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配信に誰も来ないんだが?  作者: 常夏野 雨内


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153話 タカコサン 3

 飛車原親子は自宅のリビングに居る。


 中央には灰川が作った結界があり、縄にお札を付けた物を貼って囲まれた2畳ほどの空間の中に由奈は居た。両親は少し離れた位置で構えるように座って待っている。


 時刻は既に夜中の1時過ぎ、灰川は1時間以内に終わらせると言ってたが、その1時間は由奈たちにとっては長く感じる時間だ。


「何も起きないな…灰川君はもう終わらせたのか?」 


「あなた、まだ10分も経ってないわよ、灰川さんが帰って来るまで待ちましょう」


 学志と貴子は娘の無事が保証されるまで待ちきれない、今だって由奈がいきなり苦しみ始める可能性はゼロではない。


 当の由奈は結界の中で座布団に座って事の終わりを待っていて、灰川が帰って来るまでは何が有ろうと中から出ない約束だ。万が一に結界の外に出ても保険は打ってあるが、出ないのが一番良い方法だ。


「パパ、ママ、私なら大丈夫よっ、何があっても誠治の言うとおりにするわ! それが一番良いはずだものっ」 


「そうだな、由奈が幼稚園生だった時と違って、今は頼りになる人が居るからな」


「灰川さんのこと私も見くびってたようね、本気を出したらあんな凄い霊能力の香りがしたんだもの」


 貴子も霊嗅覚を持っており、先程の灰川の霊力の高まりを香りで感じていた。それなら安心だと学志も頷いたが、その直後に変化が起きた。


「あれ? いつの間にドアが開いたの? 和室の襖も開いてるわ」


「どうしたの由奈?」


「ん? 何かあったのか?」


 由奈が異変に気が付く、リビングに入るためのドアが開いて廊下の奥が見えてる。隣の部屋の和室の出入り襖が開いて和室が見開きになっていたのだ。


 さっきまで閉めてたような気がする、いや閉めてた。それがいつの間にか開いてる……由奈の中に嫌な予感が広がった。


「パパ、ママ! さっきまでドアも襖も閉めてたわ! それがいつの間にか……!」


 そこで変だと由奈は気付く、両親からの返答が無い……横を見ると両親はテーブルに突っ伏すようにして意識を失っていた。


 それは灰川に聞かされた“陽呪術では防げない事態”が発生したという事だ。


「っ……!」


 由奈は咄嗟に手で自分の口を塞ぐ、何かが居る。結界の中だから匂いこそしないが、明らかな気配がある。そして由奈は生まれて初めて見てしまった。


 リビングの開いたドアの奥の廊下の先、玄関からトイレに向かう電気の付いてない暗い通路を、髪の長い黒い女が横切ったのを見た。


 玄関が開いた音なんてしなかった、泥棒じゃない、あれは人間じゃないのは一目で分かった。何故なら、その女は天井を歩いていたのだから。




 灰川は目に霊力を宿して『疑似瞳術;春川桜』を発動し、知り合いである桜の力をコピーして借りて一時的に残留思念を見れるよう対策した。そのため今はサイコメトリー能力のようなものが備わり、普段は見えないモノが目に映ってる。


 今居る所は公園の中の小さな資料博物館の付近の広場、ベンチなどがある至って普通の都会の公園みたいな場所だ。


 夜だが公園内には明かりもあるから周囲が見えないなんて事は無く、その風景の中に疑似瞳術を使う前までは見えなかったモノが浮かんでおり、ソレは人の形をしてるが女ではなく男に見える。


