表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信に誰も来ないんだが?  作者: 常夏野 雨内


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

192/333

192話 謎性能カメラと明日の仕事

 灰川は普通に仕事をしながら過ごしてると、事務所に誰かがやって来た。


「こんにちは灰川さん、いま良いかな?」


「空羽? 大丈夫だぞー、あんま忙しくねぇし」


 夕方頃に自由鷹ナツハこと澄風空羽がやって来て、とりあえずお茶を出す。


 空羽は学校帰りに来たようでセーラー服のままであり、薄い青色のデザインの上下が似合ってる。灰川としては『俺の高校時代にこんな子が居たらな~』とか考えてしまうが、男子校だったのだから考えてもしょうがない。


 相変わらず美人と美少女の間に居る恵まれた容姿の子だなと灰川は思う、セミロングの黒髪も似合ってるしお洒落な感じもして、凄く絵になる子だと見る度に思ってしまう。

 

「最近忙しいんだろ? 企業案件とか自社仕事なんかも多いみたいだし」


「うん、でも楽しいよ。灰川さんはどうかな?」


「俺は別に忙しかないぞ、いつも決まった仕事しかしないしな」


 シャイニングゲートVtuberの企業案件は、今は配信で商品を宣伝したりというのはそこまで多くない。


 企業コラボによるキャラクター肖像の貸し出しや音声の使用など、大きな企業から仕事を頼まれる割合が以前よりかなり多くなっていた。


 お菓子のパッケージにVtuberのイラストが描かれるコラボだったり、コンビニくじでシャイニングゲートのグッズが当たるとか、エナジードリンクのキャライラスト缶なども販売された。


 音声仕事だと期間限定でショッピングモールの音声案内がシャイゲVtuberの収録したものになったり、公団公認ナビゲーションアプリで音声ガイドをしたりの仕事をしてる。


「なんかシャイニングゲートって遠い存在だよなぁ、関わってる筈なのに雲の上の存在ってのかよ」


「そんな事ないよ、親しみやすい配信者の一種なんだから。視聴者さんとも参加型配信で一緒にゲームしたりするしね」


「そうなんだよな、でもこれだけ色んな大きい仕事してるからよ、関われば関わるほど遠い存在に見えてくるぜ」


 雲の上の存在の筆頭が空羽であり、来苑や桜もその準筆頭だ。来苑はスポーツ会社と単独コラボしたし、桜は小説や絵本が売れて、一般人の灰川からしたら感覚的にはやはり雲の上の存在だ。


 その気持ちを空羽は敏感かつ的確に見抜く、灰川はシャイニングゲート所属者は大きな仕事をしてるから引け目を感じてる。


 その引け目は『距離を置く、縁が遠くなる』の一歩目であり、放っておけば灰川が自分たちから距離を置いた接し方になってしまう可能性がある。


 何故そのような心になってしまうのか、空羽はその原因の一つに金銭収入があるんじゃないかと考えた。灰川は自分たちの大体の収入は予測してるだろうし、それは当たってると思う。


 それに対して灰川の収入は自分の意志があるから低額であり、そこが負い目になってしまってる。実際には灰川の名前が元で入って来た大きな仕事もあるし、テレビ番組が実現したのも灰川の名前があったからこそだと知ってる。


 それらを考えると灰川の収入は非常に少ないし、適正な金額ではない。この前も社長がもう少し委託料や依頼料を支払いたいと言ったが、それもまだ有耶無耶になってる状況だ。


「灰川さん、単刀直入に言うね? 灰川さんがそう思うのって、お金の問題もあると思うんだ。もう少し受け取った方が良いと思うよ」


「だよな~、正直に言うと誰か雇いてぇって思うし、霊能者としても活動できる余地は残しときたいしなぁ」


「だったらシャイニングゲートとハッピーリレーに相談だよ、灰川さんが頼んだらすぐに応じてくれると思うな」


「それがよぉ、シャイゲとハピレじゃ規模が違うだろ? 価格に差を付けたりしたら塩梅が悪いし、ハピレにもシャイゲにも恩があるからなぁ」


「そこはしっかり相談しないとだね、でも今のままじゃいけないと思うな。取引相手と対等に話せる地位の確保も仕事の一つだと思うよ」


 難しい問題だが話し合うしかないだろう。有力者と繋がりがあるとはいえ、そのバックを盾に何かを要求する事は正道に反すると考えてしまう性格だし、過剰な金銭を持つ事を非常に恐れる性質だ。


