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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第3章 私リリア!運命が動き出したの。
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男の正体と名前

「あの侍従の正体が分かったよ。」

アレスの説教が終わるのと同時に部屋からリオンが顔を出した。

それ程に長い時間お説教を聞いていたとは思っていなかった私は思わず呆けてしまう。


「どうする?今にするか、お兄様やリナリアが居る時に話した方が良いかもだけど?」

リオンの提案に後者の方が良いだろうと判断した私達は、翌日…学園が終わってから邸に集まった。


アレスとリオンとリナリアと共にリビングで待っていれば、お兄様がリシェ様を連れて部屋へと入る。

…更にその後ろにはクロード殿下とジュード殿下も居た事に驚いた。

そして全員が揃うとリーマスお兄様がリオンに話すように促す。

どうやらクロード殿下とジュード殿下についての説明は無いらしい。


「昨夜、父の部屋に忍び込んだ男だけど…オステリア王国ではライル・マッコリンと名乗っていました。十年前にマッコリン子爵家の養子に入ったが、元はワインバル王国のメイカー公爵の三男。公爵に似ていたのは親子だったからだね。」

ジュード殿下の侍従として働く少し前にワインバル王国から来た男。

公爵の息子だから似てたのかと、納得した。


他国の貴族へ養子で来るとは驚いたが、もしかしたらマッコリン子爵家も事件に関与しているのか?


「マッコリン家はチャミシル家と親戚関係だからな…それでチャミシル嬢と接点があったのかもしれない。そして、チャミシル家は辺境伯家で身分が上だからマッコリン家は頼まれたのかもしれないが…。」

リーマスお兄様の隣に座ったクロード殿下が補足した事で部屋にいた面々も頷く。

周囲の反応に、クロード殿下はリオンを見て続きを促した。


「元々、マッコリン子爵家から王城で勤める予定だった息子の代わりにライルが王城で勤める事になったそうです。」

「なるほど…それでジュードの侍従になった訳か。マッコリン子爵家ならば問題なく王城勤めが出来るからな。」

リオンの話に再びクロード殿下が補足する。

マッコリン子爵家は代々王城勤めをしてきたらしい。

役職こそないが、仕事態度は真面目で周囲の信頼も篤いそうだ。


「ライルが父の部屋に忍び込んだのは、領地の情報が欲しかったのもあるけど…本命は獣人達の事だった。人身売買の証拠の一部を父の部屋の引き出しに入れようと思ったが、どこも開かず。諦めて領地の資料を探すも…見つからず。手こずっている所にリリアが来たみたいだよ。」

リオンがライルの目的に関して話すとジュード殿下がガタリと音を立てた。

音に気づいた私達がジュード殿下を見ると、気まずそうに俯く。

あまり触れない事が良いのかなと、私はリオンに気になった点を聞いた。


「お父様の書斎に入れたなら…机の上に置くだけじゃダメだったの?」

それだけでも問題は無さそうに思うんだけど…?

「事件が発覚するまでは見つかって欲しくなかったみたい。どの家でも良かったみたいだけど宰相である公爵の邸に招かれた時にチャンスだと思ったらしいよ?」


高位貴族の家なら誰でも良かったと言われ、思わず顔を歪めてしまう。

そんな軽い気持ちで人を貶めるなど…許せる事ではない。


「ライル本人はまだ色々と気づいてなかったよ。」

そう締め括り、リオンは話を終えた。

ライルは自分の本当の父親が捕まった事も、獣人達が救出された事も知らないらしい。


「つまり、ロマネス殿下やチャミシル嬢も現状の把握は出来てないのかな?」

リーマスお兄様の問いにリオンは頷き答える。

「アンソニーさんと尋問したけど、今も順調に進んでいると思い込んでたよ。何があるか分からないから本当の事はまだ教えてないけどね。」

そうか…まだ彼らは勘違いを……。



「……アンソニーさんて誰の事?」

リオンから新たな名前が出て疑問に思い問いかけるとリオンは苦笑しながら私に向き直る。


『リリアがずっと心の中で大五郎さんて呼んでいた庭師さんだよ。』

私の問いにリオンはテレパシーで答え…それに対して私はあまりの衝撃に目を見開いた。

側から見たら無言で見つめ合っているように見えていたかもしれない…だが!


「アンソニーって顔じゃないでしょ!?」

我慢出来ず、私は思わず叫んだ。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。

遅くなり申し訳ないです。

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