 それを見て灰川は何が起こってるのか分かった気がした、鷹呼山と呼んでるこの現象を起こしてるのは迫害された人の念じゃなく、迫害した側の者達の残留思念だ。


 迫害された人たちが感じた怖さや悲しみ、憎しみといった念よりも、迫害した者達が感じていた超常的な力へ感じる恐怖の念の方が総合量では大きかったから今に至ってる。


 その恐怖の矛先が魔女という存在に向けられてしまったから、鷹呼山村では魔女狩り行為が始まった。


「目を……目をかえせ……! 目を……!」


 霊能力を持った女性を襲ってたのは奴だと気付く。同時に奴を構成する残留思念たちが魔女か妖女に恐怖を感じた理由は、村に住む人たちが一様に視力が低下していった事だと感づく。


 それを最初は神仏への拝みが足りないと思ったようだが、神に祈っても仏に頼んでも回復せず、妖術の類で誰かが自分たちを呪ってると思ってしまったのだ。


 彼らが呪いと勘違いしたモノ、それは『中毒性視神経症』と呼ばれる中毒疾患だ。恐らく中毒物質は(なまり)、鷹呼山の周囲の土壌は恐らく鉛が溶け出していたのだろう。その水を飲んで少しずつ村人の視神経に毒性が作用して視力を奪ったのだ。


 鷹呼山という地名にもヒントがあった。鷹の目という言葉があり、これは何かを探す際に鷹のように鋭くしつこく物を探す様を表す言葉だ。


 この地名が村に住んでた者が付けたのか後から付けられたのかは分からないが、この地に住む者は鷹のようにしつこく物を探さなければならない目になってしまう事から、鷹呼山と言われるようになったのかも知れない。


 全ては灰川が本能的に残留思念から感じた事で確証はない、しかし科学が発達してない頃にはよくあった話なのだ。村は各地に出来ては滅ぶを繰り返してた時代で、その中にはこういった話もあるとされている。  


 普通に暮らしてるだけなのに目が見えなくなる恐怖、それは確かに恐ろしい物だっただろう。しかし恐怖の矛先を誰かに向けるべきではなかった。こんな事を言っても所詮は飢える事もなく、情報も簡単に手に入る現代人の言い分だ。


 それでも害を成す存在を放って置く訳にはいかない、人を迫害して追い詰めて全てを奪った事は同情は出来ない。


「あ…あっ……! おまえか…っ、おまえが妖術を……っ」


「…………」 


 灰川は残留思念をおびき寄せるために、由奈が身に付けていたヘアゴムを借りていた。それに宿った由奈の霊力に奴は寄って来るが、灰川は気付かない振りをする。


 奴を構成する者たちは魔女を憎みながらも怯えており、もし魔女の霊力を発する者が奴の存在に気付いたなら即座に消えて逃げて次の機会を狙って来るだろう。それをさせないために対策をするし、もちろん自身の霊気は陽呪術を使って消している。


 普通を装って歩き「今日も疲れたなぁ…」とか考えてそうな雰囲気を出しながら近づいていく。


 向こうもこちらに寄ってきたが速度は遅い、少しだけ歩みをずらして思念体が自身の右側を抜けてすれ違うような形に調整し……奴の真横に来た瞬間に霊力を集中して、素早く奴の居る空間に右手を伸ばした。




  少し前の話


 灰川がタナカと一緒に怪人Nの件に当たった時に、相手の不意を突ける戦い方を教えてくれと頼んだ事があった。 


「そうだな、誠治は右利きか? だったらもし一緒に居る奴が怪人Nかも知れないと思ったら、絶対に敵を自分の体の右側に置け」


「何でですか?」


「お前の武器が包丁とかスタンガンのような、利き手で扱う方が有利な武器だからだ」


 敵を右側に置いたなら自分はワンアクションで攻勢に出れるが、左側だったら出遅れるからだとタナカは語った。


 江戸時代などは剣術の先生と弟子が一緒に歩く際は、必ず弟子が師匠の右側に立ったそうだ。これは師匠に対して殺意はありませんという意思を示すための物だったらしい。(例外、諸説は多々アリ)


