表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/67

23、そんな装備で大丈夫か?

ネタ要素注意

「出てきてっ! <創造者>っ!」


 本来の呪文が分からないので、その場で考えた圧倒的に雑な詠唱。こういうのってちゃんと決まったものを作った方が良いのかなぁ……


 <創造者>とは、以前に女子高生の姿のままで私が転生した異世界、<エルタニア>でスローライフを送っていた時に愛用していた農業用のクワである。


 一振りであらゆる状態の土地を畑に変え、存在する全ての種を植えることが出来(本来は種をきちんと入手しなければならない)、作物の成長速度や中身のパラメータ(美味しさとか食べた後に掛かるバフとか)も自由自在に操れる程度の能力。


 文面だけ見ても、農業においてはチート級の性能を誇るが……その見た目はごく普通のクワ。 インターネットで「クワ」で画像検索すると出てくるものだ。


 私はあれから、両腕が亡くなるなど見た目や中身が色々と変わったので……このクワもその姿を変えているのだろうか……


―――ことんっ


 私、同居人のロリ魔王、吸血幼女メイドのティアラちゃんで長机を見つめる中……出現したのは


「「「……輪???」」」


 青と黒を足して2で割った感じの色。それはアニメや漫画とかで出てくる<天使>が頭の上に乗っけているような……円状の輪っかそのものだった。


「何なのよこれ!? 誰がどう見てもクワには見えないわよ!?」

「我も同感じゃ……こんな訳の分からない見た目をしている奴がクワとか世も末なのじゃ」


 幼女2人は目を見開いて、驚きの表情をあらわにしている。 てかロリ魔王の感想はもう専門家の域のセリフなんよ


「とりあえず……【鑑定】っと」


 私は、<魔眼ルルイエ>っていうどこかで聞いたことがあるような厨二っぽい名前の左眼で、謎の輪っかを対象に取り【鑑定】のスキル(この世界における「能力」の上位版)を発動した

=====

固有名:<災禍輪(ディザスターメビウス)>

装備カテゴリ:<クワ>/<導具(タリス)>

攻撃力:????

耐久力:????

<創造者>、別名<乃愛(のあ)>という天使が「災禍」と交わる(自主規制したわけではない)ことで闇堕ちした姿。 仲間の力を借りることで解き放たれる真の力は農業界に嵐を巻き起こすだろうゆあまいそーそー

=====

「やなことあってもどっかでかっこうつけそうな説明文じゃのぅ……」

 

 ロリ魔王はぽつりと呟いた。 あれそれどっかの国民的男性アイドルグループのデビュー曲の歌詞だったような気が。そしてメビウスって名前の光の戦士もどこかで聞いたことが……


「ニーナ? それって2021年に解散したあの6人組のやつだったっけ?」

「お主は何を言っておるのじゃ? 某ストームさんに光の巨人はいなかったじゃろうが」


 ロリ魔王がそう言ってくれたことで、私はこの輪っかの本当の使い方に気付いた。


 メビウスといわれて思いつく光の戦士はただ一人、ウル○ラマンメ○ウス……。 そして同じ光の戦士の中に、輪っかの形をした変身アイテムの使い手がいるではないか


 つまりその人の変身時の詠唱をすればよいわけである。そうと分かり、私はその場で立ち上がる。 それに答えたのか、輪の中から声が聞こえた


「そんな装備で大丈夫か?」


 やや低めの女の子の声。その台詞は、昔日本で何百回も聞いた事があり、私はそれの答えを知っていた


「大丈夫だ、問題ない」


 エル○ャダイっていうゲームのPVに出て来たこのセリフは、結構有名なネットミームだった。イー○ックとか懐かしい……


 私の言葉を認識した<災禍輪(ディザスターメビウス)>から、また声がした

「よかろう。 ボクにあの詠唱を行え」


……ボク?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