 25年の人生の中で染み込み続けた性格や性質は簡単には変えられない。灰川は子供の頃に過剰な金銭を恐れるあまり、お小遣いを全て募金箱や近所の神社の賽銭箱に投げ入れた事すらあったのだ。


 金銭と地位に溺れた先祖の没落話は灰川にとってトラウマであり、あまりに悲惨な話も聞いた事によって、今も大きな心の枷になっている。


「そういえば灰川さんって霊能力の修行とかってしたりしてるのかな? 少し興味あるかも」


「たまにやってるぞ、手とか動かさないと印呪法は失敗する確率が高くなるしな」


 灰川は基本的には手で印を結んで効果を発動させる印呪法を使う事が多い、これが最も自分に合ってると感じたから使ってるが、他の呪法も様々に高度なレベルで使える。


「最近は来苑の家の胡桃名の(がく)浄術をちゃんと使えるように、歌とかも作ったりしてるぞ」


「えっ? そうなんだっ」


 来苑の事は空羽たちには話が本人から伝わっており、灰川が来苑の家の霊術を使える事も空羽は知ってる。


 Vフェスではサプライズで灰川の歌を披露したし、空羽としては割とよく出来た歌だったと感じてた。


「どんな歌なのか聞いてみたいな、灰川さん聞かせてもらって良い?」


「良いぞ、大した曲じゃないから期待すんなよな」


 所詮は素人の作詞作曲、原曲もパソコンで入力した伴奏だから本当に大したものではない。だが別に金を取る訳じゃないから出来が悪かろうが構いはしない、霊術に使う物だし自分が作ったという事が大事なのだ。


「では聞いて下さい、人生という旅の長さと尊さを歌います。曲名は、モップみたいな犬って(ほこり)がスゴそう~~……」


「灰川さん、突然すまない! 前に借してもらったVtuber用ハンディカメラを売ってほしい! 1000万円でどうだろう!?」


「うお! 渡辺社長!? 本当に突然っすね!」


「社長っ!? 灰川さんの歌おうとしてた曲が気になるかも…」


 結局は歌は中断され、灰川が歌おうとしてた駄作曲は封印されたのだった。


「社長、灰川さんのVtuber用ハンディカメラって何ですか? 変なタイトルの曲以上に気になります」


「変な曲って空羽なぁ…まぁ冷静に考えると変な曲だなコレ、無かった事にしよう」


 渡辺社長には灰川がサイトウからもらったカメラを貸し出しており、それを性能確認や検証をして改めて欲しいと思ったようだ。


「やっぱり機能はコピー不可、同じ物は作れない。性能は凄いの一言だよ、どんなVtuberでも登録さえしちゃえばモーションキャプチャースーツなしで、どんな動きでも3D、2D化が可能だよ」