 そして刀が使われてた時代の暗殺者などは夜道などを歩く際、さり気なく対象を右側に置いて刀を抜き仕事を済ませたという話もある。


 横並びになった際に利き手側に敵を置くのは基本だと教えられ、逆に左側に立つ奴には警戒しろと教えられた。




 灰川が使ったのは陽呪術ではなく念祓(ねんはらい)という灰川家の基礎的な除霊法だ、何かしらに霊力を込めて除霊するという、ありがちな除霊法である。


 効果は即座に出て、由奈の元に向かおうとしてた残留思念は消えた。 


「後は博物館の中にある展示品か、入れそうにねぇな…しゃあない」


 残留思念の元となってる物を祓わなければ終わらないが、今は閉館時間だから入れない。しかしそれは問題にはならない。


 博物館の建物に近付いて印を組む、規模の小さい建物なのでやろうと思えば灰川の霊力なら建物ごと浄化できる。


「灰川流陽呪術・邪気霧消! すぅぅ~~……せいっ…!」 


 これにより資料博物館の中にあった鷹呼山に由来する何かに宿っていた残留思念は霧散し、後は時間が経てばあるべき場所へと昇って行くだろう。


 祖父の時代は奴の正体が分からず、無駄に霊力を消耗する除霊をして失敗してしまったが、今回はちゃんと祓う事が出来た。やり方さえ確立すれば多大な霊力は必要のない相手だったのだ。


 残留思念を逃がす事もなく、由奈の所に向かわせる事も無く終わらせる事が出来た。後は飛車原の家に戻るだけだが灰川は急いで行く。


 まだ完全に終わった保証は無い、由奈の無事を確かめるまでは安心は出来ないのだ。




「由奈! 無事か!?」


「誠治っ…! う…うぇぇ~~ん…!」


 飛車原家に戻るとリビングの結界の中で由奈が泣いており、ダイニングテーブルには学志と貴子が気を失ってるかのように寝てる。その光景を見て灰川は何が発生したのか理解した。


「何かが来たけど、害を成す存在じゃなかったんだな」


「うぇ~~んっ! そうだったよ~!あんなに悲しい香りは初めてだったよぉ~~!」


「そうか…やっぱりな」


「なんであの人たちは、あんなに悲しい思いをしなきゃいけなかったのよっ!」


 由奈が言うには、家に来た人たちは魔女などではなかった。ただ時代と不運に翻弄された悲しき人達だったという。 


 


  数十分前


 天井を歩く黒い女は一瞬しか見えなかった、廊下の先の通路を横切っただけですぐに隠れてしまったからだ。


 見間違いじゃなかった、アレはきっと魔女なんだ…そんな怖さが由奈の中に広がる。


 気を失った両親は喋らない、リビングの中は静寂に包まれてる。その静けさが、開いたドアの奥の暗がりが、開いた襖から見える和室が普段と違って見える。


 耳鳴りがしそうな静けさと、明るい場所から見える薄暗がりが心に侵食して来るかのようだ。その恐怖感は中学生の子には重い。


「っ……!」


 来た……今度は洗面所の中から黒い女が出てくる。天井を歩き、廊下で立ち止まり、由奈の方を見てる。


「……にげ…て…、妖者狩りが……くる………」


「……!!」


 陽呪術が効果を成さない相手、それは悪意が無く善の性質を持った念だ。


「あ、あなたはっ…魔女じゃない……のっ…?」


「…にげて……逃げ…て……」


 ソレはもう意思はなく、魔女狩りを行った者達の思念に狙われた者に危険を伝える事しか出来ない存在になっていた。


 彼女は謂れなき迫害の元に散った人達の悲しみ、無念、自分たちのような目に遭う人達を無くしたいという思いが集まって成り立った存在だ。


 絵本の中のような鼻が長くて子供を食べるような魔女なんて存在しない、少なくとも魔女狩り行為の被害に遭った人たちの多くは単に普通に生活してただけの人なのだ。


「う…うぅ……ぐすっ…!」


 由奈は悲しくなった。魔女とされ迫害を受けた人達の境遇への悲しさ、人の持つ負の側面、悪意や善意とか一言では表せない世の難しさ、それらがいつの間にか香って来ていた魔女と呼ばれた人達の感情から読み取り、何とも言えない気持ちになったのだ。


