323 北条大包囲網 本章 8 対国内
323 北条大包囲網 本章 8 対国内
1556年 7月 里見義堯
「伊豆衆を使っての戦は数年ぶりじゃのう。」
義堯は、側に富永直勝や原胤貞、千葉昌胤、千葉利胤親子等をおき陣幕内で軍議をしていた。
「ええ、今回お呼び頂けて嬉しゅうございまする。新しい体制になってからこちら側では戦はほぼ起こらず新兵の訓練に勤しんでおりましたからな。」
「今回はそ奴らを使って実地指導と行きましょう。相手は盗賊崩れとはいえ、一軍なのだ。いい経験になるであろう。」
原と千葉がまだまだ衰えを感じさせない笑顔で話をしている。それを聞いて伊豆軍学校から連れてこられた新兵や指揮官が震え上がっていた。
「お二方は引退したとはいえまだまだお若いですな…頼もしい限りにございまする。」
「なんの!これも若様の為よ。若様が直々に伊豆衆を指名してくださったと聞いている。やる気も万倍よ。」
老兵と呼ばれる様な将達が気合十分に頷きあう。あちらこちらでしかり、しかりと声も掛け合っていた。老兵達はやる気にしっかりと変換して満ちているが、新兵達は緊張が強まり体が硬くなっていた。
「では、作戦の方は野戦という事でよろしいですな?」
「ああ、具体的な内容は義堯殿にお任せしよう。我らはただ下された命に従い突き進むのみよ。」
「分かり申した。では、早速林羅達に声をかけてやつらを引き摺り出して見せまする。」
義堯達は軍議を終えて陣幕を出るとそれぞれの持ち場へと移動していった。そして、陣幕内に側近達以外いないことを確認すると山犬の一党を呼び出した。
「奴らに武田の援軍が来ていると噂を流せ。野戦にならなければ援軍が動けないとも煽るのだ。できるな?」
「はっ、必ずや。」
風魔のもの達と遜色ない動きでそばを離れると林羅達は直ぐに動き始めた。外から来たものと言う利点を生かして敵軍に入り込んでいた林羅達が指示を得て、一斉にあちこちで武田の援軍が来ていることを風潮し始めた。
また、敵の大将側にも武田が来ているが援軍には来れないと馬鹿どもを通して伝えた。出れない理由としては、北条が待ちの姿勢になっているからだとでも言わせてある。
「普段であればこの様な間抜けな策は使用したりする事はないだろうが、こいつらの切羽詰まった状態なら藁にもすがる思いだろうな。」
「うまく引っかからなかった場合はどうされるので?」
「力押しよ。それだけでも問題ない。」
「はっ!」