「本当ですか社長? 私は業界のこと色々知ってるけど、そんな物があるなんて信じられないけど…」 


「じゃあ撮影開始、自由鷹ナツハで撮影だ。見れば分かる」


「ちょっと社長! 勝手に撮影するなんて失礼過ぎます!」


 そう言うと渡辺社長はいきなり空羽を撮影し始め、それに空羽は不快感を示すが。




「灰川さん、このカメラを売って欲しいな。幾らなら売ってくれるの?」


「空羽までなに言ってるんだ! これも売り物じゃないんだって!」


 ナンバーワンVtuberの空羽から見てもカメラの性能は最高だった。


 渡辺社長は数日の間にカメラの使い方をマスターしており、3D撮影はもちろん、各Vtuberに合わせた背景最適化撮影設定や最適音声録音の方法なども調べ尽くしてる。


 ダンスだろうがピアノ演奏だろうが料理をする動画だろうが、どんなものでもVtuber映像化する事ができ、しかも準備や専用スタジオすら必要ないの凄い事である。


 その映像はどんなものですら様になっており、シャイニングゲートVtuberの数人がダンスをしたりしたのだが、明らかにスタジオで収録した3D撮影より質が良い。


「これだと何処かを貸し切って背景もグリーンバックなしでリアルタイム3D合成デザインが出来るから、撮影に関して素晴らしく幅が持てる…つまり現実の人間と同じように様々なロケが出来るという事なんだ」


「そんなの適当にロケ地の映像を撮って来て、後からVtuberがスゴーイとかキレイ!とか言うのを合成すれば良いじゃないすか」


「バカ言うな灰川さん! それだとリアリティが無いんだよ!」


「うおっ! 吼えた!」


 渡辺社長が言うには映像にはリアリティが大事で、それは実体を伴うほどに強くなるという。


 Vtuberという媒体の弱点であるリアリティ、限られた空間でしか動けず、限られた場所で限られた事しか出来ないという弱点、それが克服されるのがこのハンディカメラだ。


 これがあれば観光名所で背景合成ではない撮影が出来る、どこのスタジオでも簡単にVtuber撮影が出来る、ダンスやバレエの本来の美しさをVtuberという媒体を使って表現できる。


 Vtuberの観光名所紹介動画はある、しかしリアルタイム撮影は出来ない。スタジオを使って撮影くらい今でも出来る、しかし大量の機材やスタッフと手間が必要になる。


 ダンスやバレエもVtuberが3D撮影で披露してる、しかし舞踊の動きの美しさや躍動感は現状では10分の1すら表現できておらず、舞踊の素晴らしさで玄人を感動させるには至ってない。


 今もスマホを使って出先で配信する事も可能だが、その機能や出来栄えは凄いとは言えない質の物になってしまう。それが克服できるのはあまりに大きい。


「灰川さん、これがどんなに凄い物なのか分かってるのかな? 私だって絶対に欲しいって思うよ、あのパソコンみたいに」


「空羽まで…まぁ、売るっていうのはちょっとなぁ…、貸出なら良いかなって思うっすけど、多分何かしらの欠点があるっすよ? そんな都合の良い物なんてないっすよ」


「僕の旅行会社が所有するホテルや旅館のスイートルームをテレビでやれば見栄えも良いし、街の散策動画なんかも、他にもVtuber料理対決やサバイバルゲームなんかも面白いかも…」


