治、この人たち誰だ? 男の人も霊力がそこそこスゲェぞ!」


「にゃーん」


「ネ、ネコが喋ってるー!? ジャック隊長!今あのネコ“うるせーにゃ”って言ったよ! ボクこんなの初めてだよ!」


「あれは猫叉というジャパンの妖怪ネコだ、イギリスにも似たようなの居るぞ」


「父ちゃん砂遊! 何でここに居るんだ!?」 


 そんな言葉を発したら、またドアが開いて次なる来客があった。


「灰川さ~ん、愛純(あすみ)と朋絵さんが会いに来ましたよ~! お茶出して下さいね~、えっ? 小っちゃい事務所なのに人多い!」


「こんにちは灰川さん、お邪魔しま……ええっ? コンサルタントの事務所ってこんな風に混むものなのっ!?」


「朋絵さん!普通はこんな風には込まないと思うよ! 俺も名ばかりコンサルタントだから詳しく知らないけど! こんちわ愛純ちゃん! お茶はコップが足りねぇや!」 


 まさかの元ライクスペース所属の愛純と朋絵が来てしまった、学校が終わってから来たようだが何か用があるらしい。しかしまだ来客は終わらない。


「灰川さん、昨日の話だけど僕は~~……人が多いっ!」


「灰川君、合同会議終りで時間が空いたから来てみたのだが~…なんだねこの人達は!?」


「社長たちまで!? なんてタイミングなんだ!」


 渡辺社長と花田社長もやってきた。


 どうやら功は農業エンジニアの功が特許を取得してる技術関係の仕事で東京に来たらしく、砂遊は父の功と母の芳子に『お兄ちゃんに大事な用がある』と頼み込んで許可をもらい着いて来たらしい。




 灰川 砂遊は現在は中学3年生で、兄の誠治は久しぶりの顔を合わせての再会だった。2年ほど見ない内に大きくなった気がする。


 砂遊の性格は誠治が知る限りはそこまで変な感じはなかった筈なのだが、何やら中学に上がる前にアニメを見てハマり、ゲームなどにもどっぷり浸かった事で性格に影響があったらしい。


 パソコンは父の功のお下がりをもらったのだが、それが意外と性能が良くてゲームや動画視聴などが容易に出来るパソコンだったようだ。


 そこから砂遊は……キモくなった。完全なるキモオタ女の子になってしまい、昔とは少しというか結構な違いになってしまってる。


 つい最近になって分かった事だが、砂遊は家族に黙ってVtuberをやってたらしい。しかも企業に応募して合格し、そこが現在業界3位の『ぶりっつ・ばすたー』だった。


 学校に行きながら陽呪術の修練などもして、地方在住の企業所属Vtuberとして親に内緒でやってたのだが……収益が入ってる砂遊の口座の預金残高を母の芳子が見た時にバレて、めちゃ怒られたそうだ。


 その時は『ひええ~~! お母さんゴメンナサイ~~! ずびばぜん゛~~!』と、隠してたキモい本性を露にして謝ったとのこと。


 実は砂遊は誠治の実の妹ではなく、亡くなってしまった遠い親戚の子を砂遊が赤ちゃんの頃に引き取ったのだ。血の繋がりは薄くともしっかり家族の絆で灰川家と結ばれており、本人には血があまり繋がってない事は知らせていない。


 髪の毛はクセが付きまくりのロングヘアで、少しだけ紫がかってる。中学3年生の15才であり身長は150cm台と平均くらいだ。しかしちょっと胸が大きいようにも見える。 


 今は完全にオタク趣味であり、配信などにも興味があって企業のぶりっつ・ばすたーに応募、受かったらしい。その後は1年で視聴者登録は20万なったそうで、灰川は驚かされた。


 しかしかなり尖った配信内容であり、それが高じてヤバ目の発言も多くなり、地方在住で講義などもリアルタイムで出来ず改善も難しいとなった。


 以前に灰川が実家に戻った時に砂遊は部活の合宿で居ないなんて言ってたが、実際にはどうしてもぶりっつ・ばすたー事務所に行かなければならない用事があったそうで、嘘ついてこっちまで来てたらしい。


 そこで炎上とかされる前に卒業という名のクビになったそうだが、砂遊としては完全に仕方ないと思っており、親バレした事もあって円満に卒業という運びになって先日に卒業配信した。


 今でもぶりっつ・ばすたーとは仲は円満で、所属者やスタッフとはやり取りがあるようだ。


 独自路線が強くて割と尖った人が多いぶりっつ・ばすたーをクビになるって、俺の妹っていったい……とか思ってしまう。


「お兄ちゃん、シャイゲとハピレに伝手があるんだってね~? 紹介して欲しいな~、特にシャイゲ! あっこに入れば安泰だと思うしね! うししししっ!」


「お前、笑い方が変だなぁ…前はそんなキモイ感じじゃなかったろ…。あとそこにシャイゲさんとハピレさんの社長が居るぞ」


「うしししっ……は…? ええ~~! ゴメンナサイ!ゴメンナザイ~!」


「ええっ!? 灰川さんの妹さん!? あ、謝らなくて良いよ!」


「き、君! 土下座なんかするんじゃない! 私たちは何も気にしてない!」


 砂遊がスーツ姿の渡辺社長と花田社長に土下座して謝ると、渡辺社長と花田社長が腕を掴んで引き起こす。まるで捕獲された宇宙人みたいな格好である。


「なんだか凄い濃い子ですね灰川さん、妹さんなんですかっ?」 


「そうなんだよね愛純ちゃん、久しぶりに会ったけど…なんか前と違うっていうか」


「灰川さんって妹さん居たんですね、なんか独特そうな感じかも」


 愛純と朋絵もこの状況を掴み切れず、場の空気に飲まれてる。誠治だって状況を掴み切れてないのだ。


「え、えっとっ…! ハイカワっ、この人たちは~…?」


 世界有数の聖剣の担い手が混乱してる。


「こ、これはどういう状況なんだハイカワさん?」


 屈強なMID7隊長格が戸惑いを隠せない。


 狭い灰川事務所の中に、誠治、功、砂遊、ジャック、アリエル、愛純、朋絵、花田社長、渡辺社長、にゃー子という変な面子が揃ってしまった。


 9人と1匹、ここからどんな話をすれば良いのか判断に迷ってしまう。

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