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共鳴アヴェンジホワイト  作者: 朝露ココア
第3部 12章 天の守り人
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22. 世界はこれより、煉獄へ。因果は赫焉せり

 一行は迎えに来たレヴィーに乗って、帰還の時を迎えていた。


「ルカ師匠、お世話になりました! また来るからな!」

「ロキシアもまたね。今度は一緒にお出かけでもしようね」


 ゼロとサーラは元気に手を振って、龍島で過ごした皆に別れを告げる。


「六花の将としての活躍、我は見守っているぞ! 我の指導を受けたからには、獅子奮迅たる戦果を挙げるのだ! イージアとフェルンネも至強たる者、努々遅れを取るなよ!」


 イージアは真摯に、フェルンネはうんざりとルカの言葉に頷く。


「サーラちゃんとゼロ君の活躍、私も注目してるからね。あと、イージア師匠……師匠のおかげで私は変われたと思います。私は故郷に帰って自分にできることを探しますから……応援しててくださいね」


「ああ。君なら正しく力を扱えるはずだ。頑張ってくれ」


 そして四人はレヴィーへと乗り込み、空を見上げるルカとロキシアと別れた。

 迎えに来たダイリードは『守天』の二人を見て納得したように目を細めた。


「二人とも強くなったようだな。放つ気が前と違う」


「お、分かるか? なんたって神能を覚醒させたからな!」


「ほう……どのような能力だ?」


「えへへ……それは帰ってからのお楽しみね! アタシもゼロも、すっごい力を手に入れたんだから!」


 レヴィーには二人の溌剌とした声が響く。

 かくして六花の将は全員が神能を手に入れ、ますます名声を高めていくこととなる。


 ~・~・~


『覚えておけよ。我が名は壊世主ゼーレルミナスクスフィス。秩序の因果のプレイヤーさ』


 暗黒を纏った男が嗤う。


『お別れだな。異なるお前に期待しよう。さあ、それでは世界よ聞くがいいッ!

  今ここに、『共鳴アヴェンジホワイト』の幕が上がるッ!』


 霧散していく神気。

 高らかに嗤う壊世主。

 とある英雄の末路が其処にはあった。彼の名はイージア。


「やはり、このままでは……」


 ノアは観測した結末を読み解き、オッドアイを揺らす。

 虚無の光が満ちる空間で彼女は一人。


「盤面を進めるか、千日手に持ち込むか。前者を採れば破滅が。後者を採れば永遠の停滞が。アテルの思い通りにも、Tの思い通りにもさせたくはありません。しかし……畜生ルミナの思い通りになるのは、もっと最悪な道筋です。在るべき世界の姿、行くべき道の果て。そんなものは誰にだって分かりませんが……」


 彼女は世界を見下ろす。

 盤上世界アテルトキア。五千年以上の人類史を紡ぐ世界に、間も無く大きな分岐点が訪れる。

 もはや混沌と秩序が相克する、単純な世界ではない。どの道を往けども過酷は待ち受けている。故にこそ、救済がなくてはならない。

 誰かの心の小さな支えになれば、それは救済なのだろう。


『……怜悧なる調停者よ。何故世界を望むか』


「アテル……何度も言っていますよ。私は心の為に在るのです」


『蒙昧。迷夢。汝が意志、我が身と馴染まず』


 白き茨がノアに迫る。

 しかし、其は彼女に届くことなく霧散する。


「だから、私は第三因果ですから。攻撃は無駄だって言ってますよね。まあ……あなたの言いたいことも分かりますし、少し同情もしますよ。あなたに心が無いなんて嘘ですし、すごく世界を大切にしてることも分かります。でも……心を無視しちゃいけません。あなたが悲しむように、あなたの行いで悲しむ人々も居るということ……どうか忘れないでください」


『…………』


 アテルは無言のまま、その領域から消滅していった。

 ノアは溜息を吐いて再び世界を見下ろす。


「私も動かないといけませんね。次はTに負けないように……可能な限り、皆が笑える未来を創れるように。積み重なった全てのXugeが無駄とならないように」


 救済の少女の決意。

 救済の共鳴者の決意。

 混沌の意志。

 秩序の意志。

 災厄の心。

 守護者の心。


 ──全てが今、交錯する。

12章完結です

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