 先程に風呂場に現れ怖くなったのも、害を成すモノから逃げさせるためだった。それも感じ取り、感謝の心すら湧いてきている。怖くないと言えば嘘になるが、それでも安らかな場所に旅立って、安寧を得て欲しいという感情が強くなった。


「待ってなさい! 今、スゴイ霊能者がアナタを苦しめたオバケを倒しに行ってるわ! そうしたら、アナタも休める!誠治が必ずアナタ達を楽にしてくれるはずよ!」


「…………」


 由奈が強い気持ちを込めて言うと、その念は少しだけ笑ったような気がした。




 由奈から話を聞き、この件で被害が表にならなかった理由が分かった。事前に知らせる存在が居た事で、狙われた人が呪印のようなものを付けられる前に逃げる事が出来たかららしい。


 一定以上離れると追って来れない性質があったのかも知れないが、そこは分からず仕舞いだ。怪現象なんて条件や制約などを考えたらキリがない、今は考えても仕方ないだろう。


「それから少ししたらっ、あの人も消えたわ……ぐすっ…! ちゃんと天国に行けたかしらっ…」


「天国があるなら行けたさ、きっと今は安らかに眠ってるよ」


 死後の世界があるかなんて灰川にも分からない、それでも天国や極楽浄土はあると思いたい。きっとそこでは身分の差も貧富の差も関係なく、皆が安らかに大切な人たちと一緒に眠ってる。


 今回も地味で目立たない仕事だったが、霊能者の仕事に限らず世の中の仕事なんて大体はそういうものだ。それでも皆が一生懸命に生きてる、それが世界というものだろう。


 人間の世はいつだって争いや差別、貧困や憎しみが絶えない。それでも誰かを思いやる心や親子愛、自らを犠牲にしてでも誰かを助けようとする精神が時には見える。それは紛れもなく人の美しさというものの筈だ。


「由奈、一緒に鷹呼山村の魔女狩り被害者のために手を合わせて冥福を祈ろう。そうしてあげる事が一番だ」 


「うん……ぐすっ…」


 疑心暗鬼、妬み、嘘、保身、コミュニティというものには時にそんな物が芽生えてしまう。それをどのように対処するか、今を生きる人達は過去から学んで随時解決しなければならないのだろう。


 情報が溢れる今の社会、誰かの言った疑いの言葉を鵜呑みにしていませんか?根も葉もない噂を真実だと思い込んでいませんか? 


 それは遥か昔から人類が繰り返してきた間違いです、今も世界で繰り返されるその間違いこそが本当の魔女なのかもしれません。




「灰川さん、ありがとうございました」


「ありがとう灰川君、由奈は無事に済んだみたいだ」


「いえ、今回も未熟さを悔いるばかりです」


 いきなり発生した騒動も無事に解決し、飛車原家から感謝を伝えられる。


 今回の件で灰川はやはり怪現象が増えてるのだと実感したが、これはそういう時代なのだからと納得するしかないだろう。


 今の時代はネットの広がりで便利になったが、人の欲や負念などが伝染しやすい世の中だ。現にネットの動画サイトや配信サイトには、稼げれば何やっても良いみたいなスタンスが見え隠れする人が多いのが現状な気がする。


