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異世界料理道 ~あとがきにかえて~  作者: EDA


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7/10

07 逆輸入

 カイロス三世とアローンは、『アムスホルン大陸記』からの逆輸入キャラでありました。

 そして当作は、書籍版の登場キャラクターも2名ほど逆輸入しております。


 それは、マサ・フォウ=ランとディール=ダイの両名となります。

 マサ・フォウ=ランはかつてサリス・ラン=フォウと婚儀を挙げる予定でありながらアイ=ファに懸想してしまい、二人の関係に亀裂を入れました。

 ディール=ダイはヴィナ・ルウ=リリンとヤミル=レイの両方に懸想して、ルウとスンにいらぬ騒動をもたらしかけました。


 それらのエピソードが描かれたのは書籍版に収録された番外編でありまして、ウェブ版におきましてはざっくり概要が紹介されているていどとなります。


 正直に申しまして、この二人は番外編のエピソードを彩るための脇役に過ぎませんので、わざわざウェブ版に登場させる甲斐もなかったことでしょう。


 ただ、ファやフォウやランが合同で収穫祭を行うのであればマサ・フォウ=ランもその場にいることになりますので、アイ=ファたちがいっさい触れないのはいささか不自然であるように思われます。


 そしてディール=ダイに関しては、それよりも大きな必要性が存在いたします。

 そもそも彼は、作中の齟齬を解消するために生まれたキャラクターであったのです。


 その齟齬とは、ヴィナ・ルウ=リリンことヴィナ=ルウとヤミル=レイことヤミル=スンが顔見知りであった件についてとなります。


 ヤミル=スンが初めてアスタの屋台にやってきたとき、二人はいかにも因縁ありげに言葉を交わしておりましたが、よくよく考えるとどこで知り合ったのだろう?という疑念がわいてきてしまったのです。


 ディガ=スンたちは森辺中をうろついて悪さをしていたので、顔や素性が知れ渡っていても不自然ではありません。ですが、森辺の女衆というのは原則として自分たちの集落に引きこもっておりますので、家の遠いヴィナ=ルウとヤミル=スンが因縁を持っているのは不自然であるように感じられました。


 それで二人の出会いを演出するために、ディール=ダイという存在が生み落とされたのです。

 よって、物語の整合性を保つためにも、彼はウェブ版にも登場させようと思い至りました。


 その後、ディール=ダイが邪神教団を討伐する遠征部隊に組み込まれたのは、一度ぐらい活躍の場を与えてあげようという配慮になります。

 マサ・フォウ=ランは収穫祭の力比べで弓の手腕を披露するという見せ場もありましたが、ディール=ダイは本当に顔を出す機会しかなかっため、作者として不憫に思った次第です。


 こういった話は活動報告などでも語っておりましたが、それを目にしていない方々のためにこちらでも釈明させていただきました。

 作者の都合で振り回された気の毒な両名でありますので、多少なりともご愛顧いただければ幸いでございます。

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