「駄目だ、渡辺社長、自分の世界に入っちゃってるよ」


 玩具をプレゼントされた子供みたいな反応だが、それほどに魅力的なアイテムなのだろう。


 灰川はコッソリ2人の目を盗んでサイトウに電話を掛け、貸出しても良いか聞くと『料金も期間も何に使うかも自由にして下さい』と返って来て、そこも迷ってしまう。


「渡辺社長、このカメラはハッピーリレーにも使わせる事を約束してくれますか? そしたらもう1台もらったんで、そっちも貸しますよ」


「!! もちろんだよ!花田社長にも詳細を話すさ! えっ!もう一台あるのかい!? 更に撮影の幅と映像角が広がるぞ!」


「灰川さん、貸し出すのっ? パソコンは駄目だったみたいだけど、こっちは良いのっ?」


 灰川は今回のハンディカメラ貸出しには前向きになり、社長と空羽の目が輝く。


「何かしらの欠点があっても、貸出料を返せとか言わないって約束してくれます?」


「契約書を出すよ、何かの損害があったとしても灰川さんに文句を付けたりしない。」


「分かりました、じゃあ貸し出しますよ。でもカメラのレンタル料って幾らくらいなんすか? 月に5000円くらいっすかね」


「この性能ならシャイニングゲートの業務規模を考えても、1台に付き月に40万円は出せるよ。高性能カメラのレンタル料の相場の2倍くらいの値段だね」


「ええっ!!? 40万!? いや、2台で40万で良いっすよ…そのカメラでそんなに稼げる見込みあるんすか…?」


「紛失や破損した時は500万円を支払うという事でどうだい? もっと上げても構わないけれど」


 プロ向けの高性能カメラの1か月のレンタル料の2倍であり、灰川としてはコストが掛かってないから丸儲けの計算になる。


 これは正直に言って魅力的だ、灰川は最近は自営業で月に25万だと何かと不都合だと感じており、そこにこんな金額が降って湧いたのだ。


 ちなみにカメラの破損に関してはあまり心配の必要はない、サイトウは耐久性も考慮しており、タナカのニードルガンは防げないが、サイトウのハンドガンくらいなら防げる耐久性があるのだ。耐水性も凄いらしい。


「もちろん委託料とかも上げようと思ってたんだけど、話が有耶無耶になっていたからね。僕は灰川さんの名前を大いに使わせてもらってるんだから、もっと支払いたいと思ってるんだ」


「ありがとうございます、それでお願いします」


 これで一気に収入が増える事になり財布にも余裕は出来るだろう。しかし税金とか色んな支払いもあるから、実情はそこまで変わらない可能性もある。灰川にはギャンブル趣味もあるので、金欠にならない保証は無い。


「じゃあ僕は弁護士を通して契約書を作って来るよ、灰川さんも後で弁護士を通して確認して欲しい」


「分かりました、お金とかもよろしくお願いしますねマジで」


「良かったね灰川さん、ふふっ」 


 空羽としても灰川の収入が上がるのは嬉しい事で、自分たちとの収入差による心の溝が埋まるのはありがたい。


 それにこのカメラがあれば様々な撮影ができるし、今から幾らでも新機軸の動画のアイデアが浮かんでくる。


「じゃあ灰川さん、明日の仕事だけど都内で良さそうな場所のロケハンに行ってくれないかい?」


「ロケハン? それって何ですか?」


「ロケーションハンティングって言ってね、ロケ地に使えそうな場所や施設をピックアップする事なんだ」


 この場合は本格的な許可取りや金額相談はナシで、大まかに良さげな所を見つけてくるという軽いロケハンの依頼だった。


「いや無理でしょう、だってそういうこと分からないっすから! それこそシャイゲのスタッフさんに行ってもらった方が良いっすよ!」


「今は全員が忙しくてね…テレビもあれば企業案件もあるし、かといって新機軸に踏み出せるこの機会を失いたくないんだ。どこだって良いから任せたい、頼むよ灰川さん」


「そんなこと言われたって…」


 渡辺社長は経営者として様々な事を人に任せる事に慣れており、こういった事でも割と普通に人任せに出来る性分だ。


 灰川ともそれなりに付き合いがあるし、少し変わった所がある人だとは理解してるからロケハンに最適な人材だとは思ってない。しかし会社の人達は非常に忙しいから任せられない。