 それが怪現象の増加に直接の影響を及ぼしてるかは定かじゃないが、無関係とも言えないと灰川は思う。それがたまたま今回は由奈に降りかかったという事だ。


「ところで灰川さん、今夜はもうお帰りになるんですか?」


「はい、もう遅すぎる時間ですしね、由奈も寝ないと明日に差し支えるでしょう」


 もう夜の2時を回ってる、流石に誰かの家にお邪魔してて良い時間じゃない。


「こんな時間ですし泊って行きませんか? 今なら由奈ちゃんと一緒に朝まで添い寝が出来ますよ♪」


「しませんて! イカンでしょうに!」


「貴子っ、何を言ってるんだ!?」


 まさかの発言に頂いてたお茶を噴き出しそうになるが、いつもの調子に戻ったと思えて若干だが落ち着きもする。


「あらアナタ、人の事を言える立場かしらね~? 私が学校に行く前や、学校の帰りにあんなコトやこんなコトをさせて~~……」


「わぁー! わぁ~~っ! 止めなさい貴子~!」


「うふふっ♪ ちょっとやそっと、もっとスゴイ事を灰川さんと由奈がしちゃっても、アナタも私も文句は言えないわね~」


「何もしませんて! 由奈は親戚の子みたいに思ってるんですから!」


 詳細は怖くて聞けない、取りあえず報酬をもらったら大人しく帰るとしよう。そう考えてたら今回の報酬が出来上がったようだ。


「出来たわ、誠治! 私特製の卵焼きとオムライスよ! タッパーに入れてあるからレンジで温めれば簡単に食べられるわ!」


「おお、オムライスまで付けてくれたのか。ありがとうな由奈、この卵焼きが本当に美味しいんだよなぁ」 


「ママ直伝の卵焼きよ! 一切れでご飯一杯いけちゃう味ね! わははっ!」


 キッチンから戻ってきた由奈もすっかり元気を取り戻し、いつもの騒がしい元気な生意気娘に戻ってる。やっぱり由奈はこうでなくちゃと灰川は思った。


 今回の報酬は後出しではあるが、由奈がどうしても誠治にお礼がしたいと言ったので卵焼きという事にした。オムライスは由奈のサービスで、これで明日の食事が美味しい卵焼きとオムライスで一食浮くというものだ。


「それと誠治っ、今度からママに色んなことを教えてもらって、誠治を私に注目させてみせるわ! 覚悟しとくことねっ、わははっ!」


「ん? ああ、頑張れよ」


 灰川は流石にこの流れで貴子が由奈に変な事を教えるとは思わないので、料理とか教わるんだろうと思って適当に言葉を返しながら楽しみにしておく。

 

「じゃあ由奈、明日からも配信頑張れよ。ファンの人達は破幡木ツバサの元気な声に癒されてるんだからよ」


「言われるまでもないわ! 明日も元気に配信する!」


「じゃあ灰川さん、お腹が減ったりしたら、いつでもいらして下さいね」


「今日はありがとう灰川君、これからも由奈をよろしく頼む」


「学志さんも貴子さんも、何か変な事があったりしたら、これからも時間なんて構わず電話して下さい」 


 お(ふだ)やお守りも渡して怪現象後のアフターケアもしたし、これで一安心だ。挨拶も済ませ、明日は普通に仕事がやって来る。


 少し疲れてしまってるがブラック企業時代を思えば大した事はない、それに自分の意志でやった事の後だと疲れも心地よく感じるものだ。


 しかし飛車原家を後にする時に、ドアが閉まる寸前に。


「そういえば由奈もそろそろアンダーシャツだけじゃない上の下着が必要な年かしらね。この際だから灰川さんに選んでもら~~……」


「それは止めなさい! いや、その件は私が言えた事じゃないんだが、それでも由奈は~…」


「保健体育の授業で着け方を習ったわよママ! もう忘れちゃったわ!」


 何か変な会話が聞こえたような気がしたが、灰川は聞かなかった事にする。この一家は距離感がバグってるのか!!??


 そんなこんなで灰川は自宅アパートに帰って爆睡し、次の日には疲れは残りつつもスッキリ目覚めて日常に戻ったのだった。


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