319 北条大包囲網 本章 4 対上杉
319 北条大包囲網 本章 4 対上杉
1556年 8月 明智光秀
「明智様、少し気になる点がございまする。」
戦線が激化してきて、こちら側と下の出島を繋ぐ道で一進一退の攻防をしている時に半兵衛が声をかけてきた。
「報告せよ。」
光秀はそれぞれの戦況と被害を確認しながら随時人員を入れ替え、崩れないように氏政から貸し与えられている風魔の手だれ達を指揮して敵の妨害を防ぐ事に徹していた。光秀に焦りや不安などはないが単純に作業量が増えて忙しかった。
「はっ、先日まで見えていた本庄と斎藤、宇佐美の旗が見えておりませぬ。いつもなら後方に控えているはずにございまする。どこか別のところから来ているのでは?」
「誰か知っているものはいるか?」
半兵衛の疑問に対して答えを持っているものや情報を持っているものがいないか確認すると風魔の配下である忍びの一人が出てくる。
「陣地の方に旗が見えておりまする。ただ、外側はいつもより厳重に警備しており中迄は見れておりませぬ。」
「そうですか…厳重な警備とはどれ程のものでありましたか?」
風魔に半兵衛が重ねて質問をする。
「はっ、普段の後方警備に加え物見や武装した兵などが各所に控えておりました。」
「明智様!」
「分かっておる!者ども!山肌側に警戒を強めよ!上杉の別動隊がこちらか反対側に来るぞ!」
陣内が慌ただしくなり直ぐに各所へと連絡が入っていく。
「半兵衛殿、寄せ手に対する指揮はお主がやって見せよ。其方なら大丈夫だ。」
「はっ!承りまする!」
半兵衛は光秀から指揮権を譲渡されると直ぐに伝令へと指示を出し始める。ただ、こちらの準備に対して敵が待ってくれるわけではなかった。
「報告!こちら側の寄せ手3方からそれぞれ500以上の兵が纏まって攻め寄せています!」
さて、半兵衛殿はどうやって対処するつもりかな。
「現場のものに先ほどの仕掛けを準備するように伝えよ!可能な限り近くまで引きつけるのだ!」
伝令が伝わっていく間に戦が始まったようだ。先ほどから聞こえていた方向以外からも敵の雄叫びが聞こえるようになった。
「報告!木下隊、真田隊共に敵の圧力が上がったとのこと!砲の使用許可を求めております!」
「許可する!炸裂弾ではなく鉄球を打ち出すように伝えよ!」
「はっ!」
今の今まで温存していた大砲の使用を許可する。あの二人が必要だと言うならば使わなければ抜かれるほどの攻め手なのだろう。それに、このまま陣地を奪われ大砲を奪われるよりは全てを使い切って大砲を壊した方がましだ。