 そのため渡辺社長の中ではロケハンを任せたい人の序列20位くらいの灰川でも、どこかしらを見てピックアップしてもらいたいと思っていた。


「明日っすか、随分と気が早いような」


「事は早い方が良いんだ、少しでも新たな物を生かせる情報が欲しい。そのためにはどんな頼りない事でも大きな情報になる可能性が~~……」


 商売は成功の道を掴んで、早く大きく動いた者が勝つ世界だ。そのための確実な道なんて無いし、とにかく情報が欲しいのが渡辺社長の本心だった。


 テレビの企画撮影にはこのカメラは大いに役立つはずと感じてるし、動画や配信においても使い道は多い。


「分かりました、でも明日は無理っす。ちょっと予定があるんで」


「え? 由奈ちゃんとお出掛けはテレビの収録の後だよね? 何か仕事なの灰川さん?」


 灰川は明日は休みであり、予定が入っていた。


「明日はお祓いの予定が入ってるんだよ、ちょっと金もらってるし、割と問題のある所だから無視できないってかさ」


「灰川さんって霊能者としてもちゃんと活動してるんだね、感心しちゃうな」


「って言ってもあんまり名も知られてないから、活動はまばらだぞ。霊能だけで食ってけるような収入じゃねぇしな」


 灰川はたまに実家の伝手を頼られて依頼が来たり、何かで話を聞いた人がオカルト関係で依頼をしてきたりして、それを請け負う事がある。明日はその用事が入ってるのだ。


「前に市乃を俺の依頼先に連れてったことあったけど、そういやこの事を話してる人って少ないかもだな」


「……! そうなんだね、困ってる人を助けてるなんて偉いって思うよ、私も助けてくれたしね」


「そうだろ~? そういうこと言ってくれる人が居ないと、やっぱやりがい無いんだよなぁ」


 空羽は市乃が一緒に霊能者の仕事に着いて行ったことを聞いて少し嫉妬の気持ちが湧く、やっぱり自分は灰川に惹かれてるのだと自覚がより強まった。


 前にそれとなく市乃から聞いたが、その時は灰川に今のような感情はさほど持ってなかったのだ。


「じゃあ明日、私も着いて行って良いかな? ロケハンも出来たらついでにしちゃおうよ、それに霊能者の活動を見たら何かのインスピレーションがあるかも知れないし」


「おいおい、学校あるだろ? あ、そういや史菜が明日は学校が工事か何かで休みだから仕事入れてたな」


「うん、だから大丈夫だよ。連れてってくれるよね? 市乃ちゃんは良くて私はダメなんて言わないよね? ふふふっ」 


「なんか空羽の雰囲気が怖い…まぁ良いけどよ、危険は俺の陽呪術でどうにでも出来るけど、怖いとかはどうにもなんねぇぞ?」


「うん、解ってるよ。でも灰川さんが居るから安心かな、行って良いですよね社長?」


「まあ構わないが、ちゃんとバレないよう対策してくれ。ナツハは顔出し配信もしてるから、リスクは他の子より高いからね」 


 こうして渡辺社長の許可も下り、明日は空羽を連れて霊能者としての仕事に連れていく事になった。空羽は忙しい身ではあるが時間を空けようと思えば、多少無理やりでも開ける事は出来る。


 今回は後に回せる仕事は後にして、明日は灰川の仕事を見てVtuber活動のインスピレーションを得て、カメラを使えそうな場所のロケハンをして、そして何より灰川との仲を一層深めたいという思惑を抱いてる。


 明日は灰川にとっては仕事だし、もし何かオカルト面で問題があっても充分に対処ができる現場だ。


 しかし空羽にとってはテレビ局での大きな仕事の前に一刺激が欲しかった所であり、その上で謎性能カメラを使えそうな場所のロケハンという今後を左右するかもしれない重要な仕事だ。


 それに灰川の事も相当に気になる。最近は何だか頼りがいが前より増していて、優しさなども奥が深いものになってる気がするのだ。


 それは灰川が市乃や史菜たちと一緒に居て刺激を受けた結果だったり、桜と一緒に居て合理的配慮とは何かを学んだりしてる結果だ。それらは自分たちが灰川誠治という人間の奥行きを深めてるという事なのだが、自分たちはそれに気付いてない。


 人間関係や環境によっても人の魅力は変わる物で、灰川は今はそれが上手く行ってるという状態だ。それらは彼女たちのおかげである。


 ともかく灰川の周囲は彼に惹かれており、空羽もその一人だ。そして空羽は灰川の異性嗜好を年下の子にしてしまおうと考えてる一人であり、それがどのように作用するかは分からない。



今回は短く纏められたと思ったら、まだ全然文字数が多いですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